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2024/04/27

院長ブログトップ > 【眉下切開の失敗例と後悔】芸能人ご用達の医師による眉下切開の解説

【眉下切開の失敗例と後悔】芸能人ご用達の医師による眉下切開の解説

眉下切開

眉下切開手術(眉下リフト)は、傷跡が目立ちやすい部位に施されるため、手術を行う医師の技術によって、手術の結果に大きな差が出ます。熟練した医師による眉下切開は、失敗例を避け、自然な仕上がりを目指し、失敗リスクを最小限に抑えます。対照的に、技術が不十分な医師による眉下切開は、高い失敗リスクを伴い、効果が限定的で、目立つ傷跡が残り、患者が手術を後悔する原因となることがあります。本ブログ記事では、芸能人も多く訪れる筆者が、眉下切開の失敗例とその後悔について詳しく紹介し、手術の成功を左右するポイントや、優れた医師の選び方を解説します。この情報が、眉下切開を検討している方々にとって、後悔のない選択をするための貴重な参考になることを期待しています。

眉下切開術前 

  ↑まぶた厚みがある眉下切開術前の状態(以下に経過写真あり)

 

眉下切開の失敗例とは①:皮膚の切除量不足

眉下切開手術における典型的な失敗例の一つが、「皮膚の切除量不足」です。この失敗例は、手術の効果を著しく弱め、患者さんの後悔に直結することがあります。本来、眉下切開はまぶたのたるみや厚みを取り除くことが目的ですが、切除される皮膚の量が不十分だと、たるみや厚みの改善が期待ほどには表れません。しかし、反対に切除量が多すぎると、目と眉の距離が不自然に短くなり、見た目が不自然な印象になるリスクがあります。理想的な結果を達成するためには、適切な皮膚の切除量を見極めることが極めて重要です。このバランスを正確に見極めるためには、医師の豊富な経験と高い技術が必要不可欠です。

眉下切開の失敗例とは②:眼輪筋の未処理

次に眉下切開手術で見られる一般的な失敗例として、「眼輪筋の未処理」があります。この問題は手術の効果を大きく低下させる原因となり、患者に後悔をもたらすことがあります。眉下切開手術では、単に皮膚を切除するだけではなく、眼輪筋という重要な筋肉の適切な処理が必要です。理想的な手術では、眼輪筋を部分的に切除し、残った部分を縫合することで、まぶたがしっかりと引き上げられ、望ましいリフトアップ効果が得られます。これが眉下切開手術が眉下リフトとも呼ばれる所以です。しかし、手術経験が浅い医師による眉下切開では、この重要な筋肉処理を適切に行わないことがあります。この処置が省略されると、手術後の効果が非常に弱くなり、期待したリフトアップ効果が得られないため、患者さんが手術を後悔する原因となることが多いです。

眉下切開の眼窩脂肪

↑眼輪筋を切除し、眼窩脂肪を露出させる前の状態

眉下切開の失敗例とは③:脂肪除去の判断ミス

眉下切開手術で見られる別の一般的な失敗例は、脂肪除去の判断ミスによるものです。まぶたが腫れぼったく見える主要な原因は皮膚の厚みですが、場合によっては眼窩脂肪と呼ばれる脂肪の蓄積も大きな役割を果たします。眼窩脂肪は眼窩内に位置するため、これが過剰に存在するとまぶたが重たく見えます。適切な眉下切開手術では、皮膚の厚みだけでなく、眼窩脂肪の量も評価し、必要に応じて脂肪除去を行います。適切に脂肪が除去されることで、まぶたの腫れぼったさが効果的に改善され、より自然な目元が実現されます。一方で、眼窩脂肪を除去しないほうがいいケースにおいて、眼窩脂肪を除去してしまうと、術後に眼窩がくぼみ、いわゆる「くぼみ目」になってしまうことがあります。従って、眼窩脂肪を除去すべきか、しないかという医師の判断も非常に重要になります。ただ、眉下切開部から眼窩内にある眼窩脂肪を除去するには、高い技術が必要であるため、経験がない医師はそもそも眼窩脂肪を除去できないということもあり得ます。

眉下切開で眼輪筋を縫合したところ

↑眉下切開で眼輪筋を縫合したところ(左眼)

眉下切開の失敗例とは④:傷跡が目立つ

眉下切開手術における一般的な失敗例として、「傷跡が目立つ」という問題があります。この手術は顔の非常に目立つ部分に行われるため、傷跡の問題は患者にとって大きな後悔の原因となることがあります。特に、手術の最終段階である皮膚の縫合技術は、傷跡が目立つかどうかに直接影響します。縫合時には、特に真皮縫合を丁寧に行うことが重要です。この縫合方法では、傷をきれいに合わせて縫うことができ、目立たない傷跡を実現することが可能です。しかし、真皮縫合は繊細で時間を要する作業であるため、手術の時間短縮を優先する医師がこの重要な工程を省略することがあり、その結果として目立つ傷跡が残ってしまうケースがあります。

眉下切開で真皮縫合したところ(左眼)

↑眉下切開で真皮縫合を完了したところ(左眼)

眉下切開の失敗例とは⑤:眉と目の距離が短くなりすぎる

眉下切開手術において見られる一つの失敗例は、「眉と目の距離が短くなりすぎる」ことです。この手術では眉下の余分な皮膚を除去することで、自然に眉と目の距離を縮めることが可能です。しかし、過度に皮膚を切除してしまうと、眉と目の距離が不自然に短くなり、結果的に患者さんが不満足な、不自然な目元を持つことになりかねません。これは後に修正が困難であり、患者さんが手術を深く後悔する原因となります。そのため、眉下切開手術を行う際は、皮膚の切除量に細心の注意を払うことが極めて重要です。患者さんの顔のバランスを慎重に評価し、自然な仕上がりを目指すことが必須です。医師の技術と経験が、こうした繊細な判断を行う上で不可欠であるため、手術を受ける前には医師の過去の手術例や評判を十分に確認し、信頼できる医師を選ぶことが推奨されます。

出典元:

Cleveland Clinic : Brow lift

眉下切開を失敗・後悔しないために①:明確なイメージを持つこと

眉下切開手術を受ける前に、手術後の自分の目のイメージを明確に持つことが非常に重要です。眉下切開は一般的に自然な形で二重の幅を広げる効果がありますが、手術で皮膚の切除量が多すぎると、眉と目の距離が短くなりすぎ、結果として不自然な目元になるリスクがあります。このような失敗例や後悔を避けるためには、手術前に医師と十分なカウンセリングを行い、求める結果とイメージについてしっかりと理解し合うことが必要です。

眉下切開翌日

↑眉下切開翌日の腫れ具合(脂肪除去例)

眉下切開を失敗・後悔しないために②:経験豊富な医師による手術

眉下切開手術は高い技術を要する繊細な処置であるため、経験豊富な医師による手術を受けることが極めて重要です。手術の成功は、医師の技術に大きく依存し、効果の質や傷跡の目立たなさが医師の腕次第で大きく異なります。眉下切開の失敗例や手術後の後悔を避けるためには、医師の縫合技術を特に重視し、その技術力を事前にしっかりと確認することが不可欠です。

眉下切開抜糸日

↑眉下切開術後7日目の抜糸前(脂肪除去例)

眉下切開を失敗・後悔しないために③:安いクリニックに惑わされない

眉下切開手術の費用はクリニックによって大きく異なり、極端に安い価格を提示するクリニックには注意が必要です。安さの背後には、しばしば医師の経験不足や隠れた追加費用が存在します。安い価格の理由は主に二つ考えられます。一つ目は、医師が眉下切開の経験が少なく、練習台として多くの手術を行いたいために、価格を下げて集客を図っているケースです。このような状況では、技術が未熟なため、手術の失敗が発生し、患者が後悔するリスクが高まります。二つ目は、初期の安価な費用設定で患者を集め、カウンセリング時に根拠のない理由を挙げて高額な追加手術を勧めるアップセールスが行われるケースです。最終的には表示価格の十倍以上の費用がかかることも珍しくありません。

眉下切開術後

↑眉下切開後4か月。上手な医師が手術を行えばほとんど傷跡は分からない。

 

まとめ

本ブログ記事では、芸能人の眉下切開手術も担当する筆者が、眉下切開の失敗例とその後悔について詳しく解説しました。眉下切開を検討される際には、手術後に失敗例や後悔を経験しないために、医師選びには特に注意が必要です。適切な医師による丁寧な診察と詳細な説明が、自然な仕上がりと満足のいく結果を導くための第一歩となります。また、手術を決断する前には、クリニックの評判、医師の経験、過去の症例写真などを徹底的に調査し、質の高い医療を提供する信頼できる医師を選ぶことが重要です。手術の安全性と効果を優先し、価格だけでなく、提供される医療の質を見極めることが、後悔しないための鍵となります。この情報が、眉下切開を検討している方々にとって、後悔のない選択をするための貴重な参考になることを願います。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、目元の治療、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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2024/04/25

院長ブログトップ > 【若い人に人気!眉下切開が自然に二重幅を広げる】専門医による解説

【若い人に人気!眉下切開が自然に二重幅を広げる】専門医による解説

眉下切開術後

眉下切開手術はもともとまぶたのたるみを取り除く手段として開発されましたが、その効果の自然さから、現在では若い世代にも広く支持される美容治療となっています。特に、よりはっきりとした二重を求める若者たちの間で、この手術の人気が高まっています。この記事では、なぜ眉下切開が若い人々にも選ばれる治療となっているのか、その理由と具体的な効果について詳しく掘り下げていきます。

眉下切開が人気なわけ

■自然に二重が広がる

眉下切開手術が若い世代を中心に人気を博している主な理由は、その自然な二重の仕上がりにあります。多くの人々がまぶたの厚さや腫れぼったさに悩んでおり、特にまぶたの皮膚が厚い人にとって、伝統的な埋没法や切開法で二重を形成すると、不自然なほど目が腫れぼったく見えることがあります。これは、まぶたの皮膚が上まつ毛に近い部分で薄く、眉に近づくにつれて厚くなるため、二重の折り返しが厚い皮膚で形成されるとその腫れぼったさが強調されるためです。眉下切開手術は、これらの問題に対する効果的な解決策を提供します。この手術では、眉下の皮膚をリフトアップし、まぶた全体を持ち上げることで、二重の幅を拡げることが可能です。まぶたの腫れぼったさが解消される上に、二重が広がるので、非常に自然な二重の形成が可能になるのです。

眉下切開術前

↑眉下切開治療前の状態

 

■眉と目の距離が縮まる

眉下切開手術は、眉毛と目の距離を自然に縮める効果があり、これが人気の一因となっています。この手術では、眉下の余分な皮膚を除去することで、自然に眉毛が下がり、眉と目の距離が短くなります。一般的に、眉と目の距離が長いことはアジア人特有の顔立ちの特徴であり、幼い印象を与える要因となります。一方、西洋人の顔立ちでは目と眉の距離が短く、これが成熟した、大人びた顔つきを形成する要素です。近年、二重の幅を広げる目的だけでなく、この眉と目の距離を縮めるために眉下切開手術を選ぶ方が増えています。この変化は、顔の全体的な印象をより洗練された、大人の表情へと導くため、特に若い世代からの注目を集めています。眉下切開により、眉と目の距離が縮まることで、より西洋的な顔立ちへと近づくことができるのです。

眉下切開術後

↑眉下切開後4か月の状態

眉下切開で大きくなるのか?

眉下切開手術は目を大きく見せる効果が期待される美容手術です。この手術が目の見た目を大きくする主な理由は、主に以下の二点にあります。

■目の開きが改善される
眉下切開により余分な皮膚が除去されることで、目の開きが良くなります。これは、いわゆる眼瞼下垂(まぶたの重みによる目の開きの悪さ)の症状が改善する効果が眉下切開にあるからです。

■二重の幅が広がり、見える面積が増加する

手術によって二重の幅が広がると、それまでまぶたに覆われて隠れていた目の上部がより露出します。このため、目全体の見える面積が増え、視覚的に目が大きく見える効果が得られます。

これらの変化により、眉下切開は目を大きく見せることに寄与し、多くの方々から支持されています。特に目元の印象を改善したいと考える若い人にとって、この手術は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

出典元:

Cleveland Clinic : Brow lift

眉下切開と埋没法、どちらを先に行うべきか?

まぶたの皮膚が厚い、またはたるみがある場合、余分な皮膚の除去と二重の幅をしっかり広げたいと考えると、どちらの手術を先に行うかという疑問が生じることでしょう。このような場合、一般的には先に眉下切開を行うことをお勧めします。眉下切開手術を先に施行する主な理由は、この手術だけでも二重の幅が自然に広がり、その結果、追加で埋没法を行う必要がなくなる場合があるからです。ただし、元々が一重である場合や二重の幅が特に狭いと感じる場合には、眉下切開と埋没法を同時に行うことも一つの有効な選択肢です。このアプローチによって、より効果的に目元の印象を変え、理想的な結果を得ることが可能になります。それぞれの患者様の目の状態と望む結果に応じて、最適な手術プランを検討することが重要です。

眉下切開で眼瞼下垂は治るか?

眼瞼下垂、つまり目の開きが弱いために黒目がまぶたに隠れていて、目が小さく見える状態は、多くの方にとって悩みの一つです。眉下切開手術は、状態によってはこの眼瞼下垂の改善に効果的です。特に、まぶたの皮膚が厚く、その重みによって目が十分に開かない軽度の眼瞼下垂の場合、眉下の余分な皮膚を除去することで、目の開きが改善されることがあります。一方で、くぼみ目の方や目を開閉する筋肉(眼瞼挙筋)の機能が弱い場合、眉下切開だけでは不十分なことが多く、これらの状況では眼瞼下垂の根本的な原因を解決するために、より専門的な手術である挙筋前転法が推奨されます。この手術では、まぶたを開閉する筋肉(眼瞼挙筋)を直接調整することで、目の開きを改善し、より長期的な解決を目指します。したがって、眉下切開が眼瞼下垂に対して適切な治療法かどうかは、個々の症状やまぶたの状態によって異なります。最適な治療法を選択するためには、経験豊富な専門医との十分な診断と相談が必要です。

↑軽度の眼瞼下垂なら眉下切開で改善します。

眉下切開で二重になるか?

眉下切開手術は、特に奥二重の方に対して、はっきりとした二重を形成する効果が期待できます。この手術により、まぶたの余計な皮膚を取り除くことで、二重のラインが自然に広がり、より明瞭な二重に変わることが多いです。奥二重の方がこの手術を受けることで、そのまぶたの隠れたポテンシャルを引き出し、顕著な二重瞼を実現することができます。しかし、完全に一重の方の場合、眉下切開だけでは二重瞼を作り出すことはできません。一重のまぶたの場合はは、眉下切開よりも直接的なまぶたの切開や埋没法など、他の手法が効果です。したがって、完全な一重からはっきりした二重への変化を望む場合には、眉下切開と他の手術方法を組み合わせることが一般的です。

↑眉下切開のビフォーアフター。奥二重が末広二重になります。

 

眉下切開でつり目になるか?

眉下切開手術により、目尻の位置を自然な範囲で引き上げることが可能です。これは、特に垂れ目の傾向がある方にとって、目元の印象を少し引き締める効果があります。しかし、眉下切開自体では、目尻を大幅に引き上げてつり目のような劇的な変化を達成することはできません。もし明確につり目の効果を求める場合、より適切な手段としてコメカミリフトを推奨します。コメカミリフト(コメカミ部分を切開して引き挙げるフェイスリフト)は、コメカミ部分を切開して皮膚を引き上げることにより、より顕著なつり目の効果を得ることが可能です。この手術は、目元だけでなく全体的な顔のリフトにも寄与し、より引き締まった若々しい顔立ちを実現します。つまり、眉下切開は目元の微調整には有効ですが、目を大きく引き上げるつり目効果を望む場合は、他の手術オプションを検討することが望ましいでしょう。

眉下切開は一重のままで受けられるか?

一重まぶたの方でも、眉下切開手術を受けることは可能です。この手術は主にまぶたのたるみや余分な皮膚を取り除くことに焦点を当てています。したがって、一重の方でも手術を通じてまぶたが軽くなり、その結果としてより開放的で明るい目元を実現することができます。眉下切開手術は、必ずしも二重を形成するためだけではなく、目の周囲の皮膚の状態を改善し、より若々しい印象を与えるためにも有効です。一重のままで目元の見た目を自然に改善したいと考えている方にとって、この手術は非常に有益な選択肢となるでしょう。目元の全体的な印象を改善し、よりクリアで健康的な目もとを求める方々に推奨されます。

眉下リフトはバレるか?

眉下リフトは目元の印象を顕著に変化させるため、手術を受けたことが他人にバレる可能性は完全に否定できません。しかし、この手術は二重の切開手術など他の目元手術に比べて、非常に自然な仕上がりとなるため、バレるリスクは比較的低いと言えます。多くの場合、周囲の人々はメイクの変更程度にしか感じないことが多いです。ただし、手術の傷跡が目立つ場合は、手術を受けたことが明らかになるリスクが高まります。そのため、傷跡を目立たなくするためには、経験豊富で技術力の高い医師を選ぶことが非常に重要です。手術を検討する際には、医師の技術レベルや過去の手術例を十分に確認し、安心して任せられる医師を選ぶことをお勧めします。こうした準備が、手術後の自然な美しさと満足度を高める鍵となります。

眉下切開傷跡

↑眉下切開後4か月の傷跡

まとめ

この記事では、特に若い世代に人気のある眉下切開手術について詳しく解説しました。眉下切開は自然に二重の幅を広げることができるため、自身の二重整形を他人に気付かれたくない方にとって理想的な選択肢となり得ます。手術により自然な美しさを引き出すことが可能ですが、眉下切開は比較的目立ちやすい部位に傷跡が残る可能性があるため、実施する医師の技術と経験が非常に重要となります。このブログが、眉下切開を検討している若者たちにとって有益な情報源となり、自分に適した美容手術の選択に役立てることを願っています。手術を検討する際には、信頼できる医師と十分なカウンセリングを行い、最終的な判断を下すことが重要です。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、目元の治療、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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2024/04/23

院長ブログトップ > 薄毛が悩みなら赤ワインがおすすめ【女性薄毛対策ブログ第22回】

薄毛が悩みなら赤ワインがおすすめ【女性薄毛対策ブログ第22回】

赤ワインと薄毛

(第21回「女性の薄毛が悩みなら、タバコは厳禁!」からの続き)

適度なお酒は、血管を拡張させる作用があるので、髪にとってはよいと言えます。そのお酒の中でも、特に赤ワインがよいかもしれません。赤ワインに含まれるポリフェノールには、薄毛の原因とされる活性酸素を体内から取り除いてくれる作用があるからです。今回のブログ記事は活性酸素と薄毛と赤ワインの話です。

活性酸素とは

活性酸素(Reactive Oxygen Species, ROS)は、通常の代謝プロセスの副産物として体内で生成される分子で、酸素を含む不安定で反応性の高い化合物です。これらは、エネルギー生成のための正常な細胞機能において重要な役割を果たしますが、過剰に生成されたり、適切に中和されなかったりすると細胞や組織に損傷を与えることがあります。

活性酸素の主な生成源

■ミトコンドリアでの電子伝達系(呼吸鎖反応)

体の主なエネルギー源であるATPを生成する過程で、ミトコンドリア内で電子が伝達されます(電子伝達系)。この電子伝達システムの一部が漏れ出し、酸素分子と結合してスーパーオキシドアニオン(超参加物)などの活性酸素を生成します。

■細胞質での酵素反応

体内では、肝臓などの代謝過程で重要な役割を行っているシトクロムP450酵素、キサンチンオキシダーゼ、NADPHオキシダーゼなどの酵素が活性酸素の生成に関与しています。これらの酵素は特定の物質を酸化する際に活性酸素を産生します。

■炎症反応

免疫細胞は病原体を攻撃する際に活性酸素を生成します。これは、感染部位における病原体の殺菌や、感染制御のための重要な防御機構です。

■外部要因

紫外線(UV)曝露、汚染物質、化学物質、放射線などの環境ストレスも活性酸素の生成を促します。

活性酸素

活性酸素の生物学的影響

活性酸素は、少量であれば細胞のシグナリングや免疫応答など、重要な生物学的機能を果たします。しかし、過剰に生成されると以下のような損傷を引き起こします

■DNA損傷

活性酸素はDNAと反応し、突然変異を引き起こす可能性があります。これはがんや他の遺伝的疾患の原因となることがあります。

■脂質過酸化

細胞膜を構成する脂質と反応し、細胞膜の損傷を引き起こします。

■タンパク質の損傷

タンパク質の構造と機能を変化させ、細胞の機能不全を招きます。

活性酸素の防御機構

体内には、過剰な活性酸素から細胞を保護するための抗酸化防御システムが存在します。これには、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの酵素が含まれ、活性酸素を無害な物質に変換し、細胞損傷を防ぎます。このバランスが崩れた状態が酸化ストレスであり、慢性的な病状の発生や進行に関与していると考えられています。

髪をダメージする活性酸素

■毛根や頭皮での活性酸素の生成

毛根や頭皮の細胞は、正常な代謝活動の過程で活性酸素を生成します。さらに、炎症や紫外線への露出、化学物質による刺激など外部からのストレスも活性酸素の生成を促すことがあります。これらが局所的に毛根細胞やその周囲の組織にダメージを与え、毛髪の成長に影響を及ぼします。

■体全体の代謝で発生した活性酸素の影響

体全体で発生した活性酸素は血流を介して全身に運ばれます。これにより、毛根に栄養を供給する血管やその他の組織が酸化ストレスにさらされることがあります。酸化ストレスは血管の機能障害を引き起こし、毛根への栄養供給が不十分になることで、毛髪の成長に必要な環境がダメージを受けます。

活性酸素が薄毛を進行させるメカニズム

■毛髪の成長サイクルの乱れ

活性酸素による酸化ストレスは、毛母細胞(毛髪の成長を司る細胞)を損傷し、その機能を低下させることがあります。これにより、毛髪の成長サイクルが正常に行われなくなり、成長期が短縮したり、休止期が長引いたりすることで、薄毛や抜け毛が進行します。

■頭皮環境の悪化

酸化ストレスは頭皮の細胞にも影響を及ぼし、炎症反応を引き起こすことがあります。頭皮の炎症は毛穴を詰まらせたり、毛根の健康を損ねたりすることで、毛髪の成長に悪影響を及ぼします。

■栄養素の損失

活性酸素は細胞の代謝機能に影響を与え、髪の毛に必要な栄養素の吸収や利用効率を低下させることがあります。これにより、髪の毛が必要とする栄養が十分に供給されず、薄毛が進むことがあります。

このように、活性酸素が引き起こす酸化ストレスは、頭皮や毛髪の健康に様々な影響を及ぼし、薄毛の一因となります。そのため、酸化ストレスを管理し、活性酸素を抑制することが薄毛対策の一環として考えられます。

活性酸素を制御する方法

酸化ストレスを抑制し、活性酸素の害を最小限に抑えるためには、以下のような対策が有効です:

■抗酸化物質の摂取

ポリフェノール、、大豆イソフラボン、ビタミンCやビタミンE、βカロテン、セレンなど、抗酸化物質を豊富に含む食品を摂取することが推奨されます。

■適切な運動

適度な運動は抗酸化酵素の活性を高めることができます。

女性薄毛予防にも運動を

■ストレス管理

精神的、物理的ストレスは活性酸素の生成を促進するため、リラクゼーション技法や十分な睡眠をとることが重要です。

これらの対策は、体全体の健康を保つとともに、髪の健康を守るためにも重要です。毛根や頭皮での活性酸素の生成を抑えることで、薄毛の進行を遅らせる可能性があります。

薄毛によい赤ワイン

赤ワインが薄毛に良いとされています。その理由は、主にその抗酸化物質の含有量に関連しています。赤ワインに含まれるポリフェノール類、特にレスベラトロールと呼ばれる化合物が注目されています。これらの抗酸化物質は以下のようなメカニズムで薄毛に対して良い影響を及ぼす可能性があります

■抗酸化作用

赤ワインの抗酸化成分は、酸化ストレスによる細胞損傷を防ぐことができます。活性酸素は細胞のDNAやタンパク質、脂質を損傷し、これが毛髪の成長周期に悪影響を与えます。レスベラトロールなどの抗酸化物質がこれを防ぐことにより、毛母細胞の健康を保ち、毛髪の成長を促進する可能性があります。

■抗炎症作用

赤ワインに含まれる成分が抗炎症作用を持つことも知られています。頭皮の炎症は毛穴の詰まりや毛根への損傷を引き起こし、結果として薄毛や抜け毛を進行させることがあります。抗炎症作用により、これらの問題を軽減し、健康な頭皮環境を維持するのに役立つかもしれません。

■血流促進

適度なアルコール摂取は血管を拡張し、血流を改善する効果があります。改善された血流は頭皮への栄養と酸素の供給を促進し、これが毛髪の健康を支える要因となります。

赤ワインと薄毛対策

まとめ

活性酸素が体内でどのようにして生成され、多様な障害を引き起こし、特に薄毛の進行にどのように影響するのか、このブログ記事で詳しく解説してきました。特に、赤ワインに含まれる豊富な抗酸化作用は、これらの問題に対抗する手段として非常に有望です。科学的な証拠はまだ完全ではありませんが、薄毛対策として赤ワインが有効である可能性は否定できません。そのため、もし普段からお酒を楽しむのであれば、特に抗酸化物質が豊富な赤ワインを選ぶことをお勧めします。適度な赤ワインの摂取は、ただ美味しいだけでなく、薄毛への対策としても期待されるのです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。これまで延べ5万以上の薄毛治療を行う。著書に「専門医が徹底解説!女性の薄毛解消読本」(元神賢太著 / 幻冬舎)。女性の薄毛治療のほか、エイジングケア治療、美肌治療を得意としている。

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2024/04/21

院長ブログトップ > 【まぶたのたるみ除去に眉下切開が良い理由】眉下切開の詳細解説

【まぶたのたるみ除去に眉下切開が良い理由】眉下切開の詳細解説

眉下切開に悩む女性

年齢と共に避けがたい変化の一つに、まぶたのたるみがあります。この問題に直面して、多くの患者様が私のクリニックに相談に訪れます。一般的には「まぶたを切開してたるみを取り除いてほしい」とのご要望を受けますが、まぶたのたるみをまぶたの切開で除去してはいけません。このブログ記事では、眉下切開がまぶたのたるみ除去に適している理由と、どのようにして眉下切開により自然に二重のラインが拡がるのかを詳しくご説明します。また、眉下切開(眉下リフト)に手術の具体的な工程、回復期間、ダウンタイムについても詳細に解説します。

まぶたのたるみをまぶたの切開で除去してはいけない理由

まぶたのたるみを単純なまぶたの切開で取り除く方法は、しばしば望ましくない結果を招きます。これは、まぶたの皮膚が極めて薄く、非常に繊細であるためです。特に、睫毛に近い部分の皮膚は非常に薄く、眉毛に近づくにつれて厚みが増します。この構造的特徴から、もしまぶたの中間部分の皮膚のたるみを切除し、二重を形成する要領で縫合すると、薄い皮膚と厚い皮膚が不自然に組み合わされることになります。その結果、非常に不自然な二重のラインが形成される可能性が高くなり、見た目にも不調和が生じます。

まぶたのたるみ取り昔の術式

↑古い手術書に記載されているまぶたのたるみ除去手術

過去の美容外科における標準的な手法として、上まぶたのたるみを取り除くためにまぶたを切開する「上眼瞼除皺術」が広く行われていました。この手術は、まぶたの中間部分の皮膚を切除する方法であり、治療前後の変化を示す写真も多くの手術書に掲載されています。しかしながら、これらの手術書を見ると、手術後に形成された二重のラインが非常に不自然であることが見て取れます。そのため、昔のこの手法は現在では適切な治療法とは見なされていません。現在でもこのような昔ながらの方法を採用している医師やクリニックも存在しますが、その結果が自然でないことは一見して明らかです。技術の進歩により、より自然で効果的な方法が求められるようになりました。特に、眉下切開手術(ブロウリフト)はまぶたのたるみを解消する上で推奨される手法です。

眉下切開(ブロウリフト)「とは

眉下切開手術はブロウリフト、アイリフト、眉下リフトとも称されますが、眉毛の直下の皮膚を切除することでまぶたをリフトアップする美容整形手術です。このアイリフト手術は単に皮膚を切除するだけではなく、その下にある眼輪筋という筋肉にも注意を要します。多くの美容外科では、皮膚の切除だけが行われがちですが、これでは充分なリフトアップ効果が得られません。実際には、皮膚の下の眼輪筋を部分的に切除し、眼輪筋同士を縫縮することで、より強力な引き上げ効果が期待できます。しかし、皮膚の切除量が不十分であったり、眼輪筋の処理が適切でなかったりした場合、手術の効果は期待通りにならないことがあります。そのため、手術の成功は経験豊富な専門医の熟練した手技に依存します。眉下切開手術を検討する際には、医師の技術や経験、過去の実績を十分に確認し、信頼できる医師に依頼することが極めて重要です。

眉下切開(ブロウリフト)の効果

眉下切開手術、一般にブロウリフト、アイリフト、眉下リフトとも呼ばれるこの手法は、主に以下の二つの効果があります。

■まぶたのたるみの改善
眉下切開手術では、眉毛の直下の余分な皮膚を切除し、眉下の皮膚を持ち上げることにより、まぶたのたるみが効果的に改善されます。その結果、腫れぼったかったまぶたが改善し、より若々しい印象の目元に生まれ変わります。

■二重の幅を自然に拡げる
眉下切開は、二重の幅を自然に拡げる効果もあります。特に、元々腫れぼったいまぶたの場合、通常の切開手術では厚い皮膚が折りたたまれる形で二重が作られ、結果として不自然な外見になりがちです。しかし、眉下切開では、このような不自然な二重形成にはならず、目元の自然さが保たれたまま二重の幅が拡がります。

眉下切開前後

↑二重治療を行わずに、眉下切開だけで二重が拡がります。

眉下切開に向いている人・眉下切開をするべき人

眉下切開手術、またはブロウリフトは、特定の特徴を持つ人々にとって非常に効果的な美容整形手術です。この手術が最も適していると考えられる主なケースを以下に示します。

■まぶたのたるみが顕著な人
まぶたのたるみが特に多い人にとって、眉下切開は理想的な選択肢です。この手術により、たるんだ皮膚を効果的にリフトし、目元をより鮮明で若々しい印象に変えることができます。

■自然な形で二重の幅を広げたい人
加齢に伴い目尻の皮膚がたるんで二重の幅が狭くなることがあります。また、元々二重のラインを広げたいと考えているものの、厚いまぶたの皮膚によって通常の切開手術では不自然な結果になることがあります。眉下切開は、こうしたケースにおいても、目元の皮膚を自然にリフトし、自然な二重の幅を実現します。

眉下切開に向いていない人・眉下切開をやめたほうがいいケース

眉下切開手術、またはブロウリフトは多くの人に美しい効果をもたらす美容整形手術ですが、特定の条件を持つ方には不適切な場合があります。以下に、この手術が推奨されない主なケースを説明します。

■くぼみ目の方
くぼみ目の方が眉下切開を行うと、目元のくぼみがさらに強調されることがあります。これは、手術によって皮膚の余りがなくなり、眼球の形状が余計に強調されるためです。その結果、余計に老けた印象を与えかねないため、この特徴を持つ方は慎重に手術を検討する必要があります。

■眉と目の距離が短い方
眉下切開手術では、眉毛の直下の皮膚を切除し、その結果、眉毛と目との距離が自然と短くなります。そのため、元々目と眉毛の距離が短い方には、この手術が目元のプロポーションを不自然に見せる可能性があります。このような方には、他の治療法の方がより適切な選択肢となるかもしれません。

■傷跡に対して神経質なかた

眉下切開は上手な医師が行えば、傷跡はほとんど分からない程度になります。ただ、完全に消えることはありまえん。わずかに残った傷跡もお化粧やアートメイクで他人からは分からない程度になります。ただ、傷跡は顔に正面で露出される部位にあるため、傷跡に対して過剰に神経質になるかたに眉下切開を受けることはやめたほうがかもしれません。

眉下切開手術後ダウンタイムや痛みについて

眉下切開手術は、そのダウンタイムが比較的短いため、多くの患者にとって魅力的な選択肢となっています。通常、手術後1週間で抜糸が行われることが多く、その時点で大半の腫れも引いている状態です。抜糸までの間は、傷口を保護するために眉上にテープが貼られますが、このテープは通常、日常生活において特別な不快感を引き起こすことはありません。また、ダウンタイム中の痛みもほとんどありません。そのため、手術を受けた後も、ほとんどの患者は直ちに日常の活動を再開できます。これにより、仕事やプライベートのスケジュールを大きく変更する必要がなく、生活への影響を最小限に抑えることが可能です。

出典元:

Cleveland Clinic : Brow lift

眉下切開(ブロウリフト)の傷跡

眉下切開手術、一般にブロウリフトと呼ばれるこの手術を選択される際、多くの患者様が最も気になるのが術後の傷跡です。眉下切開手術で生じる傷跡は、手術を行う美容外科医の技術に深く依存します。経験豊富で高度な技術を持つ医師による精密な手術が行われる場合、傷跡は時間が経過するにつれて目立たなくなります。実際には、数ヶ月後には傷跡が非常に目立ちにくくなることが多いです。さらに、抜糸直後から適切なメイク技術を用いることで、傷跡を効果的に隠すことが可能です。眉毛に沿ってメイクを施すことで、自然に傷跡をカモフラージュし、外見の美しさを保つことができます。

眉下切開に傷跡

↑眉下切開手術後6か月の傷跡(ほとんど分からないです)

眉下切開(ブロウリフト)のデメリット

眉下切開手術、またはブロウリフトは多くのメリットをもたらしますが、その一方でいくつかのデメリットも把握しておく必要があります。この手術の主なデメリットとして、手術後の傷跡、必要な回復期間、すなわちダウンタイム、および手術費用が挙げられます。

■傷跡
他の美容外科の切開手術と同様に、傷跡は避けられない問題です。眉下切開の場合、傷跡の目立ち具合は施術を行う美容外科医の技術に大きく左右されます。高い技術を持つ医師が施術を行った場合、傷跡は時間が経過するにつれてほとんど目立たなくなると期待できます。

■ダウンタイム
眉下切開は、他の目周囲の美容整形手術に比べて比較的ダウンタイムが短いものの、完全に日常生活に戻るまでには一定の期間が必要です。この回復期間は個人差があり、一週間程度のダウンタイムが必要な場合もあります。ダウンタイム中は特に日常生活に制限はなく、お風呂に入ることもできます。

■手術費用
手術費用はクリニックによって異なり、一般的には30万円から50万円の範囲です。非常に高額または格安の料金設定のクリニックは、その質や安全性について十分な調査が必要です。

これらのデメリットを十分に理解し、手術の利点と潜在的なリスクを天秤にかけた上で、眉下切開手術を検討することが重要です。また、手術を受ける前には、信頼できる美容外科医としっかりとカウンセリングを行い、自分の期待に沿った最適な治療計画を立てることが望ましいです。

眉下切開手術(ブロウリフトの流れ

①デザイン

眉下切開手術を成功に導くためには、手術前のデザインが非常に重要です。この段階で、患者様の具体的な要望を詳細に伺い、どの程度の範囲で眉下を切開するかを慎重に決定します。多くの患者様は具体的な要望を特に持たず、治療計画を医師に委ねることが一般的ですが、その場合、私は最大限の治療効果が現れるようなデザインを行っています。

②手術とその痛み

私が担当する眉下切開手術は、各目につき約25分、全体で約50分の手術時間を要します。脂肪除去を同時に行う場合は、手術時間が若干長くなることがあります。通常、眉下切開手術は局所麻酔を使用して行いますが、患者様の希望に応じて静脈麻酔を併用することも可能です。局所麻酔のみの場合、手術開始時には少し痛みを感じることがありますが、その後は痛みを感じずに手術を進めることができます。一方、静脈麻酔を併用すると、患者様は手術中ほとんど意識がないため、よりリラックスして手術を受けることができ、手術が終わるまでの間、ほぼ何も感じることがありません。

③眉下切開手術後のケア

手術完了後、切開部位を保護するために肌色の保護テープを傷の上に貼ります。このテープは水に強い素材で作られており、手術後1週間はそのまま保持する必要があります。万が一テープが剥がれてしまった場合に備えて、予備のテープも提供しています。この予備テープを使って、必要に応じて患者様自身で簡単に再貼付することができます。手術後の日常生活において特に厳しい制限は設けておりません。洗顔やシャワーを含む日常活動は、通常どおり問題なく行うことができます。お風呂に入ることもできます。抜糸までの間、特別な通院の必要もありませんが、何か気になることがあれば随時相談していただくことが可能です。また、この期間中は縁が少し厚いメガネをかけたり、前髪を下ろすことで、眉下切開の傷を隠したり、カバーすることができますので、おすすめです。

④抜糸とその後のケア

眉下切開手術後約1週間で抜糸が行われます。この抜糸が完了することにより、患者様は眉のお化粧を始めることが可能となります。抜糸後のケアは特になく、通常の生活をすぐに再開できるため、特別な通院の必要はありません。ただし、手術後に何か気になる症状が現れた場合や不安な点がある場合は、いつでもクリニックに相談されるとよいと思います。

眉下切開手術ビフォーアフター

まとめ

歴史的に見て、まぶたのたるみや二重の拡張にはまぶたの切開手術が一般的でしたが、これらの手術では多くの場合、不自然な腫れぼったい二重が形成されることが問題でした。私は20年以上にわたり、より自然な見た目を実現するために眉下切開手術を推進してきました。眉下切開により、まぶたの腫れぼったさを自然に改善し、美しいまぶたを実現することが可能です。このブログ記事では、眉下切開の全般について、その効果、ダウンタイム、手術後の傷跡、そしてデメリットについて詳細に解説しました。眉下切開手術を検討している方々にとって、この記事が参考になれば幸いです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、目元の治療、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。第109回日本美容外科学会で「スプリングスレッドを併用したフェイスリフト手術」で学会発表し、好評を得た。切らないフェイスリフトのウルセラも日本国内に導入直後から取り入れており、第107回日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

【関連項目】

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2024/04/19

院長ブログトップ > 目頭切開が上手い先生による目頭切開手術の徹底解説

目頭切開が上手い先生による目頭切開手術の徹底解説

目頭切開できれいな二重平行型

目頭切開は、日本人特有の蒙古襞により小さく見えがちな目を大きく魅力的に見せる人気の手術です。この手術を成功させるためには、経験豊富で技術力の高い「上手い先生」の選択が非常に重要です。目頭切開が上手い先生による手術では、自然で美しい結果を期待することができます。本ブログ記事では、目頭切開が上手い先生による手術の効果、さらには患者様が抱えるさまざまな疑問に対して、詳細な解説を行います。

目頭切開で目が大きくなるのか?

目頭切開手術は、目を大きく見せる効果が期待できることで知られています。この手術が目を大きく見せることに貢献する主な理由は二つあります。

■目頭の面積が増える

目頭切開により蒙古襞を切除することで、その部分の眼球の露出が増え、結果として目が大きく見えるようになります。

■平行型二重による面積の増加

目頭切開により、末広型の二重が平行型二重に変化することが可能です。この変化により、まぶたで覆われていた目の内側部分が露出し、目全体の見える面積が増加します。

目頭切開術前

↑目頭切開治療前の状態

目頭切開できれいな二重平行型

目頭切開できれいな二重平行型

↑目頭切開後6か月の状態

青色部分は蒙古襞がなくなったことにより大きくなった目の面積

オレンジ部分は目頭切開より平行型に二重になったことにより大きくなった目の面積

 

目頭切開治療前

↑目頭切開治療前の状態

目頭切開術アフター

↑目頭切開後6か月の状態。治療前と比較して黒目の面積が増えていることが明らかです。

 

目頭切開ビフォー

↑目頭切開治療前の状態

目頭切開後アフター

↑目頭切開後6か月の状態

 

目頭切開なしで平行型二重は可能か?

二重まぶたを形成する方法には様々な技術があり、その中でも埋没法は一般的です。特に、蒙古ひだがあまり発達していない方の場合、埋没法だけで平行型のきれいな二重まぶたを形成することが十分に可能です。しかし、蒙古ひだが顕著に発達している場合、埋没法だけでは十分な平行型を達成することが難しいことがあります。この場合、二重の幅を非常に広げなければならず、それが逆に不自然な外見や、眠そうな目の印象(眼瞼下垂の症状を引き起こす可能性がある)をもたらすことがあります。このような状況では、目頭切開手術を併用することで、より自然な二重の幅で平行型の二重まぶたを形成することが可能となります。

目頭切開単独での平行型二重は実現可能か?

目頭切開手術は、多くの場合、元々ある程度がある二重が存在する場合に、それ自体で平行型二重を形成する可能性があります。目頭切開により元々末広型だった二重は、目頭側から二重のラインが形成され、きれいな平行型になる場合が多いのです。しかし、もし元々の二重が奥二重であり、かつその二重の幅が狭い場合、目頭切開単独では望む平行型二重まぶたにはならないです。このような状況では、目頭切開と同時に二重まぶたの埋没法等で二重を拡げる手術を行うことで、平行型の二重ラインを確実に形成することが可能となります。埋没法は、二重のラインを安定させ、より安定した二重を作り出す助けとなるため、目頭切開との併用は効果的です。

その他の目頭切開のよくあるご質問

Q:蒙古襞は年を取るとなくなりますか?

A: 加齢に伴って蒙古襞が目立たなくなることはある程度認められていますが、その変化は人によって異なり、多くの場合、顕著な変化を期待するのは難しいです。蒙古襞が目元の印象に与える影響は大きいため、蒙古襞が原因で目元の印象にお悩みの方には、目頭切開手術をおすすめします

Q:目頭切開をしてもバレない程度にするにはどうしたらいいですか?

A: 目頭切開手術を行っても、他人に気付かれない程度にするためには、手術の範囲を控えめにすることが重要です。手術を受ける際には、目元の自然なラインを尊重し、過度に切除しないように注意する必要があります。また、経験豊富な医師が慎重に手術計画を立てることで、目立たない自然な仕上がりを目指すことができます。手術前に医師との詳細なカウンセリングを行い、自分の希望する結果についてしっかりと伝えることが、望むような控えめな結果を得るためには不可欠です。このプロセスを通じて、目頭切開が他人にバレることなく、自然な美しさを実現することが可能になります。

Q:目頭切開のダウンタイムはお風呂に入れますか?

目頭切開手術後は通常は腫れが少ないため、ダウンタイム中でもはお風呂に入ることができます。

Q:目頭切開の傷跡はメガネで隠せますか?

A: 目頭切開手術後の傷跡については、多くの場合、メガネのフレームによって自然に隠れることが期待できます。特にメガネの縁が目頭に近いデザインの場合、傷跡を効果的にカバーすることが可能です。このため、手術後の社会生活において傷跡が気になる方は、メガネを選ぶ際にフレームが目頭を覆うスタイルを選ぶと良いでしょう。

Q:目頭切開手術後に白くなるのはなぜですか?

A: 顔の傷跡は丁寧に縫合された場合でも白く残ることがあります。傷跡が目立つ、目立たない場合は、個人差もあります。また、目頭切開を受けていない西欧人の目元でも、下まぶたの内側に生まれつき白い線が見られることがあります。これは、自然な体の特徴であり、手術の傷跡も同様に多くの場合、他人には気づかれにくいものです。したがって、目頭切開の傷跡があっても、それが目立つかどうかは、手術の技術に依存しますが、大きな心配事とはなりにくいでしょう。

参照元:Epicanthoplasty

Q:埋没法のあとに目頭切開はできますか?

A: はい、埋没法の後に目頭切開を行うことは可能です。さらに、目頭切開を埋没法と同時に行うことも一般的です。この二つの手術を組み合わせることで、ぱっちりとした魅力的な平行型の二重まぶたを実現することができます。目頭切開と埋没法の組み合わせは、目元全体の印象を大きく変え、より魅力的な目元を作り出す効果的な方法です。そのため、より洗練された目元を求める方には特におすすめの治療方法と言えます。

Q:蒙古襞を自力でなくす方法はある?

A: 蒙古襞を自力で完全になくす方法は存在しません。加齢により蒙古襞が目立たなくなることはありますが、その変化は個人差が大きく、多くの場合、顕著な変化を期待するのは難しいです。蒙古襞が目元の印象に大きな影響を与えるため、目元の見た目にお悩みの方には、目頭切開手術をおすすめします。

Q:蒙古襞はセルフカットできますか?

A: 蒙古襞のセルフカットは絶対にお勧めできません。自分で行う切開は専門的な知識と技術を要する美容外科手術とは異なり、安全性と効果を保証するものではありません。自己処理を試みると、望まない傷跡が残りやすく、その結果、美容的な見た目が著しく損なわれる可能性があります。さらに、不適切な手法による傷跡が目立つことになり、後に専門の医師による修正手術が必要となる場合、手術費用が高額になることが予想されます。

Q:蒙古襞があると二重にならないのはなぜですか?

A: 蒙古襞が発達している場合、しばしば完全な一重まぶたに見られることが多く、自然な二重まぶたを形成することが困難になります。これは、蒙古襞が目頭近くの皮膚を引っ張り、まぶたの折り返しを妨げるためです。アイプチやアイテープなどの方法でも、蒙古襞により二重を形成しにくい状態となります。しかし、蒙古襞が存在する場合でも、埋没法によって末広型の二重や奥二重を形成することは可能です。一方で、目を大きく見せる平行型の二重を望む場合は、単に埋没法だけでは不十分であり、蒙古襞を切開する手術が必要になることが多いです。蒙古襞切開は、目の開きを改善し、より自然で幅広い平行型二重を実現する効果があります。

Q:目頭切開の治療後はどのくらい腫れるのですか?

A: 目頭切開手術後の腫れは、他の目元の手術と比較して比較的軽度です。多くの患者さんは手術直後にわずかな腫れを経験しますが、通常は大きなものではありません。しかし、まれに手術部位の近くで内出血が生じ、目の下に軽い青あざが見られることがあります。このような症状も、術後のケアを適切に行うことで通常は1週間程度で軽減します。特に、抜糸を行う約7日後には、腫れは大幅に引いていることがほとんどです。

Q:目頭切開の治療は他人に治療したことは気が付かれますか?

A: 目頭切開手術後の腫れは通常少ないため、目立つ変化は少ないですが、手術直後は目頭に小さな肌色のテープを貼って傷を保護しています。このテープは、他人が近くで目元を詳しく見れば、ある程度目に付くかもしれません。眼鏡をかけることでテープを隠すことは可能ですが、完全に隠すことは難しい場合もあります。しかし、手術後約7日で抜糸を行うため、その時点でテープは取り除かれ、経験豊富な医師による適切な手術であれば、傷跡もほとんど目立たなくなります。そのため、抜糸後は手術を受けたことが人に気づかれることはほとんどありません。

Q:目頭切開の治療後の傷跡は?

A: 目頭切開手術後の傷跡については、抜糸を行う手術後約7日目にはまだ明瞭な線が見られることがありますが、時間が経過するにつれて徐々に目立たなくなります。特に1ヶ月が経過すると、傷跡はほとんど目立たない状態に改善されることが多く、さらに時間が経つとどこに傷があったのかわからない程度まで自然になります。また、抜糸直後からメイクを行えば、傷跡はほぼ目立ちません。ただし、傷跡がどれだけ目立つかは最終的には手術を行う医師の技術に依存します。高い技術を持つ医師による手術では、より自然で目立ちにくい仕上がりを期待することができます。手術を検討している方は、医師の過去の手術例を参考に、信頼できる医師を選ぶことが重要です。

Q:周りの人に知られたくないので、目頭切開を片方ずつ治療は可能ですか?

A: はい、目頭切開手術を片方ずつ行うことは可能です。片方ずつ手術を行い、眼帯などを使い、治療の事実を周囲に気づかれにくくすることができます。一方で、両目同時に手術を受ける場合も、眼鏡を利用するなどして手術痕を隠すことができますので、手術後の社会生活に影響が少ないように配慮することも可能です。

Q:一重まぶたでも目頭切開できますか?

A: はい、一重まぶたの方でも目頭切開手術を受けることが可能です。この手術は、目の内側の蒙古襞を切開して目頭を広げることにより、目元を大きく見せる効果があります。目頭が拡大されることで、一重まぶたの方でもより開放的で明るい目元を実現することができます。

目頭切開術前

目頭切開術後

↑筆者による目頭切開+二重埋没法の術前術後

※目頭切開切開手術費用330,000円(税込)

副作用:一時的に腫れや傷跡が残ることがあります。

 

まとめ

このブログ記事では、目頭切開手術についてよくある疑問に対して詳細に回答しました。目頭切開が上手い先生に手術を依頼することで、手術の効果を最大限に引き出し、より自然でバランスの取れた美しい目元を実現することが可能です。経験豊富な「上手い先生」は患者様の顔の特徴を細かく分析し、個々の顔立ちに合わせた最適な手術計画を提案します。そのため、目頭切開手術を検討している方は、医師の過去の実績や症例写真を参考に、信頼できる医師を慎重に選ぶことが成功への鍵です。美しい目元を手に入れたい方は、上手い先生を選んで、安心して手術を受けることをお勧めします。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、目頭切開、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療などの目元治療とリフトアップ治療を得意としている。

【関連項目】

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2024/04/17

院長ブログトップ > 【目頭切開の失敗?バレる?】上手い医師による目頭切開の徹底解説

【目頭切開の失敗?バレる?】上手い医師による目頭切開の徹底解説

目頭切開手術の失敗について

目頭切開手術は非常に繊細な技術を要するため、上手い医師による手術とそうでない医師の手術では、結果に大きな差が出ることがあります。上手い医師による目頭切開は、失敗リスクを最小限に抑え、自然な仕上がりを目指します。一方、技術が不十分な医師による目頭切開は、失敗のリスクが高く、目立つ傷跡が残ることで、手術がバレる原因となることもあります。このブログ記事では、目頭切開の手術を成功させるためのポイントや、上手い医師の選び方、失敗した場合の対処法などを詳しく解説します。目頭切開が失敗するリスクとその対策、手術がバレないための工夫についても深掘りします。

目頭切開術前

↑蒙古襞が張っている目頭切開術前の状態(以下に経過写真あり)

目頭切開の失敗とは①:効果が弱い

目頭切開手術の失敗としてよく挙げられるのは、「効果が弱い」という点です。この手術は蒙古ひだを取り除くことを目的としていますが、単に蒙古襞の皮膚を切除するだけでは十分な効果を得ることはできません。目頭切開が失敗する原因として、蒙古ひだの下にある眼輪筋への適切な処置が行われないことがあります。適切な手術では、この眼輪筋を部分的に切除し、目頭周囲の筋線維を周囲から剥離することにより、内眼角が自然に広がります。しかし、手術経験が少ない医師が行う目頭切開では、必要な筋肉の処理を省略してしまうことが多く、その結果、手術後の効果が弱いと感じられることがあります。これは目頭切開の失敗例として多く報告されており、失敗した目頭切開の修正を求める患者さんも少なくありません。

 

目頭切開の失敗とは②:傷跡が目立つ

目頭切開手術で失敗とされる一因に、「傷跡が目立つ」という問題があります。目頭切開では、蒙古襞の除去とそれに続く筋肉の切開が行われますが、これらだけでは美しい仕上がりは保証されません。手術の最終段階である皮膚の縫合は、その技術が傷跡が目立つかどうかを大きく左右します。目頭部の皮膚は非常に薄く、厚さがおよそ1mm程度しかありません。このように薄い皮膚を対象にした真皮縫合は、非常に高度な技術を要求されます。傷を完璧に合わせて縫合することで、目立たない仕上がりを目指すことが可能ですが、この繊細な作業を省略する医師も存在し、その結果、目立つ傷跡が残ってしまうことがあります。

目頭切開直後

↑目頭切開手術直後の状態。目頭を囲むようにV字に縫合糸が付着している。

目頭切開の失敗とは③:かなり後戻りした

目頭切開手術において、「かなり後戻りした」という現象は、手術の失敗の一例としてよく挙げられます。手術後、初期の結果は良好でも、時間が経過するにつれて手術効果が弱まり、目頭が元の状態に近づいてしまうことがあります。これを「後戻り」と呼び、通常は約3~6ヶ月かけて徐々に進行します。そのため、目頭切開手術の最終的な結果は、手術から6ヶ月後に評価されることが一般的です。手術での失敗を避けるためには、初めから後戻りを考慮して、患者様の希望よりもやや多めに切開することが重要です。もし切開量が不十分である場合、手術の効果が期待よりも弱まり、結果として「かなり後戻りした」と感じることがあります。

目頭切開の失敗とは④:切開をやりすぎた

目頭切開手術において「切開をやりすぎた」と感じる患者さんがいることは、手術の失敗と考えられる場合があります。このような状態になると、患者さんは手術後に後悔し、結果的に「やりすぎた」と感じることがあります。目頭切開の効果を過度に強調しすぎることが、不自然な外見を引き起こし、これが失敗の一因となります。目頭を元に戻す修正手術は可能ですが、一度切開してしまった部分を完全に元の状態に戻すことは非常に困難です。そのため、目頭切開手術を受ける際には「切開しすぎない」ように細心の注意を払う必要があります。

参照元:

https://www.pennmedicine.org/cosmetic-services/cosmetic-procedures/facial-surgery-services/cosmetic-eyelid-surgery

目頭切開はバレる?

目頭切開手術によって目元の印象が大幅に変わるため、手術がバレる可能性は否定できません。特に、目頭切開を「やりすぎた」と感じる場合、涙丘が完全に露出することがあり、これが日本人特有の顔のバランスに合わないこともあるため、手術を受けたことが周囲にバレる原因となることがあります。また、目頭切開手術の傷跡が目立つと、さらに手術がバレるリスクが高まります。しかし、経験豊富な医師による正確な手技と適切な処置を行えば、傷跡が目立つことはほとんどありません。そのため、手術がバレる心配は大幅に減少します。手術を検討する際は、医師の経験や技術、そして過去の手術例を十分に確認し、自然な仕上がりを期待できる医師を選ぶことが重要です。

目頭切開抜糸時

↑目頭切開1週間後の抜糸時。まだ傷跡が目立つ

目頭切開を失敗・後悔しないために①:イメージをもつこと

目頭切開手術を受ける前に、術後の目元のイメージをしっかりと持つことは、手術の失敗や後悔を避けるために非常に重要です。目頭切開は目元の印象を劇的に変える可能性があるため、事前にその変化を理解し、納得しておくことが必要です。術後の変化に戸惑ったり、後悔したりするリスクを最小限に抑えるためには、手術が「バレる」、「やりすぎた」と感じられることや、「失敗」と評される結果を避けるため、医師とのカウンセリングを通じて術後のイメージを明確にすることが大切です。この過程で、具体的なイメージや望む効果について詳細に話し合うことで、医師と患者の双方が同じ理解を共有できるようになります。また、医師からは手術のリスクや限界についても説明がなされるため、現実的な期待値を持つことが可能になります。

目頭切開を失敗・後悔しないために②:経験豊富な医師による手術

目頭切開手術は非常に繊細な技術を要求されるため、経験豊富で上手い医師に依頼することが極めて重要です。手術の成果や傷跡の目立たなさは、医師の技術に大きく左右されます。目頭切開の失敗や、手術がバレるリスク、また「やりすぎた」と感じるような結果を避けるためには、医師の経験と医師の縫合技術の高さを事前に確認し、その技術力を評価することが不可欠です。

 

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目頭切開を失敗・後悔しないために③:安いクリニックに行かない

目頭切開手術を成功させるためには、極端に安いクリニックを避けることが重要です。目頭切開の費用はクリニックによって大きく異なり、異常に低価格を設定している場所には潜在的なリスクが伴います。安さの背後にはいくつかの理由がありますが、主に次の二つが考えられます。一つ目の理由は、医師が目頭切開の経験が少なく、安価な料金設定で多くの患者を集め、実績を積むためです。この場合、技術が未熟なため「失敗する」「バレる」「やりすぎた」と感じる結果に終わるリスクが高まります。もう一つの理由は、初期の低価格設定で患者を引き寄せてから、カウンセリング時にさまざまな追加料金を要求するアップセールスが行われるケースです。これにより、結果的に予想外の高額な費用が発生し、最終的には表示価格の十倍以上になることも珍しくありません。目頭切開手術を受ける際には、価格だけでなくクリニックの評判、医師の経験と実績、そして過去の手術結果をしっかりと調査することが重要です。安価な手術に惑わされず、質の高い医療サービスを提供する信頼できるクリニックを選択することで、手術の失敗や後悔のリスクを最小限に抑えることができます。

目頭切開傷跡

↑目頭切開後6か月。上手な医師が手術を行えばほとんど傷跡は分からない。後戻りも僅か。

まとめ

目頭切開手術の失敗を避け、手術が「バレる」、「やりすぎた」と感じられないようにするためには、医師との事前の充分なコミュニケーションが不可欠です。目頭切開の手術結果が失敗に終わらないよう、医師の経験や技術力を事前に確認し、安全で自然な結果を期待できる熟練の医師を選ぶことが重要です。さらに、理想的な目元への変化を明確にイメージし、後戻りがどの程度あるのかも事前に医師から説明を受けることが望ましいです。このようにして、失敗や後悔のリスクを最小限に抑え、希望通りの結果を実現するための準備を整えることが可能です。目頭切開手術を検討されている方々にとって、この情報が上手い医師による安全で自然な目頭切開手術を選択するための有益なガイドとなることを願います。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、目頭切開、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療などの目元治療とリフトアップ治療を得意としている。

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2024/04/16

院長ブログトップ > 【目頭切開の全て】効果・ダウンタイム・傷跡・デメリットなど

【目頭切開の全て】効果・ダウンタイム・傷跡・デメリットなど

目頭切開のデメリット

目頭切開は、より魅力的で開放的な眼差しを作り出すための美容整形手術として、長年にわたり高い人気を誇っています。この手術では、目の内側、いわゆる目頭部分にある蒙古ひだ(内眼角贅皮)を切開し、目を大きく見せる効果があります。今回のブログでは、目頭切開によって得られる具体的な変化とその魅力に焦点を当てて、詳しく解説していきます。さらに、美容整形を考える際に気になるダウンタイムや手術後の傷跡などのデメリットについても深掘りします。

蒙古ひだ(蒙古襞)とは

蒙古ひだは内眼角贅皮(ないがんかくぜいひ)とも称されますが、目頭を覆うようにある皮膚のひだのことを指しますこのひだの形成には、鼻根部の高さとの顕著な関連が見られ、一般に鼻根部が低いほど蒙古ひだは顕著になる傾向にあります。主に遺伝的な要因により形成されるこの特徴は、特に女性に多く見られ、年齢と共にその特徴が目立たなくなることもあります。蒙古ひだは、東アジアや中央アジアの人々に典型的な顔貌の特徴として認識されており、アメリカ先住民やアフリカの一部の民族にも広く見られます。その生物学的な役割には諸説ありますが、一説には紫外線や雪の反射から眼を守る保護機能を果たしているとも考えられています。しかし、これについてはさまざまな見解が存在し、明確な科学的証明には至っていません。

蒙古襞の写真

出典元:

wikipedia:Epicanthic fold

蒙古ひだと二重の形の関係

二重まぶたの形状には、「平行型」と「末広型」の二種類があります。二重の形状は、日本人の目元の美容整形手術において非常に重要な要素であり、個人の顔の印象を大きく左右しますが、実は蒙古ひだの有無がこの形状に大きく関わっています。

■平行型

平行型の二重まぶたは、まぶたの折り返しが目の内側から外側までほぼ平行に走る形状です。このタイプは目を大きく見せる効果があり、蒙古ひだがない多くの西洋人の目に見られる特徴です。平行型の二重は、アジアの中でも比較的目の開口部が広い人や、蒙古ひだが発達していないアジア人に自然に形成されることもあります。

目頭切開のデメリット

↑平行型の二重

■末広型

末広型の二重まぶたは、目の内側が細く、外側へと徐々に広がりを見せる特徴的な形状をしています。この二重のスタイルは、蒙古ひだが顕著に存在するアジア人の間で特に多く見られ、自然な美しさと柔らかな印象を目元に与えます。特に蒙古ひだが発達している場合、目の構造上、二重まぶたの形成手術を行っても平行型になりにくいという特性があります。一重のまぶたから二重に変える整形手術を受ける際、蒙古ひだの影響で末広型が自然と形成されることが一般的です。

目頭切開手術とは

目頭切開手術は、目の内側にある蒙古ひだを繊細に切開し、取り除くことを目的とした美容整形手術です。しかし、この手術では単に蒙古襞の皮膚を切除するだけではなく、より複雑な技術が必要です。具体的には、蒙古ひだの下に位置する眼輪筋にも精密な切開を加える必要があります。場合によっては、この眼輪筋の一部を除去し、目の開きを大きく見せるための調整を行います。これにより、目頭の周囲の筋線維が適切に周囲から剥離され、内眼角が広がり、より明るく開放的な目元を実現することが可能です。手術が不完全な場合、目頭切開の効果が期待通りに表れないこともあり、皮膚が再び目頭を覆ってしまうリスクもあります。このため、経験豊富な専門医による正確な手技が非常に重要であり、手術を検討する際は、医師の技術や経験を十分に確認することが推奨されます。

目頭切開の効果

目頭切開手術は、蒙古ひだを精密に切除し、その下にある眼輪筋の癒着を剥離することで目の内側を広げ、より開放的な印象を与えることができます。特に、元々二重まぶたの方がこの手術を受けると、二重の折り込みが目頭側からより明確に立ち上がり、目元がはっきりとした平行型の二重に近づきます。これにより、顔全体の印象がシャープで魅力的に変化します。しかし、もともとの二重の幅が狭い場合、目頭切開だけでは理想的な平行型の二重にならないこともあります。そのような状況では、目頭切開と併せて二重の幅を広げる追加の手術が必要になる場合があります。このような複合的なアプローチによって、バランスの取れた美しい目元を実現することが可能です。

目頭切開前後

目頭切開は後戻りについて

目頭切開手術は、目元の印象を根本から変える効果がある一方で、その効果が後戻りする可能性についても理解しておくことが重要です。この手術では、目頭周囲の筋線維の癒着を適切に剥離することが非常に重要であり、この剥離作業が不十分だと、手術後の成果が弱まり、元の状態に近づく「後戻り」が発生しやすくなります。具体的には、手術直後に目頭が横方向に広がって見えるものの、時間が経過するとともにその横方向の広がりが減少することがあります。この後戻りは、特に筋線維の癒着が完全には剥離されていない場合に顕著です。そのため、手術の成功を持続させるためには、筋線維の癒着剥離を徹底的に行うことが不可欠です。

目頭切開に向いている人

目頭切開手術は、特定の条件に当てはまる人にとって特に効果的な美容整形手術です。以下に、この手術を受けることで大きな利益を得られる可能性のある主なケースを紹介します。

■蒙古ひだが発達している人

蒙古ひだが顕著に発達している方は、目頭切開手術によりその部分を繊細に切開することで、目の面積が広がり、より大きく魅力的な目元を実現することができます。この手術により、目元全体の印象が顕著に改善し、視覚的にも目が大きく見えるようになります。

■平行型二重にしたい人

平行型の二重まぶたを望む方にとって、目頭切開は非常に有効な選択肢です。目頭切開を行わずに平行型の二重を形成することも可能ですが、その場合、目頭側の二重のラインが狭くなる傾向にあります。より確実で美しい平行型二重を実現するためには、目頭切開が推奨されます。この手術によって、目の内側の部分が自然に調整され、望む二重の形がより明確に表現されます。

目頭切開に向いていない人

目頭切開手術は多くの人に美しい効果をもたらすことができますが、すべての方に適しているわけではありません。以下のような特徴を持つ方は、この手術が逆効果になることがありますので、注意が必要です。

■左右の目の間の距離が広い場合

左右の目の間の距離が広い(長い)方が目頭切開を行うと、目の間の距離がさらに狭まり、顔のバランスが崩れる可能性があります。このため、左右の目の間の距離が広い場合、目頭切開は推奨されません。

■蒙古ひだが少ない場合

蒙古ひだがほとんどない方が目頭切開手術を受けると、涙丘が過度に露出し、日本人特有の自然な目元の美しさが損なわれることがあります。この結果、不自然に見える可能性が高くなります。ただし、西洋人のように涙丘がはっきり露出した目元を望む方にとっては、目頭切開が適用される場合もあります。

目頭切開後の回復期間とダウンタイム

目頭切開手術は、他の目の周囲の美容整形手術と比較して、比較的腫れが少なく、内出血の発生も少ないため、回復期間が短いのが特徴です。手術後に皮膚を縫合する際に使用される糸は、目頭を囲むようにV字型に残りますが、この糸は手術から1週間後に抜糸されます。抜糸までの間、小さな保護テープが傷口に貼られますが、このテープが特に不快でなければ、日常生活に支障を来すことはありません。そのため、手術直後から通常の生活活動を続けることが可能であり、特に仕事を休む必要は通常ありません。ただし、個人の感じ方や職業によっては、状況に応じて短期間の休息を取ることも考慮されるかもしれません。目頭切開手術を検討している方は、ダウンタイムが比較的短いことを理解し、手術後の計画を立てる際にこれを考慮に入れると良いでしょう。

目頭切開の傷跡

目頭切開手術を受ける際、多くの患者様が気にされるのが術後の傷跡です。この手術の傷跡は、担当する美容外科医の技術水準に大きく依存します。高い技術を持つ医師による丁寧な手術では、傷跡は時間とともに目立たなくなり、数か月後にはほとんど気づかない程度にまで薄れることが一般的です。

目頭切開前後

 

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目頭切開のデメリット

目頭切開手術は多くのメリットを提供しますが、その一方でいくつかのデメリットも理解しておく必要があります。主なデメリットには、手術に伴う傷跡、必要な回復期間(ダウンタイム)、そして手術費用が含まれます。これらはすべての美容整形のおける切開手術共通の懸念事項ですが、特に目頭切開は、目周りの他の手術に比べてダウンタイムが短いとされています。これは切開範囲が比較的狭いためです。傷跡に関しては、担当する美容外科医の技術に大きく依存します。高い技術を持つ医師によれば、傷跡は術後数か月でほとんど目立たなくなることが期待できます。一方で、手術費用はクリニックによって大きく異なり、一般的には25万円から40万円の範囲内ですが、非常に高額または安価なオファーには注意が必要です。

目頭切開手術の流れ

①デザイン

目頭切開手術を成功させるためには、手術前のデザインが非常に重要です。この段階では、患者様の具体的な希望を詳しくお聞きし、どれだけの範囲で目頭を切開するかを決定します。多くの患者様が具体的な希望を持たずに「医師に任せる」と仰ることが多いですが、その場合でも、私は患者様の顔のバランスを詳細に分析し、最も自然で美しい結果をもたらすデザインを提案します。

②手術

私が行う目頭切開手術は、左右の目頭をそれぞれ約20分ずつ、合計で約40分の手術時間を要します。目頭切開手術は一般的に局所麻酔のみを用いて行われ、患者様に意識のある状態で目を開けたり閉じたりしてもらう必要があるため、静脈麻酔は通常使用しません。局所麻酔は施術開始時に少し痛みを感じることがありますが、その後は痛みを感じることなく手術を進めることが可能です。手術中に患者様に目を開け閉めしていただくのは、目頭の形状を正確に調整し、最も自然でバランスの取れた結果を得るためです。このプロセスにより、手術後の見た目がより自然で満足度の高いものになります。

③目頭切開手術は後

手術完了後、切開した部位を保護するために肌色の保護テープを貼ります。このテープは水に強い素材でできており、1週間はそのままにしておく必要があります。テープが意図せず剥がれてしまった場合でも安心できるよう、予備のテープを提供しておりますので、必要に応じて自身で再貼付することができます。手術後の日常生活については、特に制限はありません。洗顔やシャワーを含む日常の活動は問題なく行うことが可能です。抜糸まで特に通院は必要ありません。

④抜糸とその後のケア

目頭切開手術の重要な最終段階は、手術後1週間で行われる抜糸です。抜糸が完了すると、患者様は目頭部分のメイクを再開することができ、これにより日常生活への完全な復帰が可能となります。抜糸後は特別なケアも必要がないため、特に通院は必要ありませんが、何か気になる点があればいつでもクリニックにご相談されるとよいと思います。

目頭切開前後

まとめ

目頭切開は、長年にわたって多くの人々に選ばれてきた美容整形手術であり、その目的は目元をより魅力的に見せることです。目頭切開では蒙古ひだを切開し、自然で美しい平行型の二重まぶたを実現することができます。本ブログ記事では、目頭切開全般について、その効果、ダウンタイム、手術後の傷跡、そして潜在的なデメリットについて詳細に説明しました。目頭切開手術を検討されている方々にとって、これらの情報が手術の可能性と期待を理解し、適切な判断を下すための有益なガイドになることを心から願っています。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療、リフトアップ治療を得意としている。

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2024/04/13

院長ブログトップ > 【唇のヒアルロン酸注入】リップフィラーによる唇整形の全容

【唇のヒアルロン酸注入】リップフィラーによる唇整形の全容

ヒアルロン酸で理想の唇の厚さ

「唇ヒアル」として知られるヒアルロン酸のリップフィラーの注入は、近年ますます注目を集めています。かつては板野友美さんのようなアヒル唇が流行しましたが、現在ではより多様化した美意識のもと、個々人の理想とする唇の形を実現するための手法として広く採用されています。このブログでは、ヒアルロン酸を用いた唇整形治療の方法、効果、注意点について詳しく解説します。また、治療を受ける際のポイントや、期待できる結果についてもご紹介します。

理想の唇とは

理想の唇とは 美容の観点から見ると、理想的な唇の形状や比率は、文化や時代によって異なることが知られています。西欧では長らく、上唇と下唇の理想的な比率は1:1.6、つまり下唇が上唇より若干大きいとされてきました。しかし、最新の研究によると、特にカリフォルニア大学の研究チームが発表した結果では、下唇が上唇の2倍の大きさである1:2の比率が、より魅力的とされるというデータもあります。一方、アジア地域、特に日本人と韓国人を対象とした研究では、1:1.56の比率が最もバランスが良いと評価されています。このように、理想の唇は個々の顔の特徴や美的目標、そして文化的背景によって大きく変わるため、個々人の理想を反映したカスタマイズが求められます。私が行う唇へのヒアルロン酸注入においても、これらの研究結果を踏まえた上で、患者一人ひとりの顔のバランスと希望に合わせた治療を行っています。

理想の唇

出典元:

Effects of vermilion height on lip esthetics in Japanese and Korean orthodontists and orthodontic patients

唇にヒアルロン酸注入をする理由

唇にヒアルロン酸を注入する理由は多岐にわたります。以下のようにヒアルロン酸注入は単に美容的な理由だけでなく、加齢に伴う自然な変化への対策としても効果的です。それにより、多くの方々がこの治療法を選んでいます。

■プルプルとした唇になるため

多くの女性が、人気タレントのようなふっくらとしたプルプルの唇を理想としています。ふっくらした唇は、顔の印象を柔らかくし、若々しさを演出する効果があるため、非常に魅力的に映るのです。特に現在人気なのは、上唇のM字部位にヒアルロン酸を注入し、M字リップを強調する唇です。

■加齢による唇の変化への対応

加齢による唇の薄さや形の変化も、ヒアルロン酸注射で対応することができます。時間と共に失われがちな唇のボリュームを取り戻すことで、顔全体の印象が若返り、自信をもたらすことが期待できます。さらに、唇への注射は、加齢ととも伸びる人中(鼻下の距離)の長さを短縮し、よりバランスの取れた顔立ちに見せる効果もあります。

■加齢によるシワとたるみの改善

年齢と共に増える唇周囲の細かな縦ジワや笑いジワなども、唇へのヒアルロン酸の注入によって目立たなくすることが可能です。また、口角部位にヒアルロン酸を入れることで唇の端が上向きとなり、たるみが目立たなくなります。

唇にヒアルロン酸注入するメリット

唇のヒアルロン酸注入前後

ヒアルロン酸を使用した唇の注入治療は、非外科的な美容方法として広く利用されています。この方法は、わずか数分で完了し、通常ダウンタイムがほとんどないため、忙しい現代人に最適です。ヒアルロン酸注入の主なメリットとして、次のような点が挙げられます。

■ボリュームの向上

ヒアルロン酸のリップフィラーは、唇に自然なふくらみを加え、より豊かで魅力的な外見を実現します。この治療により、唇が自然にふっくらと見え、若々しい印象を与えることができます。

■M字リップの形成と構造の改善

フィラー注入によって、唇の輪郭を明確にし、全体の形状を整えることが可能です。これにより、顔全体のバランスが改善され、自然ながらも整った美しい唇を形成することができます。。特に上唇のM字部位にヒアルロン酸を注入し、M字リップを強調すると、きれいな唇になります。

■しわ・たるみへの対処

ヒアルロン酸の注入により、口元の細かなしわや深い線が目立たなくなり、より滑らかで若々しい外見を得ることができます。また、口角部位にヒアルロン酸を注入して、唇を上向きにすることも可能です。

■即効性と持続性

ヒアルロン酸は注入後すぐに結果が現れるため、施術後すぐに変化を実感することができます。また、注入ヒアルロン酸により異なりますが、その効果は通常12ヶ月から24ヶ月持続します。

■安全性と可逆性

ヒアルロン酸は人体にもともと存在する成分であり、アレルギー反応のリスクが極めて低いことが特徴です。万一、治療結果に満足できない場合には、ヒアルロン酸を溶解する区薬(ヒアルロン酸溶解注射)を使用することで、簡単に元の状態に戻すことができます。この可逆性は、ヒアルロン酸注入治療の大きな安心材料の一つです。

唇のヒアルロン酸注入(リップフィラー)の治療の流れ

■診察

診察 治療を受ける前の診察では、自分自身の理想とする唇の姿を具体的にイメージすることが重要です。例えば、美容院でヘアスタイルを決める際に参考にする写真のように、理想の唇の形を示す画像を医師に診察時に見せることが役立ちます。しかし、全ての人の顔の形や特性が異なるため、写真の通りになるとは限りません。医師は治療を希望される患者の唇の形、顔全体とのバランス、そしてその他の個性的な特徴を考慮し、どのような結果が得られるかを慎重に検討します。診察では医師のアドバイスに注意深く耳を傾け、治療によって実現可能な唇のイメージを治療前に持つこと大切です。

■治療の記録とシミュレーション

唇のヒアルロン酸注入治療を行う際、患者さんの具体的な要望に応じた準備が重要です。初めに、医師は患者さんの唇の状態を詳しく診察し、そのサイズや形状を正確に測定します。さらに、治療前の顔と唇の写真を撮影し、カルテに記録されます。これにより、治療後の変化を明確に把握することが可能となります。次に、治療の具体的なプロセスとして、患者さんの希望を再確認しながら、最終的な唇のデザインを決定します。この段階では、ヒアルロン酸を唇のどの部位にどのように注入するかが極めて重要です。適切な場所と量を選定することで、自然で美しい仕上がりを目指します。不適切な注入は、見た目に不自然な腫れぼったい唇を引き起こす恐れがあります。医師はこれらの情報を基に、患者さんが理想とする唇の形を実現できるようシミュレーションを行います。

■実際の治療

ヒアルロン酸を用いた唇の美容治療では、専門の医師が通常30ゲージの細い針を用いて、患者さんの唇の具体的な部位、唇と皮膚の境界線、上唇の中央にあるM字、そして口角などにリップフィラー(ヒアルロン酸)を丁寧に注入します。また、人中を高く見せる注入方法も可能です。治療中に腫れやあざが最小限に抑えられるよう、医師は施術中に適宜唇を軽く圧迫します。治療時間自体は数分で終わります。

■唇へのヒアルロン酸の注入量

唇のヒアルロン酸注入治療では、患者の希望に応じた注入量が非常に重要です。全体的なボリュームを向上させたい場合、上唇と下唇にそれぞれ約0.6ccから1ccのヒアルロン酸を注入することが一般的です。もちろん、上唇と下唇のどちらかだけの注入することもできます。また、全体には注入せずに特定の唇の部位だけに注入することも可能で、例えばアヒル唇のような形を目指す場合、上唇と皮膚の境界とM字部位に合計約0.3ccのヒアルロン酸を注入だけ実現することも可能です。

リップフィラー唇ヒアルロン酸注入前後

唇へのヒアルロン酸注入の施術の注意点

■唇へのヒアルロン酸の痛みについて

ヒアルロン酸を唇に注入する施術は、一部の患者にとっては強い痛みを伴う可能性があります。特に、唇と皮膚の境に注入する時に痛みが強くなります。しかし、この痛みは様々な方法で軽減することが可能です。施術前に局所麻酔テープを使用したり、麻酔成分を含むヒアルロン酸を利用したりすることで、不快感を最小限に抑えることができます。これらの麻酔処置により、患者さんはより快適に治療を受けることが可能となります。通常、治療後に伴う痛みは12〜24時間以内には自然と軽減されるため、大きな心配は不要です。

■腫れやダウンタイムについて

ヒアルロン酸を唇に注入した後、一時的に腫れやあざが現れることがありますが、これらは通常の副作用であり、ほとんどの場合は数日から1週間程度で自然に軽減します。腫れは特に治療後24~48時間で最も顕著になることが多いですが、個人差により、腫れが完全に引くまでに最大1週間かかることもあります。

■日常生活での注意点

ヒアルロン酸注入後、日常生活における特別な制限はほとんどありませんが、より快適に回復を促すためにいくつかの点に注意することが推奨されます。通常の食事は可能ですが、治療当日は腫れや炎症を避けるため、アルコールの摂取、激しい運動、そして熱いお風呂は避けた方が良いでしょう。これらは血流を増加させ、腫れを悪化させる可能性があるため、特に注意が必要です。また、施術直後は唇に直接触れる行為も控えることが望ましいです。化粧品の使用や、唇を強くこすったりすることは、刺激となり回復を妨げることがあります。施術後数日は、唇に優しいケアを心掛け、可能な限り自然な状態を保つことが大切です。

推奨されるヒアルロン酸の種類

私が唇のヒアルロン酸注入に推奨しているのは、「ジュビダームビスタ ボルベラXC」という製品です。このヒアルロン酸は、特に唇に注入するために開発されたもので、日本アラガン社製ジュビダームシリーズの中でも特に口唇増大を目的として厚生労働省の認可を受けています。ボルベラは他のヒアルロン酸製品と比較しても、その柔らかな質感が特徴で、自然な馴染みやすさと適度なボリュームを提供します。さらに、持続性に優れ、18~24ヶ月の効果が期待できるとされています。また、この製品には麻酔成分が含まれているため、施術時の痛みを軽減することができ、患者様にとってより快適な治療経験を提供します。

唇へのヒアルロン酸注入のリスクについて

唇にヒアルロン酸を注入する治療は、一般的には安全とされており、重大な合併症や副作用の発生リスクは非常に低いです。この治療は厳格な衛生条件で行われるため、感染のリスクも最小限に抑えられます。しかし、いくつかの軽微な副作用が発生する可能性はあります。これには、注入部位の一時的な赤み、腫れ、痛み、またはあざが含まれることがありますが、これらは通常、数日から一週間で自然に解消されます。万が一治療の結果に満足がいかない場合や、予期せぬ形状の変更があった場合には、ヒアルロン酸を分解する酵素「ヒアルロニダーゼ」を注入することで、注入されたフィラーを溶解し、唇の形状を元の状態に戻すことが可能です。このような対応が可能であるため、患者さんはより安心してこの治療を受けることができます。

唇のヒアルロン酸注入でよくあるご質問

Q: 唇のヒアルロン酸注入で唇が荒れることはありますか?

A: ヒアルロン酸注入は一般的に安全な施術とされていますが、施術者の経験不足や適切な施術方法が行われない場合、いくつかの問題が生じるリスクがあります。具体的には、唇が不自然に伸びてしまうこと、周囲の組織に損傷を与えること、フィラーが硬化してしまうこと、または注入部位に感染を起こすことがあります。これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富で信頼できる医師による施術を受けることが重要です。正しい手技と衛生管理が施されていれば、これらの合併症はほとんど発生しません。

Q: 唇のヒアルロン酸注入のダウンタイムはどのくらいですか?

A: 唇のヒアルロン酸注入後のダウンタイムには個人差がありますが、通常、腫れは施術後1週間程度で大きく改善します。しかし、完全に回復するまでには少し時間がかかることがありますので、特別なイベントや結婚式など重要な日程の前には、最低でも2週間前には施術を完了させることをお勧めします。これにより、イベント当日までには全ての腫れが収まり、最も良い状態で臨むことができるでしょう。

Q: 唇のヒアルロン酸注入の後、すぐに通常通り飲食できますか?

A: ヒアルロン酸注入後は、麻酔が完全に切れるまで飲食は控えた方が安全です。麻酔の影響で感覚が鈍くなっている間は、無意識のうちに唇を噛んでしまうリスクがあります。また、注入直後の24時間は、唇に力がかかるような行動は避けることが推奨されます。これにはストローを使った飲み物の摂取、喫煙、または固形物をかむことが含まれます。これらの行動はフィラーの位置を変えてしまう可能性があるため、慎重に行動することが望ましいです。さらに、アルコールの摂取は腫れやあざを悪化させる可能性があるため、施術当日は特に避けるべきです。

Q: 上唇と下唇、どちらにヒアルロン酸を注入するのが良いですか?

 A: ヒアルロン酸は上唇と下唇のどちらにも注入することが可能です。どちらか一方のみに注入を希望される場合は、一般的に上唇にヒアルロン酸を注入することで、よりバランスのとれた美しい唇を形成することができます。

Q: 唇のヒアルロン酸注射では、注射の跡は残りますか?

A:唇をふっくらさせる注射の直後は針跡がわずかに赤くつくことはありますが、1日程度でなくなります。また、注射直後より口紅で隠せます

Q: 唇のヒアルロン酸注射の後、注射の跡は残りますか?

A: 唇にヒアルロン酸を注射した直後には、注射部位にわずかな赤みが見られることがありますが、これは通常、1日程度で消えてなくなりますのでご安心ください。また、注射後すぐに口紅を使用してカバーすることも可能です。医師の技術と使用する針の細さにもよりますが、正確な技術を用いれば、目立つ跡が残ることはほとんどありません。

Q:唇のヒアルロン酸はすぐなくなるというのは本当ですか?

A:唇は非常に血流がよい部位であることと頻繁に動かす部位であるために、通常のヒアルロン酸の場合は、6か月程度で吸収される可能性があります。このため唇では持続性が長く、唇を厚くする目的で開発されたアラガン社製の「ジュビダームビスタ ボルベラ」をおすすめします。ボルベラでは18~24ヶ月の効果が期待できるとされています。

Q: 唇にヒアルロン酸を注入する値段(料金)はどのくらいですか?

A: ヒアルロン酸注入の料金はクリニックによって大きく異なりますが、重要なのは料金だけでなく、クリニックや医師の選択にも注意を払うことです。安価な料金を提示しているクリニックでも、後に追加費用が発生することや激しいアップセールスが行われている場合があり、これは現在社会問題となっています。また、施術の品質は医師の技術に大きく左右されるため、信頼できる医師を選ぶことが非常に重要です。具体的な例として、私のクリニックでは通常のヒアルロン酸(麻酔入り)0.6ccを70,400円、より高品質なボルベラXC(麻酔入り)0.6ccを105,600円で提供しています。治療を受ける際は、事前にしっかりとクリニックの評判や医師の経験を調べ、適切な情報に基づいて判断を下すことが大切です。

理想の唇

まとめ

リップフィラーの使用は、見た目だけでなく、自信を高める効果もあります。しかし、ヒアルロン酸を唇に注入する際は、どの部位にどれだけ注入するかが非常に重要です。注入の位置や量を誤ると、不自然な腫れぼったい唇の原因になることがあります。そのため、施術は経験豊富な医師によって行うことが極めて重要です。美しく自然な唇は顔全体の印象を決定づけるため、信頼できる医師を選ぶことが不可欠です。特に、厚生労働省によって唇用として認可されているヒアルロン酸製品「ボルベラ」は、その品質と安全性から推奨されています。正しい製品の選択と専門的な医師により、理想的な唇の美しさを実現することができます。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、耳形成手術、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。外科専門医を取得しており、外科手術を得意としている。

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2024/04/12

院長ブログトップ > 女性の薄毛が悩みなら、タバコは厳禁!       

女性の薄毛が悩みなら、タバコは厳禁!       

喫煙と女性薄毛関係

(第20回「鉄分不足と貧血と女性薄毛の関係」からの続き)

もし女性の薄毛がお悩みであれば、タバコは絶対に避けるべきです。実は、喫煙が脱毛症に与える影響は科学的にも裏付けられています。多くの研究により、喫煙が脱毛症のリスクを高めることが明らかにされており、特に女性においてその影響は顕著です。本記事では、喫煙が女性の髪の健康にどのように悪影響を与えるのか、そしてなぜタバコが薄毛の大きなリスク因子となるのかを詳しく解説します。また、禁煙が髪の健康に与えるポジティブな影響についてもご紹介し、喫煙をやめるための具体的なアドバイスを提供します。

喫煙の髪への影響①:血流の低下

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、これが血流を低下させます。特に、この血管収縮作用は頭皮への血流にも影響を及ぼし、毛髪の毛根に必要な栄養素や酸素の供給が減少するため、毛髪の成長が阻害され、脱毛のリスクが高まります。さらに、頭皮への血流低下は、毛髪の成長サイクルに直接的な影響を及ぼすため、脱毛や薄毛の原因となります。

喫煙の髪への影響②:毛包の損傷

タバコは活性酸素を大量に生産し、これが頭皮の微小な炎症を引き起こします。喫煙によって増加する酸化ストレスは、毛包細胞に悪影響を及ぼし、炎症反応を促進します。これにより、毛包が正常に機能しなくなり、毛髪の成長サイクルが乱れることがあります。このような炎症は、髪の成長を阻害し、結果として脱毛や髪の質の低下に直接的に影響を及ぼすことが科学的に確認されています。

出典元:

The Effects of Smoking on Hair Health: A Systematic Review

喫煙の髪への影響③:女性ホルモンへの影響

喫煙が女性のエストロゲンレベルに与える影響について、いくつかの研究が報告されています。喫煙は、エストロゲンの生成に関わる酵素であるアロマターゼの活動を抑制することが知られています。具体的には、MRIやPETスキャンを用いた研究により、喫煙により女性の脳内でのアロマターゼの量が減少することが観察されています。女性ホルモン、特にエストロゲンは発毛に重要な役割を果たしています。エストロゲンは毛周期の成長期を延長する作用があり、また、頭皮の血流を改善する作用もあるとされています。喫煙によりエストロゲンレベルが低下すると、毛髪の成長が阻害され、薄毛になります。

喫煙の髪への影響④:免疫系への影響

喫煙が免疫系に与える影響は、その長期的な悪影響で特に知られています。喫煙はマクロファージや中性球といった炎症性細胞の活性を高め、これが毛髪の成長に悪影響を及ぼす炎症を引き起こすことがあります。このような炎症は毛髪の成長を妨げ、薄毛を促進させる原因となります。さらに、慢性的な炎症は免疫系の機能障害を招き、健康な毛髪の維持が困難になることがあります。

出典元:

The role of cigarette smoke-induced epigenetic alterations in inflammation

喫煙の髪への影響⑤:毒素の影響

タバコに含まれる多くの化学物質が毛包の細胞に直接悪影響を及ぼすことが研究で示されています。タバコの煙には、ベンゼン、ニコチン、ホルムアルデヒドなどの有害物質が含まれており、これらが毛包細胞に対して毒性を持つと報告されています。これらの化学物質は、細胞のDNAにダメージを与えたり、細胞の正常な機能を妨げたりすることで、毛髪の成長サイクルに影響を与えることがあります。特に、タバコの煙が引き起こす酸化ストレスは、毛包の健康に重要な細胞外基質の損傷を引き起こします。

たばこと薄毛

禁煙が髪の健康に与えるポジティブな影

禁煙が髪の健康に及ぼすポジティブな影響は多岐にわたります。禁煙することで、血液循環が改善され、頭皮への血流が増えます。これにより、髪の毛根に必要な栄養素や酸素が豊富に供給され、髪の成長を促進します。また、喫煙による酸化ストレスが減少し、毛髪が健康に成長する環境が整います。さらに、喫煙が引き起こす炎症のリスクが低減されるため、毛包の健康が保たれ、脱毛のリスクが減少する可能性があります。これらの変化は、髪のボリュームや質の改善につながります。

喫煙をやめるためアドバイス

禁煙するための女性向けの具体的なアドバイスとして、以下の点が挙げます。これらの方法を組み合わせることで、禁煙への道のりがよりスムーズに進むことが期待されます。

■ニコチン代替療法

ニコチンガムやパッチなどの代替品を利用して、徐々にニコチン依存を減らす方法です。これにより、禁煙時の離脱症状を緩和することができます。

■サポートを求める

家族や友人、または禁煙支援グループの支援を受けることで、モチベーションの維持につながります。

■健康的な生活習慣の取り入れ

ストレス管理のための運動や趣味の時間を増やすことが、禁煙成功に寄与します。

■禁煙アプリやツールの利用

禁煙を助けるアプリケーションを使用して、進捗を追跡し、禁煙を継続する動機付けを強化します。

まとめ

日本の女性の喫煙率は近年減少傾向で約8%とされていますが、特筆すべきなのは、50歳から59歳の年齢層における13%の喫煙率は他の年齢層に比べて依然として高い水準ということです。この年代は特に薄毛が進行しやすい時期であり、喫煙が薄毛に及ぼす影響は非常に大きいため、これは深刻な問題です。もし薄毛が気になるのであれば、喫煙を止めることが最善の対策であることは明らかです。禁煙により、髪の健康だけでなく全体的な健康状態も改善されるでしょう。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。これまで延べ5万以上の薄毛治療を行う。著書に「専門医が徹底解説!女性の薄毛解消読本」(元神賢太著 / 幻冬舎)。女性の薄毛治療のほか、エイジングケア治療、美肌治療を得意としている。

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2024/04/09

院長ブログトップ > 福岡みなみの美容整形カミングアウトについて専門医が思うこと

福岡みなみの美容整形カミングアウトについて専門医が思うこと

福岡みなみさんの整形

最近、福岡みなみさんが自身の美容整形についてカミングアウトし、その総額が6000万円を超えることが明らかにしました。この話題は、多くの議論を呼び起こしています。一方で、別のニュースでは、若い女性が「立ちんぼ行為」で逮捕され、美容整形のための資金が欲しかったと供述しています。これらの事例から、福岡さんのカミングアウトと逮捕された女性たちとの間に見られる一見無関係な出来事の間に、深い社会的問題の根を見いだすことができます。美の追求が極端な行動につながることもあるこの現象は、現代社会の重要な問題点として取り上げるべきでしょう。このブログでは、これらの事例を深く掘り下げ、社会的な影響について考察します。

福岡みなみさんの番組内の発言とは

2024年4月4日放送の日本テレビ系「ダウンタウンDX」に出演した福岡みなみさん(28歳)が、美容整形についての詳細を公開しました。彼女は番組のテーマ「芸能人のお金白書買ってよかった!買わなきゃよかった!」に関して「やってよかった」こととして、脂肪吸引と脂肪移植に500万円を費やした経験について話しました。この手術では、脚、腰、尻からの脂肪を顔に移植。彼女は「全身の余分な脂肪を吸引して、顔に移植してるんですよ」と明かし、手術直後の経過や、体全体にかけた総額6000万円についても語りました。顔に脂肪を移植した理由として「顔がゲッソリしていた。老け顔だった」からだと説明しました。総額6000万円の内訳として、腕、尻、脚の脂肪吸引、両目の二重埋没法(5回)、ほうれい線やこめかみへの脂肪移植、クマ取りなどと説明。数多くの整形手術を経て、「今の顔は大体気に入っています」とコメントしました。この告白はスタジオに大きな驚きをもたらしました。

福岡みなみさんのカミングアウト続報

福岡みなみさんはさらにこの番組の後、自身のエックス(旧ツイッター)で「恐ろしい程の美人だらけの芸能界で、1ミリでも可愛くなりたい、憧れのあの子達の隣でもキラキラしたい、どうしても可愛いを諦めきれない、って死ぬ程考え抜いた結果出来上がったのが私の女優顔整形という考え方」と投稿。「公表したのは、どんな女の子にも可愛くなれるチャンスがあると希望を持って欲しいから。女の子達の役に立つタレントでいたい」といい「みんなで可愛くなろう。私の持ってる美の知識と経験は全て捧げる覚悟です」と呼びかけました。

福岡みなみさんとは何者?

福岡みなみ1億を稼ぐ

福岡みなみさん、28歳のタレントが美容整形に6000万円以上を投じた事実は、彼女の経済的な余裕を物語っています。福岡みなみは元々グラビア等中心に活動していたタレントでしたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下で仕事が激減したこともあり、ライブ配信アプリ「ポコチャ」で活動を開始しました。その後、わずか半年足らずで日本一の成績を達成し、約1億円を稼ぎました。初めは視聴者数が少なかったものの、自分の目標を熱心に語ることで、多くのリスナーが彼女を熱心に応援し始め、具体的なアイデアや戦略を共有するようになりました。ライブ配信を続けるうちに、「マンスリー1位」となり、それはその月に最も稼いだライバーであることを意味します。さらに、「チャンピオンシップ」という大型イベントで優勝し、本当の意味で「日本一」に輝きました​。福岡さんはこの経験について、「ライブ配信で1億円稼いだ話」という本を出版し、その中でライブ配信での成功への道のり、リスナーとのコミュニケーションの取り方、課金を促すテクニックなどを詳しく紹介しています​ (幻冬舎)​。現在ではバラエティ番組にも出演し、活動の場を広げています。

出典元:

“最初は視聴者3人しかいなかった”福岡みなみが、1億円ライバーになれた戦略とは

「立ちんぼ行為」で女性らが逮捕された事件とは

大阪府警本部

2024年3月21日、大阪市北区の路上で、いわゆる「立ちんぼ」をしていた疑いで風俗店従業員の女ら3人が逮捕されました。売春防止法違反の疑いで逮捕されたのは、19歳から27歳の風俗店従業員の女ら3人でした。 3人は、2024年の2月から3月にかけて、大阪市北区太融寺町の路上で売春をする目的で客待ちをする、いわゆる「立ちんぼ」をしていた疑いが持たれています。 警察によると、3人は、1回およそ1万5000円で売春行為をしていて、うち1人は11カ月でおよそ4000万円を稼いでいたということです。 3人とも『ホストクラブに通うための費用』や『美容整形のための費用が欲しかった』という趣旨の供述をしているということです。

参照元:

「立ちんぼ」で4000万円稼ぐ 風俗店で働く女ら逮捕 「『私の中にいる誰か』が立ちました」と供述も 「ホストクラブ」や「美容整形」に使うため

福岡みなみさんの発現の是非

福岡みなみさんが美容整形への自己投資に多額の資金を使用したことについて、彼女自身の努力と選択として全く問題ないと思います。一方で、多くの女性には6000万円もの大金を用意することは難しい現実があります。その百分の一の60万円でさえ、若い女性にとっては大きな貯金となり得ます。。福岡さんは「公表したのは、どんな女の子にも可愛くなれるチャンスがあると希望を持って欲しいから。女の子達の役に立つタレントでいたい。みんなで可愛くなろう。私の持ってる美の知識と経験は全て捧げる覚悟です」と発信していますが、彼女のこのような姿勢は、社会の美容整形への見方について大きな影響を与えるために深く考察する必要があると思います。

福岡みなみさんの発現の社会的影響

福岡みなみさんの「みんなで可愛くなろう」という発言は表面的には肯定的に映りますが、「お金をかけて美しくなること」を奨励しているようにも受け取れ、「金銭的投資をしてでも美しくなるべき」という圧力を伝えているとも受け取れます。これは、外見を重視するルッキズムの増長に繋がる恐れがあります。日本社会で一般女性が美容整形に多額なお金をかけるには、よほど副業でお金を稼ぐ必要になり、このようなルッキズムの増長は経済的に余裕のない女性にとって大きなプレッシャーになりかねません。このような風潮がパパ活や夜の水商売、売春などの行為に走らせる要因になることも考えられ、これが社会問題につながる可能性もあります。現に、大阪の売春防止法違反での逮捕の事件の要因の一つを引き起こしているとも言えます。

まとめ

美容外科医専門医元神賢太医師

私、美容整形専門医として、美容整形が外見だけでなく心の豊かさにも寄与することを深く理解しています。しかし、外見のみに焦点を当て、女性の価値を見た目や可愛さで判断するルッキズムの増大は懸念すべき問題です。美容整形は個人の自己表現と自信の向上に寄与しますが、それを社会的な美の基準に従うべきとする圧力に変えてはなりません。福岡みなみさんの言葉が、このような偏った価値観を助長する恐れがある点には、明確に反対の立場を取ります。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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2024/04/06

院長ブログトップ > TCB/東京中央美容外科での涙袋でデメキンに!涙袋ヒアルの解説

TCB/東京中央美容外科での涙袋でデメキンに!涙袋ヒアルの解説

TCBでの涙袋の写真

最近、ヤフーニュースや集英社オンラインに掲載された、TCB(東京中央美容外科)におけるヒアルロン酸注入涙袋形成のトピックが大きな注目を集めています。記事では、TCBで行われた施術の結果、顧客が不自然に膨らんだ「デメキン」のような目になってしまった事案が報じられています。このブログでは、そのニュース記事の内容を詳細に分析し、TCBでのヒアルロン酸注入施術に何が起こったのかを深く掘り下げて解説します。さらに、ヒアルロン酸を用いた涙袋形成の正しい方法についても詳しく説明していきます。読者の皆様が美容医療のこの側面についてより理解を深めるための一助となれば幸いです。

涙袋をつくるためのヒアルロン酸注入で“デメキン”に…

【涙袋をつくるためのヒアルロン酸注入で“デメキン”に…整形がトラウマに」施術女性が涙の訴え 大手美容クリニックの疑問だらけのカウンセリングとアフターケア】というショッキングなタイトルで2024年4月5日のヤフーニュースのトップ記事に美容整形で受けた涙袋についての記事が掲載されました。記事の概要は以下の通りです。

■ヤフーニュース記事概要

<涙袋形成1万9200円のはずが…>

石川さん(30代女性、仮名)は、全国展開の大手美容クリニックAで涙袋形成のためのヒアルロン酸注入を受けたが、結果的に目の下の皮膚が異常に垂れ下がるトラブルに見舞われた。この件は、有名インフルエンサーが写真を投稿し、大きな注目を集めた。石川さんは元々整形に抵抗がなく、涙袋形成のためにクリニックAを選んだ。クリニックのホームページでは、ヒアルロン酸注入が1cc当たり2万円未満と記載され、さらにウェブ予約限定で2万円オフとなるクーポンもあったため、『実質タダでできるじゃん! お得~』という気持ちだったとのこと。しかし、実際にクリニックを訪れると、彼女の期待とは異なり、最初にカウンセラーがさまざまな追加施術を提案し、見積もりは最終的に約50万円に上がった。石川さんが再三にわたり涙袋形成のみを望むと伝えると、見積もりは徐々に下がり、最終的には5万3600円(クーポン適用後)となったが、これはホームページに掲載された価格よりも高額だった。クリニック側は、ウェブサイトに記載されたヒアルロン酸とは異なる種類を使用すると説明し、石川さんは高い料金であることを良い結果に結びつくと考え、施術を受けることにした。

<術後に自分の顔を見て完全にパニック>

TCBでの涙袋の写真直後

石川さんは、笑気麻酔を併用された上でヒアルロン酸を注入した後、自分の変わった顔を見てパニックに陥った。施術を受けたドクターに不自然に見える涙袋を指摘し、修正を求めたが、ドクターは『いえいえ、おかしくないですよ』と当初は全く受け入れてくれず、それでも『やっぱり変だから(ヒアルロン酸を)溶かしてくれませんか?』と石川さんがお願いしたところ、『溶かすことはできないけど、余ったヒアルロン酸をほうれい線に入れることができる』とまた別の手術の提案をされた。それでも石川さんがヒアルロン酸の溶解を求めたところ、ドクターは溶かすことは可能だが返金はできないと主張し、結局「余ったヒアルロン酸を涙袋に注入すればマシになるかもしれない」とドクターが言うため、石川さんは最初のヒアルロン酸注入の直後に二度目の涙袋のヒアル注入施術を受けることになった。しかし2度目は笑気ガスの吸引時間は1回目より明らかに短かったため、再治療は激痛をともなった上に、状況はさらに悪化。施術後、彼女は友人や同棲中の彼氏にも異変を指摘され、心配された。石川さんはクリニックのカスタマーセンターに連絡を取ったが、返金については30%のみで、満足のいく解決には至らなかった。彼女がクリニックに連絡を試みても、十分な対応を得ることはできず、非常に失望した様子だった。この経験は、石川さんに深い精神的な影響を与えた。

<「整形はすっかりトラウマになりました」>

石川さんは、大手美容クリニックAでの涙袋形成手術の失敗を受けて深いトラウマを抱えた。彼女は自身の写真をインフルエンサーに送り、その投稿が大きな反響を呼んだ結果、YouTubeで活動する別の医師によって無償で修正手術を受ける機会を得た。修正手術を行った医師は、「これ、本当に涙袋に入れていいヒアルロン酸なのかな」と言い、使用されたヒアルロン酸に疑問を持っていた。石川さんはこの一連の体験から、涙袋の形成を望むものの、さらに再手術を受けることには恐怖を感じるようになり、激しい怒りと悲しみを抱えた。最終的に石川さんはクリニックAの弁護士らしき人物から連絡を受け、施術料金の全額返金が行われることとなった。当初は返金が30%に限られていたため、石川さんはこの急な方針転換に対し複雑な感情を抱いている様子だった。

TCBでの涙袋の写真別角度

出典元:

ヤフーニュース 、 集英社オンライン

大手美容クリニックAがTCBと特定された経緯

ヤフーニュースにおける報道では、当初「大手美容クリニックA」と仮称で言及されていた美容外科が、実際にはTCB(東京中央美容外科)であることが明らかになっています。この特定の経緯には、記事にありましたように、ある著名なインフルエンサーの活動が関与しています。具体的には、「Z李 NO WAR」(@ShinjukuSokai)さんがX(旧ツイッター)に「涙袋作ってかわいくなるはずが出目金にされてしまった子がTCBに電話して、SNSに書いていいか聞いたらOKもらってた。」」という投稿を行い、その結果、AクリニックがTCB(東京中央美容外科)であるとの特定に至ったのです。

出典元:

https://twitter.com/ShinjukuSokai/status/1774398534240100433

TCBの青木剛志医師とは

TCBの設立者である青木剛志医師はかつて品川美容外科に長い間勤務していたドクターです。ちなみに品川美容外科は老舗の大手美容外科であるため、現在の多くの大手美容外科のオーナーが品川美容外科出身です。湘南美容クリニックの相川佳之医師や銀座TAクリニックの嶽崎元彦医師、Aクリニックの山田哲雄医師、東京ヒルズクリニック杉浦功修医師などが品川美容外科出身のドクターです。青木剛志医師は品川美容外科を辞め、2014年12月にTCBを設立していますが、これは品川美容外科において「品川美容外科糸リフト被害」の裁判が問題化になったからだと言われてます。この問題は品川美容外科が激安で呼びこんだ患者に高額なフェイスリフトの契約をさせ、しかも効果が弱く、痛みだけ残ったということで75名の被害者が民事訴訟による裁判を起こした問題です(後に裁判により和解)。青木医師は当時品川美容外科のNo2で実質診療部門のトップでした。前述したドクターのうち、湘南美容クリニックの相川佳之医師以外は全員がこの問題が起きた当時、品川美容外科に在籍していたことも注目に値します。

参照元:

品川美容外科の裁判「糸によるフェイスリフト術」和解成立のご報告

記事を読んだ私の印象

私は長年のキャリアを積んだ美容外科専門医として、これまで数々の美容医療に関連する案件を目の当たりにしてきました。その経験を活かし、美容医療にまつわる様々な問題点や事例を記事にして提供してきました。そこで、今回の件について問題を列挙します。

■激安の表示価格

TCB(東京中央美容外科)は、極めて低価格なサービスを前面に押し出した集客戦略を採用しているクリニックの一例です。彼らの手法には、激安の価格設定を通じた初期の誘引から始まり、後に高額なアップセールスを行うというパターンが見受けられます。美容外科医療を利用する際には、このようなクリニックに特に注意する必要があります。非常に安い価格表示には、しばしば何らかの裏が隠されていることが多いです。患者としては、初めに提示される魅力的な価格に惑わされず、全体的な治療プランや追加料金に関する明確な情報を事前に把握することが重要です。

TCBを批判するヤフコメ

↑ヤフーニュース記事のコメント欄のスクリーンショット。

■医師の技術不足

施術を行った医師の技術については、非常に疑問が残る状況です。石川さんのケースを詳細に分析し、その写真から推測すると、使用されたヒアルロン酸の量は通常の涙袋形成に用いられる量を大きく上回っている可能性が高いと考えられます。通常、涙袋にヒアルロン酸を注入する際、必要とされる量は0.3㏄程度です。特に顕著な涙袋を望む場合であっても、使用量は0.5㏄程度に留めるのが一般的です。この事件では、医師が1㏄以上のヒアルロン酸を注入した可能性があり、これは標準的な注入量を大きく逸脱していると言えるでしょう。美容外科におけるヒアルロン酸の適切な使用とは、患者の希望に応じた見た目を実現することであり、過剰な量の注入は反対に不自然な結果を招きます。

■医師の経験不足

涙袋形成は、注入されるヒアルロン酸の量がわずかであっても顕著な変化をもたらす非常にデリケートな施術です。患者の希望に応じて理想的な涙袋を形成するには、施術中に患者本人の確認を得ながら少量ずつヒアルロン酸を注入し、微細な調整を行うことが極めて重要です。しかし、ヤフーニュースの記事を読む限り、このような標準的な注入方法が適切に行われていなかったように思われます。この記事から推察される問題点としては、担当医師の技術的な未熟さや経験不足が挙げられます。涙袋の形成における医師の技量は、注入量の適切な判断や患者の顔貌に対する繊細な理解を要求されます。

■ヒアルロン酸の品質

ヒアルロン酸の品質には製品ごとに大きな差があり、顔の微細な部分への注入に際しては、この点が極めて重要になります。記事にある医師のコメントより、使用されたヒアルロン酸が劣悪な品質であった可能性が高いと推察されます。繊細な顔のパーツへの施術においては、特に高品質で信頼性の高いヒアルロン酸の選択が不可欠です。私自身、美容医療の専門家として、特に品質が保証されたヒアルロン酸の使用を心がけています。この観点から、私は日本アラガン社の製品を強く推奨しています。厚生労働省からの認可を受けた、ボリューマやボリフトなどの製品は、その安全性と効果の面で信頼できるものです。

元神医師によるヒアルロン酸涙袋形成

↑私が行ったヒアルロン酸の涙袋形成

元神流の涙袋形成:自然さを重視したアプローチ

涙袋形成は、笑顔によって目の下が自然に可愛らしくふくらむ状態を再現することが目的です。この涙袋のヒアル注入においては、自然な見た目を実現することが最重要です。私が涙袋のヒアル注入を行う場合、患者様を座位にし、ごく少量での注入を進め、患者様ご自身にその都度状態を確認していただきます。これは、正確な位置への注入と自然な結果を確保するための手法です。従ってこの記事にあるように笑気麻酔併用下での患者様が半分寝ている状態では注入できません。笑気麻酔などの他の麻酔を使用しない代わりに、注入時に痛み対策として私は極細針(35G針)を使用して注入します。35G針は針が非常に細いため通常よりかなり痛みが少なくなります。この極細針の使用は高い技術を要しますが、涙袋形成においては、細かな調整が可能であり、患者様の痛みも軽減できるため、最適な方法と考えています。さらに、私が使用する日本アラガン社製のヒアルロン酸(ボリューマやボリフト等)には、麻酔薬が含まれており、注入が進むにつれ麻酔効果が高まり、痛みがほとんど感じられなくなります。座位での注入ポジションと35G針の使用により、患者様にとって最も快適で自然な涙袋形成が可能となります。

元神医師によるヒアルロン酸涙袋形成

↑私が行ったヒアルロン酸の涙袋形成

まとめ

今回のヤフーニュース記事で明らかになったTCBの事例は、日本の美容外科界における深刻な問題の一部を表しています。不適切な価格表示と過度なアップセールス、技術不足の医師が存在する現状は、この業界に潜む課題の表面に過ぎません。それだけに、消費者側が賢明な判断を下すことの重要性が強調されます。医療機関選びにおいては、安価な料金につられることなく、クリニックの透明性や信頼性、医師の経歴や能力を入念に吟味することが不可欠です。私の使命は、このような記事を通じて消費者に美容医療の適切な利用についての意識を高め、注意を促すことにあります。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、二重治療、眼瞼下垂治療、逆さまつ毛治療、リフトアップ,治療、ヒアルロン酸注入を得意としている。

【関連項目】

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2024/04/05

院長ブログトップ > 脂肪冷却は危険?デメリットや後遺症等疑問について徹底解説

脂肪冷却は危険?デメリットや後遺症等疑問について徹底解説

脂肪冷却は危険か??

脂肪冷却、またの名を「切らない脂肪吸引」としても知られるこの方法は、繰り返しの施術により脂肪吸引に匹敵する効果をもたらすと評価されています。クールテック・ディファインやクールスカルプティング・エリート(クルスカ)などの機器を用いた脂肪冷却・脂肪凍結治療は、現代の美容医療において非常に注目されています。しかし、その一方でインターネット上では、「脂肪冷却は危険」といった否定的な声も散見され、この治療法のデメリットや可能性のある後遺症に対する懸念が示されています。本ブログでは、脂肪冷却治療に関する様々な疑問や不安を明らかにし、客観的な視点から解説を行います。さらに、読者からの具体的な疑問に、Q&A形式で直接回答します。

脂肪冷却は危険か?

脂肪冷却が危険と思ってしまう理由としては、誰しも思っていることですが、体をそんなに氷のように冷やして、凍傷にならないのか、という疑問から生じていると考えられます。たしかに雪山に上った登山家が凍傷で余儀なく指を切断することなったり、寒さで凍えて死亡したりするというショッキングなニュースを時々見かけると体や脂肪を冷凍したり、凍結したりするのは危険と思ってしまうことも理解できます。しかし、クールスカルプティング(クルスカ)やクールテックと言われる脂肪冷却機器は選択的に脂肪のみを冷却し、凍結させるので、危険ではありませんし、死亡することもありません。このような脂肪冷却機器は、脂肪をマイナス10度近くまで脂肪を冷却し、半ば凍結させ、氷のように凍られた状態にする機器です。脂肪と比較して、皮膚は冷却に対して損傷を受けにくいことより、脂肪冷却では選択に脂肪のみを破壊できる仕組みになっており、脂肪以外の組織に危険が及ばないように設計されています。

脂肪冷却のデメリットについて

一般論で言うと、クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却にはほとんどデメリットはありませんが、脂肪冷却は効果が現れるまで最低1か月程度の期間が要するため、効果の即効性を求めるかたにはこの効果の発現までの長い期間がデメリットとして感じる可能性はあります。また、脂肪冷却は1回の治療で劇的な効果がある目に見えてあるわけではありません。この効果の大きさについては、外科的な脂肪吸引より劣ります。しっかりとした効果が目に見えて分かるためには3回の脂肪冷却が推奨されています。この複数回治療が推奨される点もデメリットと感じる可能性はあります。

脂肪冷却の後遺症について

脂肪冷却の副作用は赤みや腫れ、痒みなど、大半が一時的なもので、通常は治療後1週間程度で自然に解消されます。しかし、非常に稀ですが、重篤な副作用があるのも事実で、後遺症として残る可能性があります。後遺症となり得るのは、低温火傷(凍傷)と逆説性脂肪肥大(PAH)です。

■後遺症①:低温火傷(凍傷)

低温火傷(凍傷)は本来脂肪のみが破壊される脂肪冷却において、皮膚組織までも破壊されたことより皮膚が壊死してしまう状態です。深刻なケースで海外では皮膚移植までも必要だったケースもありますが、既往歴がない健康なかたが脂肪冷却で凍傷になることは考えにくいため、凍傷になる可能性があるのは、重度の糖尿病があるなど、局所の循環不全が治療前にある場合に限られると考えれています。このため重度の糖尿病患者は脂肪冷却の相対的禁忌となっています。

■後遺症②:逆説性脂肪肥大(PAH)

脂肪冷却治療において後遺症となり得る、極めて稀な副作用が、逆説性脂肪過形成(Paradoxical Adipose Hyperplasia: PAH)です。PAHとは治療された部位の脂肪組織が脂肪冷却により逆に(逆説性に)増えてしまう状態(脂肪の過形成)のことです。日本国内の脂肪冷却ではPAHの報告は1例もありません。PAHが万一行ってしまった場合は、脂肪吸引による脂肪除去が必要になります。

PAHのより脂肪が増えた状態

上記:写真左は脂肪冷却前。写真右は脂肪冷却後でPAHが起こった状態

参照元:

Paradoxical Adipose Hypertrophy (PAH) After Cryolipolysis

脂肪冷却についてのよくあるご質問

Q: クールスカルプティングやクールテックと呼ばれる脂肪冷却機器とは何ですか?

A: クールスカルプティングやクールテックとは、脂肪冷却を目的とした特殊な医療機器です。これらの機器は、脂肪細胞をマイナス10度程度に冷却し、半ば凍結状態にすることで効果を発揮します。凍った状態の脂肪細胞はその後自然に破壊され、体外に排出されます。脂肪細胞は皮膚細胞と比べて冷却による損傷を受けやすい特性があるため、この治療法では脂肪のみを選択的に破壊できます。

Q: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却の効果について、1回で効果がありますか?また、どれくらい痩せられますか?

A: 脂肪冷却治療は、1回のセッションで、平均して約10%から25%の脂肪量を減少させる効果が期待できます。これは、摘まむことができる脂肪の厚さで言えば、平均22.4%の減少を意味します。さらに、最新の研究によれば、クールテック・ディファインを複数回施術した場合、脂肪層の厚さが平均70%まで減少することが確認されています。具体的には、平均的な脂肪層の厚さが35mmから、わずか11mmほどにまで減少するという結果が得られています。

出典元:

Cryolipolysis for fat reduction using Cooltech Define technology: A large-sample retrospective clinical study

Q: 脂肪冷却が効果が現れるまでどのくらいの期間が必要ですか?

A: 脂肪冷却治療を受けた後、その効果が最終的に目に見える形で現れるまでの期間には、治療を受ける機器によって異なることがあります。クールテックの場合は治療後約1~3か月間、クールスカルプティングの場合には約3~6か月間の時間が必要とされています。これは、脂肪冷却治療が即時的な結果をもたらすものではなく、ゆっくりと時間をかけて効果が現れる性質があるためです。脂肪細胞が冷凍・破壊され、その後体外に排出される工程には、この程度の期間が必要となるのです。したがって、脂肪冷却治療を受けた場合、すぐに結果を期待するのではなく、少しずつ変化が現れるのを待つ必要があります。

Q: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却の頻度はどのくらいですか?また、脂肪冷却は期間をあけて行うべきですか?

A: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却治療の場合、一度の施術で一定の効果を得ることは可能ですが、理想的な結果を得るためには複数回の治療が推奨されます。通常、1つの部位に対しては、1か月間隔での治療を3回以上行うことが望ましいとされています。この治療スケジュールは、脂肪冷却の効果を最大限に発揮させるために設計されています。脂肪冷却の効果が徐々に現れる性質を考慮すると、適切な期間をあけて治療を行うことが重要です。それにより、効果的かつ安全に理想のボディラインを目指すことが可能になります。

Q: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却はどの部位に効果がありますか?

A: 脂肪冷却治療は、摘まむことができる皮下脂肪の量が1cm以上ある部位に特に効果的です。具体的には、お腹周りの脂肪、一般に「浮き輪」と称されるこのエリアは、脂肪冷却による効果が特に顕著に現れやすい部位です。また、この治療は上腕や太ももなど、他の部位にも効果を発揮します。

Q: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却の施術時間は?

A: クールテックやクールスカルプティング(クルスカ)を含む脂肪冷却治療において、一般的に推奨される冷却時間は70分です。この時間は、脂肪細胞を効果的に凍結させ、最適な治療結果を得るために設定されています。しかし、日本国内においてクールスカルプティング・エリートを提供する多くの施設では、35分という比較的短い冷却時間で施術を行っているケースが見受けられます。この短縮された冷却時間では、脂肪冷却の効果が完全には発揮されない恐れがあるため、施術を受ける際はこの点に注意が必要です。効果的な脂肪冷却治療を求める場合は、適切な冷却時間を確実に実施する施設を選ぶことが重要です。

Q: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却の料金は?

A: 脂肪冷却の料金は、提供する医療施設によって異なりますが、注意すべき点がいくつかあります。一部の施設では、1エリア(または1パッド、1ハンドピース)ごとの料金表示を行い、実際よりも安価に見せかけていることがあります。例えば、下腹部全体(通称「浮き輪」の脂肪)の治療には、通常4つのハンドピースが必要になります。また、標準的な冷却時間が70分であるにも関わらず、35分の施術時間で料金を設定している美容外科も存在します。さらに、施術直後に必要なマッサージを別途料金やオプションとして提供している場合もあります。そのため、低価格表示に惑わされず、実際のトータルコストを正確に理解することが重要です。脂肪冷却治療を選択する際には、全体の料金や含まれるサービスをしっかりと確認し、透明性のある施設を選ぶことが肝要です。

Q: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却は痛いですか?

A: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却治療において、施術初期には冷却やハンドピースの吸引によるある程度の違和感を感じることはありますが、これを「痛み」と表現するのは適切ではありません。通常、違和感は施術開始後約10分で軽減し、感覚が鈍くなるため、その後の施術中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、約70分の冷却時間の後、ハンドピースを取り外した直後の約5分間は、一時的に不快感を感じることがあります。この感覚は、長時間同じ姿勢を取っていた後に足がしびれるときのような強い不快感に似ています。しかし、これは一過性のものであり、施術後すぐに改善されます。したがって、脂肪冷却治療中の痛みについての心配はほとんど不要と言えます

Q: 脂肪冷却後で腫れることはありますか?

A: 脂肪冷却治療を受けた後、治療部位に腫れが生じることは、個人によって異なりますが、起こり得る現象です。腫れの程度については、通常は比較的軽度であり、皮膚がわずかに盛り上がる程度で赤みを帯びることがあります。この腫れは治療に伴う一時的な反応であり、通常は2〜3日の間に自然と軽減されていきます。

Q: 脂肪冷却後チクチク痛みや痒みはいつまでですか?

A: 脂肪冷却治療後にチクチクとした痛みや痒みを感じることは、個人差により異なりますが、治療部位の皮膚に赤みが生じている間に起こることがあります。これらの症状を緩和するために、ステロイド配合のクリームが処方される場合があります。多くの場合、チクチク痛みや痒みの症状は軽度で、通常2〜3日程度で自然に軽減されることが一般的です。

Q: 脂肪冷却で体重は減りますか?また、痩せる効果があるのか?

A: 脂肪冷却治療は、主に理想的なボディラインを形成することを目的としており、一般的なダイエットのように体重を大幅に減少させることは目指していません。治療により特定部位の脂肪細胞が減少し、その結果、体重がわずかに減少することはありますが、これは数百グラム単位での変化に留まることがほとんどです。脂肪は体積に対して比重が軽いため、その減少が体重に大きく反映されることは少ないのです。また、脂肪冷却によって治療部位の皮下脂肪の厚さは減少し、その部位が痩せたように見える効果は期待できますが、全身的な体重減少や他の部位の脂肪減少には直接的な影響はありません。

Q: 脂肪冷却を受けた後、やってはいけないことは?

A: 脂肪冷却治療を受けた後、特別な制限を設ける必要はありません。治療後も日常生活を普段通りに送ることができ、飲酒や入浴なども特に制限されません。これは脂肪冷却治療の大きな利点の一つであり、外科的な脂肪吸引手術に見られるような、回復期間中の活動制限が必要ないという点で非常に利便性が高いです。したがって、脂肪冷却治療後に特に避けるべき行動は存在せず、通常の生活を続けることが可能です。

Q: 脂肪冷却は医療行為ですか?

A: はい、クールテックやクールスカルプティングなどを使用する脂肪冷却は、医療機器を用いた医療行為として位置づけられます。これらの機器は、専門的な知識と技術を要するもので、適切に操作されない場合、凍傷などのリスクが伴うことがあるからです。そのため、医療機関でのみ扱われるべきです。エステサロンなど非医療機関で脂肪冷却が提供されている場合、使用されている機器は医療用とは異なる効果の低いものであるか、あるいは違法に医療機器を使用している可能性があります。このため、脂肪冷却治療を受ける際は、信頼できる医療機関を選ぶことが非常に重要です。

Q: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却の禁忌は?

A: クールテックやクールスカルプティングによる脂肪冷却治療には、いくつかの禁忌事項があります。特に、寒冷によって症状が悪化する可能性がある特定の血液の病気を持つ方は、治療を受けることができません。これにはクリオグロブリン血症、寒冷凝集素血症、発作性寒冷ヘモグロビン尿症などが含まれます。同様に、寒冷性皮膚炎や寒冷性蕁麻疹など、寒冷に反応する皮膚病のある方も、脂肪冷却治療は基本的に避けるべきです。加えて、治療部位に腹部ヘルニアがある場合、または皮膚の循環障害や神経障害のある方も、脂肪冷却治療は推奨されません。さらに、妊娠中や授乳中の方、重症の糖尿病をお持ちの方については、相対的禁忌とされており、可能な限り治療を避けることが望ましいとされています

Q: クールテックとクールスカルプティング(クルスカ)の違いは何ですか?

A: クールテックとクールスカルプティング(クルスカ)はどちらも脂肪冷却を目的とした機器でありますが、最新モデルのクールテック・ディファインとクールスカルプティング・エリートには主な違いがいくつか存在します。

PAHの発生率: 逆説的脂肪過形成(PAH)という稀な副作用の発生率に違いがあります。クールテック・ディファインでは1118例の治療でPAHの発生率が0.09%であるのに対し、クールスカルプティングは0.021%〜1.00%の範囲です。これはクールテックが極めて少ない副作用を持つことを示しています。

同時治療可能なエリア数: クールテック・ディファインは4つの異なるエリアを同時に治療する能力がありますが、クールスカルプティング・エリートは2エリアまでの同時治療に限定されています。

効果発現までの期間: クールスカルプティング・エリートの場合、目に見える効果が出るまで3〜6ヶ月かかるのに対し、クールテック・ディファインでは効果が1〜3ヶ月で現れる傾向にあります。

まとめ

このブログ記事を通して、脂肪冷却治療に伴う危険性の有無、デメリット、そして発生する可能性のある後遺症に関して、徹底的な解説を行いました。また、脂肪冷却に関連する多くの疑問についても、詳しく説明しました。脂肪冷却は、正しく理解し適切に行われれば、美容医療の一環として非常に有効な手段です。このブログ記事の情報が、脂肪冷却治療に関心を持つ方々の不安を和らげ、安全に治療を受ける際の有益なガイドとなることを願っています。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、、痩身治療を得意としている。日本美容外科学会ではウルセラの学会発表を行っている。痩身治療に関しては自らクールテックを受けてその効果をCT検査で証明した。また、実践した痩身治療を生かして、ベストボディ千葉大会ではグランプリを獲得している。

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2024/04/04

院長ブログトップ > 【脂肪冷却、クールスカルプティングに効果がない?】その理由を解明

【脂肪冷却、クールスカルプティングに効果がない?】その理由を解明

脂肪冷却に効果がない?

脂肪冷却、クールスカルプティングに効果がないという声は本当に根拠があるのでしょうか?効果が感じられないとされる理由を徹底的に解明します。 脂肪冷却療法、特にクールスカルプティングやクールテックといった治療法は、現在世界中で高い注目を集めています。特にアメリカでは、米国皮膚外科学会((The American Society for Dermatologic Surgery))が報告するところによれば、2019年に行われた非侵襲的な痩身治療の約100万件のうち、約25%がこの脂肪冷却治療によるものでした。このような背景からも分かるように、近年の脂肪冷却の人気は急上昇しています。その主要な理由は、効果の高さにありますが、一方でインターネット上では、「脂肪冷却に効果がない」とか「クールスカルプティングに効果がない」という否定的な意見も散見されます。この記事では、そうした意見の背後にある理由を深掘りし、なぜ一部の人々が脂肪冷却治療の効果を感じられないのかを明らかにしていきます。

体重が減ることを期待していた

多くの人が脂肪冷却療法における効果の不満を訴える際、その背景には施術への誤解が存在することが考えられます。特に、脂肪冷却を体重減少を目的としたものと誤解しているケースが目立ちます。美容外科で行われる脂肪分解施術は、一般的に「ボディコントゥアリング(body contouring)」と呼ばれ、直訳すると「ボディラインを整える」という意味になります。すなわち、脂肪冷却は理想のボディラインを実現するための施術であり、ダイエットのように体重を減少させることが主目的ではありません。例えば、脂肪冷却を数回受けた結果、腰から下腹部にかけての「脂肪の浮き輪」を除去することは可能です。この施術で取り除くことのできる脂肪量は、女性の握りこぶしの大きさに相当する約200cc程度の脂肪を減らすことも可能です。しかし、脂肪400ccの重さは約360g(脂肪の密度は約0.9g/㏄)に過ぎず、体重が顕著に減少したとは感じにくいのです。ただし、400㏄の脂肪がお腹周りから取り除かれることで、ボディラインは顕著に美しくなり、外見上の変化は明確に感じられるでしょう。

当院でのクールテック症例写真

当院でのクールテック症例写真

脂肪冷却の適用じゃなかった

脂肪冷却療法の効果が感じられなかったという報告の中には、施術の良い適用条件を満たしていない場合が存在します。特に、BMIが30以上の場合、脂肪冷却の効果を実感しにくいことがあります。お腹や太ももに関して、BMIが30未満の方が脂肪冷却に適しているとされています。その理由は、BMIが30を超えると、治療部位の脂肪は減少するものの、全体的なボディラインに大きな改善が見られないことが多いからです。BMIが30以上の方では、摘まめる脂肪の量は確かに減るものの、鏡で見た際のシルエットに大きな変化が現れにくいという現象があります。そのため、BMIが30以上の場合は、脂肪冷却施術に先立って、ダイエットなどによる体重減少をお勧めします。ただし、二の腕や二重顎、ブラジャーからはみ出る脂肪など、特定の部位に対しては、BMIが30以上であっても脂肪冷却が適切な治療法と考えられています。この点を踏まえ、脂肪冷却の最適な適用条件をよく理解すること重要です。

・BMIの計算式

     BMI = 体重kg ÷ (身長m)2

     身長150㎝で68㎏、160㎝で78kgでBMIが30に相当します。

BMI30以上の場合

摘まめる皮下脂肪が施術前から少なかった

脂肪冷却治療の効果を感じられなかった一因として、施術対象となる皮下脂肪の量が十分でなかったケースがあります。脂肪冷却は、特に摘まみやすく、筋肉の上層に位置し、皮膚の直下にある頑固な脂肪層をターゲットにしています。効果的な治療のためには、対象となる脂肪が、内臓脂肪ではなく、皮膚の下に存在していることが必要です。例えば、お腹が目立つ方でも、摘まめる皮下脂肪が1cm未満であり、その代わりに内臓脂肪が多い場合があります。重要なのは、脂肪冷却治療は内臓脂肪に対して効果がなく、皮下脂肪の減少を目的としている点です。そのため、施術を受ける際には摘まめる皮下脂肪の量が1cm以上なければ、十分な効果が得られない可能性が高いと言えます。このように、適切な治療効果を得るためには、治療前の脂肪の量と位置を正確に把握することが重要です。

■皮下脂肪とは

皮下脂肪とは、俗に「浮き輪」と表現されるお腹周りや上腕に見られる柔らかく「摘まめる」タイプの脂肪のことを指します。この皮下脂肪は、特に厳しい食事制限を行わない限り、自然に除去することが難しいとされています。脂肪冷却治療では、効果的な施術のために、ハンドピースを適切に装着するには、おおよそ1cm以上の「摘まめる脂肪」が存在する必要があります。このように、脂肪冷却治療は皮下脂肪を対象に行われるため、治療前には対象部位の脂肪の厚さや質を正確に把握し、適切な処置を行うことが求められます。それによって、期待される効果を最大限に引き出すことが可能になります。

■内臓脂肪とは

内臓脂肪とは、私たちの腹部深く、腹筋の下に位置し、重要な臓器を囲むように蓄積される脂肪の一種です。この脂肪は、その位置の特性上、脂肪冷却治療のような外部からのアプローチによって除去することはできません。内臓脂肪の蓄積は、さまざまな健康問題と関連があるため、特に注意が必要です。内臓脂肪を効果的に減らすためには、運動による身体活動の増加が非常に重要とされています。定期的な運動は、内臓脂肪を燃焼し、代謝を活性化させる効果があるため、この種の脂肪を減少させる最も効果的な方法の一つです。加えて、健康的な食生活や生活習慣の改善も内臓脂肪の管理には欠かせない要素となります。したがって、内臓脂肪を減らすことを目指す場合、脂肪冷却治療だけに頼るのではなく、総合的なライフスタイルの見直しを行うことが推奨されます。

参照元:

6 Requirements For Ideal CoolSculpting Candidates

 

体重が増えてしまった

脂肪冷却は、クールテックの場合効果が現れるまで施術後1~3か月、クールスカルプティングは施術後3~6か月の期間を要します。しかし、治療の効果を最大限に引き出し、維持するためには、治療後のライフスタイルが非常に重要です。特に治療後に暴飲暴食をしたり、日常生活での不摂生が続いたりすると、体重増加によって残存している脂肪が肥大することで脂肪が蓄積され、脂肪冷却の効果が無効化されてしまう恐れがあります。脂肪冷却によって一度破壊され、除去された脂肪細胞は永久になくなりますが、残った脂肪細胞が肥大することによって、体形が元に戻ってしまう可能性があります。そのため、治療後には健康的な食事と適度な運動を取り入れることが、美しいボディラインを永続的に維持するための重要となります。脂肪冷却治療を受けた後も、バランスの取れた食事と定期的な運動によって体重を管理し、脂肪の再蓄積を防ぐことで、治療結果を長期間にわたって享受することができます。

当院での太もものクールテック症例写真

↑当院での太もものクールテック症例写真

1回しか治療を受けていない

脂肪冷却治療は、一度の施術でもその効果を実感することが可能ですが、一回の施術だけでは望まれる効果が十分に得られないこともあります。特に、1つの部位に対しては、最低でも3回以上のセッションが推奨されています。これは、脂肪冷却治療が通常、3回の治療を完了することで最適な結果を提供するように設計されているためです。したがって、1回のセッションのみで終了する場合、期待する程の効果を実感することは難しいかもしれません。治療の結果に大きく影響するのは、実施される施術の総回数です。複数回の治療を受けることで、効果は徐々に積み重なり、より明確な結果を得ることが可能となります。一方で、1回の施術のみでは限定的な結果に留まる可能性が高いため、脂肪冷却治療を検討する際には、推奨される治療回数に基づいた計画を立てることが重要です。

今後効果が現れるかもしれない

脂肪冷却治療を受けた後、その最終的な効果が目に見えて確認できるようになるまでには、ある程度の時間が必要です。具体的には、クールテックの場合、治療後1~3か月の間に効果が現れ、クールスカルプティングでは3~6か月の期間を要するとされています。したがって、もしクールスカルプティングの治療を受けてから3か月が経過しただけであれば、今後数ヶ月のうちに効果が実感できる可能性が十分にあります。脂肪冷却治療は、即効性を期待するものではなく、時間をかけて徐々に効果が表れる性質を持っています。治療直後に顕著な変化を感じることは少なく、効果が現れるまでには個人差があります。このため、治療後は焦らずに待つことが大切であり、効果が完全に表れるまでには、根気強く経過を観察することが推奨されます。治療後の経過観察期間中も、健康的なライフスタイルを維持することが、効果を最大限に引き出すための重要となります。

冷却時間が十分でなかった

これまで脂肪冷却治療における患者側の要因や治療回数に焦点を当ててきましたが、次に、医療機関側の施術の問題点に目を向けてみましょう脂肪冷却治療において、効果が十分に実感できない理由の一つとして、施術に用いられる冷却時間の長さが挙げられます。私自身、脂肪冷却治療ではクールテック・ディファインを推奨しています。この治療方法では、推奨される冷却時間は70分となっています。しかし、他の一般的な脂肪冷却治療であるクールスカルプティング・エリートを提供している施設では、多くの場合、35分という短い冷却時間で施術が行われています。このような短時間の冷却では、脂肪冷却の効果が最大限に引き出されない可能性があるのです。日本国内の美容外科クリニックにおいても、施設の都合により35分の冷却時間で治療を行っているケースが非常に多く見られます。脂肪冷却治療における冷却時間は、その効果に直結する重要な要素であり、十分な時間を確保することが求められます。施術を受ける際には、その医療機関がどの程度の冷却時間を設けているかを確認し、効果的な脂肪冷却を求めるならば、推奨時間を遵守しているクリニックを選択することが重要です。適切な冷却時間を確保することにより、期待通りの効果を得る可能性が高まります。

治療直後のマッサージが不十分

脂肪冷却治療後のケアとして、特に重要なのが治療直後に実施されるマッサージです。このマッサージの工程は、施術の効果を最大化するために欠かせない要素となります。適切に行われない場合、残念ながら治療効果も弱まる可能性があります。一般に、医療機器を使用した治療では、同じ機器を使用していればどの医療機関でも同じ効果が得られると誤解されがちですが、実際にはそうではありません。冷却時間の長さと同じように、治療直後に行われるマッサージやその他のアフターケアも、治療の成果に大きな影響を与えます。治療効果を最大限に引き出すためには、単に冷却するだけでなく、その後のマッサージが適切に行われることが重要です。このマッサージは、冷却された脂肪細胞を効率的に体外へ排出させるための重要なステップとなります。したがって、脂肪冷却治療を受ける際には、施術後のマッサージやケアが適切に行われる医療機関を選ぶことが、期待される効果を得るためには不可欠です。適切なアフターケアが施術の成功を左右する鍵となるのです。

↑当院でのお腹のクールテック症例写真

まとめ

このブログ記事を通じて、脂肪冷却治療において効果がないと感じる状況について、その可能性のある原因を詳細に解説しました。脂肪冷却治療の効果がないと感じる理由としては、治療の適用基準の誤解や誤った期待が一般的です。しかし、施設の運営上の理由で冷却時間が短縮されたり、治療直後のマッサージが適切でなかったりすると、実際に治療効果が低下する可能性があります。重要なのは、使用される機器や施設によっても、脂肪冷却治療の効果には大きな違いが生じるという点です。私の経験上、脂肪冷却治療においてはクールテック・ディファインが最も効果的であると考えます。この治療方法では、適切な冷却時間と術後のケアが効果を最大限に引き出すポイントとなります。脂肪冷却治療を検討する際には、これらの要因を総合的に考慮し、適切な施設と機器を選択することが重要です。これにより、治療の満足度が高められ、より良い結果を得ることが可能となります。

 

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、、痩身治療を得意としている。日本美容外科学会ではウルセラの学会発表を行っている。痩身治療に関しては自らクールテックを受けてその効果をCT検査で証明した。また、実践した痩身治療を生かして、ベストボディ千葉大会ではグランプリを獲得している。

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2024/04/03

院長ブログトップ > 豊胸手術に悪性リンパ腫のリスク?バッグはトラブルになる?

豊胸手術に悪性リンパ腫のリスク?バッグはトラブルになる?

豊胸バッグが不安な女性

2024年4月3日のヤフーニュースのトップ記事に「豊胸手術には悪性リンパ腫のリスクも」という衝撃的なタイトルで豊胸バッグにより悪性リンパ腫と言われる血液の癌の一種になる危険性があることを思わせるようなタイトルの記事がアップされました。豊胸バッグが多くの女性にとって関心がある美容治療であるだけにこの真偽については大きな関心事となっていることでしょう。私は医師として、この記事の内容を深く掘り下げ、豊胸バッグの発がん性のリスクに関する真実を検証し、読者の皆様にその真意を明らかにしていきたいと考えています。

豊胸手術には悪性リンパ腫のリスク??

【「関心高まる「美容医療」~トラブルから身を守る(2)豊胸手術には悪性リンパ腫のリスクも」というタイトルのヤフーニュース記事は下記のとおりです。

■ヤフーニュースの記事の転載

女性に人気のある美容整形のひとつが「豊胸手術」だ。シリコーンバッグの挿入やヒアルロン酸注入、脂肪注入など、手術法はさまざまだが、例えばシリコーンバッグを挿入した場合、長期の経過観察が大切だという。日本医科大学付属病院美容外科・美容後遺症外来で診察を行う朝日林太郎氏に聞いた。自分の理想的なバストをすぐ手に入れられる「豊胸手術」は、豊胸用のシリコーンバッグ(インプラント)が開発された1960年代から現在に至るまで高い人気を誇る。インプラントはヒアルロン酸注入や脂肪注入に比べて確実なバストアップや持続性の高さがメリットとされている。ただ人工物である以上、体に吸収されることはないため、感染やバッグの破損などのトラブルのリスクを常に抱えることになる。 高齢女性において比較的多く見られる合併症としては、インプラントの破損や感染などのトラブルである。 「ある80代の女性は、20年前にインプラントの挿入による豊胸手術を受けていたといいます。半年前から右胸が腫れてコブのようなしこりが見られ、1週間前に表面の皮膚が張り裂けたと当院を受診。診るとインプラントが破損して肉芽腫と呼ばれる腫瘤が作られ、皮膚潰瘍を起こしていたのです。まずは手術で原因となったインプラントを除去し、肉芽腫の切除を行いました。高齢になると手術の負担も大きいので少しでも違和感があれば早めに受診してください」 一般的に胸にインプラントを挿入すると、インプラントの周りに被膜が形成され、これが年数の経過とともに石灰化や拘縮(ひきつれ)を起こすことがある。他にも、何らかの強い衝撃によってインプラントが破損すると、炎症や感染などを起こす可能性が高くなる。合併症や後遺症を引き起こさないためにも定期的なフォローアップが重要だ。 「非常にまれではありますが、近年、テクスチャータイプと呼ばれる表面がザラザラしたタイプのインプラントを胸に挿入すると、悪性リンパ腫を発症する場合があるとの報告もあります。発見が遅れると最悪のケースでは死に至る危険もあるので、挿入手術を受けた後は治療を行った医師にしっかりとフォローアップしてもらう必要があります」  とりわけ高齢者の場合、施術治療を受けたクリニックが閉業していたり、執刀医が引退しているケースも少なくない。万が一トラブルが生じた際は、美容後遺症外来を受診することだ。 

出典元: ヤフーニュース、 日刊現代ヘルスケア

この記事の問題点

20年以上の美容治療経験を持つ私が指摘する、この記事の主要な問題点は以下の三つです。

①タイトルが今後も豊胸バッグ挿入後に悪性リンパ腫発症のリスクを暗示していることです。

②記事が主に過去のトラブル事例を取り上げているにも関わらず、それらが最新の豊胸バッグにも当てはまる可能性があるかのように記述していることが問題です

③記事がトラブル発生時の対応策として美容後遺症外来の受診を推奨している点です。

これら3つのポイントに関して、以下で詳しく解説していきます。

①豊胸バッグと悪性リンパ腫の関係について

乳房インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫

乳房インプラント関連未分化大細胞リンパ腫(Breast Implant-Associated Anaplastic Large Cell Lymphoma;BIA-ALCL)は、豊胸バッグの使用、特に表面がざらざらしたテクスチャードタイプと言われるインプラントバッグに関連して発症する稀な悪性リンパ腫です。悪性リンパ腫は乳腺よりガンが発症する乳がんではなく、血液のガンと言われるガンの一種です。ここで、BIA-ALCLについての重要な要素を深く掘り下げてみましょう。

■ 危険因子

BIA-ALCLのリスクは、表面が滑らかなスムースタイプの豊胸バッグではなく、テクスチャードタイプのバッグを使用した場合に顕著に高まりますが、一般的な発生率は低いとされています。シリコンおよび生理食塩水を充填したインプラントの両方で、このリスクは存在します。ちなみに過去に私はテクスチャードタイプの豊胸バッグを挿入したことはありません。

■症状と診断

BIA-ALCLの症状には、原因不明の乳房の増大、非対称性、体液の蓄積、乳房や脇の下のしこりなどがあります。その他の症状として、皮膚の発疹や乳房の硬化がみられることもあります。BIA-ALCLが疑われる症例に対する診断では、通常、バストの診察、画像診断(超音波検査やMRI検査など)、インプラント周囲に貯留している液体に含まれるCD30などの特異的マーカーの検査が行われます。

■治療

BIA-ALCLと診断された場合、インプラントとその周囲の瘢痕組織を外科的に除去する治療が推奨されます。場合によっては、特に病気が進行している場合には、化学療法、放射線療法、幹細胞移植療法などの追加治療が必要になることもあります。ただ、日本の厚労省にあたる米国のFDAは、無症状の患者におけるインプラントについて定期的な検診は推奨しているものの、除去を推奨していません。

■ 現状の豊胸バッグと日本における使用状況

日本国内では、過去には一部の美容外科でテクスチャードタイプのバッグが使用されていましたが、現在はその使用は見られません。そのため、国内で新たに豊胸手術を行った場合のBIA-ALCL発症のリスクは限りなくゼロに近いと考えられます。

参照元:

Breast implant-associated anaplastic large cell lymphoma: a review

②豊胸バッグのトラブル

このヤフーニュース記事では、特に高齢者における豊胸バッグの破損や感染についてのトラブルが取り上げられています。しかし、これらのトラブル例の大半は、20年以上前に挿入された古いバッグに関連しています。対照的に、現代の豊胸バッグは品質が大幅に向上しており、破損やその他のトラブルの発生確率はかなり低減しています。これは、技術革新と厳格な品質管理によるもので、現在使用されているバッグは過去のものとは大きく異なります。最新の製品では、安全性と信頼性が大きく強化されていることを理解することが重要です。

③トラブルの際は美容後遺症外来?

このヤフーニュース記事ではトラブルの際は美容後遺症外来の受診をすすめていますが、トラブルの際はまずは手術を受けた医療機関の受診をすすめるのが鉄則です。患者の情報が通常残されているからです。手術を受けた医療機関がすでに閉院した場合などのやむを得ない事情で新たな医療機関を受診する場合は致し方ないですが、手術を受けた医療機関では患者の情報が通常残されているため、何かトラブルがあった際もスムーズに診断や治療が可能です。また、後遺症外来を診療科として標榜している保険診療の病院は日本国内では数施設しかありません。また、過去の美容医療による術後のトラブルや合併症については現在では健康保険が使用できません。このため、こういった後遺症外来では高額な治療費になる可能性があるがあるため、おすすめできません。

豊胸治療のケアについて

日本国内において現在行われている豊胸治療は、ヒアルロン酸注入、脂肪注入、インプラントバッグ挿入の3つの方法ですが、どの豊胸治療も一長一短があり、合併症や副作用が全くない豊胸治療はありません。バッグの豊胸治療は、希望の大きさに一度の治療で達成され、大きさも変わらないという大きなメリットがあります。稀な副作用やトラブルとして破裂や拘縮があります。拘縮の予防として私は豊胸後にはご自身による定期的なマッサージを推奨しています。過去のバッグは拘縮が起こる確率も高かったのですが、現在のバッグは拘縮もほとんど起こらないため、多くの美容外科ではマッサージが不要とされています。しかし、それでも私がマッサージを推奨するのは、拘縮までの硬いバストになることはないにしても、やはり数十年かけて挿入されたバッグの空間が狭くなり、バッグの動きに制限が起こり、少し硬くなる可能性があるからです。また、少なくてとも1週間に1回、ご自身マッサージを行うことにより異常を早期に察知することができます。

まとめ

美容外科医専門医元神賢太医師

このヤフーニュース記事は、豊胸バッグに関心を持つ人々やすでに手術を受けた人々の不安を無用に煽るような中途半端な内容であるため、私は憤りを感じます。マスメディアの役割は正しい情報を届けることです。もし、注意喚起をするための記事であれば、最新のバッグ事情や手術まで取材した記事を掲載するべきです。美容外科治療に対する日本のマスコミが流す情報は多くの場合、偏った彎曲した情報になりがちです。豊胸治療についてご心配がある場合は、まず豊胸治療について経験が豊富な美容外科専門医の診察を受けることをお勧めします。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。

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2024/04/02

院長ブログトップ > 脂肪冷却やってみた!体験の経過ブログとビフォーアフター

脂肪冷却やってみた!体験の経過ブログとビフォーアフター

クールテックを受けた体験記

外科的な脂肪吸引に代わる、安全で非侵襲的な痩身治療法が注目されています。その中でも「切らない脂肪吸引」として知られる脂肪冷却治療は、特に効果的な方法として人気を集めています。このブログでは、私が実際に脂肪冷却治療を受けた体験をお伝えします。診察から治療の流れ、そして治療後の経過に至るまでの全過程を詳細に記録し、一般に「最良」と評されるクールテック治療についてその効果を共有します。実際のビフォーアフターの画像も掲載し、脂肪冷却治療がどのような変化をもたらすのかを具体的に示します。この記事が、同じように脂肪冷却治療を検討されている方々に役立つ情報となれば幸いです。

施術の流れ①:脂肪冷却の診察

脂肪冷却治療の第一歩は、詳細な診察から始まります。ここでの主な目的は、患者さんが脂肪を取り除きたい部位の状態を評価し、効果的な治療を実現するための脂肪の量が十分にあるかを確認することです。この段階では、治療を希望する部位を念入りに診察し、必要に応じて脂肪冷却装置のハンドピースを用いてテスト吸引を行うこともあります。また、下記の絶対禁忌、相対的禁忌、逆説的脂肪過形成(PAH)のリスクをある人を除外するためにも診察と問診は重要な工程です。

■脂肪冷却が受けられない人(絶対禁忌)

特に以下のような疾患をお持ちの方は、脂肪冷却治療の絶対禁忌とされています。

血液疾患: クリオグロブリン血症、寒冷凝集素血症、発作性寒冷ヘモグロビン尿症など、寒冷によって症状が悪化する可能性のある血液の病気をお持ちの方は、脂肪冷却治療を避けるべきです。

皮膚疾患: 寒冷性皮膚炎や寒冷性蕁麻疹など、寒冷に反応して症状が現れる皮膚病を持つ方も、脂肪冷却治療は適していません。

その他の健康状態: 治療を希望される部位に腹部ヘルニアが存在したり、皮膚の循環障害や神経障害がある場合も、治療が不適切となります。

■脂肪冷却がおすすめしない人(相対的禁忌とPAHリスク)

脂肪冷却治療は多くの方に効果的ですが、いくつかのケースでは慎重に検討が必要です。以下の状況にある方は、相対的禁忌として治療の適用を再考する必要があります。

妊娠中または授乳中の方: これらの状態の方は基本的に治療が推奨されませんが、個別のリスクを十分理解した上で治療が検討される場合があります。

重症の糖尿病をお持ちの方: 糖尿病の重度の症状を有する方は、凍傷のリスクが通常より高まります。

治療部位に傷跡がある方: 傷跡のある部位の治療は凍傷のリスクが通常より高まる可能性があります。

さらに、逆説的脂肪過形成(PAH)のリスクを考慮する必要がある状況もあります。PAHは非常に稀ですが、次のようなリスク要因が存在します。

・極度の肥満(BMIが30以上)

・皮下脂肪の量が少ない

・治療部位に瘢痕(傷跡)がある

・自己免疫疾患がある

・高カロリー食を頻繁に摂取している

・長時間座りがちな生活習慣

・ガンなどの悪性疾患

施術の流れ②:脂肪冷却治療前の測定

脂肪冷却治療における効果を最適に評価するため、治療前の測定は非常に重要なステップです。まず、専用の測定器を使用して治療部位の脂肪の厚みを正確に計測し、その後、メジャーを使って部位の周囲のサイズも測定します。これに加えて、患者さんの体重と体脂肪率の計測も行われます。

治療の効果を明確に把握するためには、これらの初期データが基準点となります。治療期間中に暴飲暴食によって体重が増加すると、脂肪冷却の効果が見えにくくなるため、生活習慣にも注意が必要です。効果的な治療結果を得るためには、治療期間中に体重を維持することが重要です。

施術の流れ③:治療開始(凍結冷却)

クールテックのハンドピースの装着

脂肪冷却治療の鍵となるのは、安全かつ効果的な凍結冷却施術です。まず、凍傷を防ぐために皮膚を保護する成分が含まれたジェルパッドを肌に貼ります。これが、低温によるダメージから肌を守る重要な役割を果たします。次に、専用のカップ状のハンドピースを治療部位に適用し、吸引と冷却の施術が開始されます。特に最新のクールテック・ディファインは、4つの吸引・冷却装置を搭載しており、同時に4箇所のエリアの治療が可能です。この機能は、時間効率の向上に大きく寄与します。また、異なる形状のハンドピースが用意されており、治療部位に合わせて最適なものを選択することで、逆説的脂肪過形成(PAH)のリスクを低減します。治療中、クールテック・アプリケーターは速やかに-8℃から-10℃の間で稼働し、これにより脂肪細胞の結晶化を効率的に進めます。初めは冷たさや吸引による違和感があるものの、約10分で完全に感覚が鈍くなり、痛みは感じられなくなります。そのため、治療中はリラックスしてスマートフォンの使用や読書などを楽しむことができます。私自身の体験では、スマホで時間を過ごすことで、快適に70分の施術時間を過ごすことができました。

参照元:

A review of research for a cryolipolysis technology

スマホを見ながら脂肪凍結

施術の流れ④:ハンドピースの取り外しと直後の感覚

脂肪冷却治療の終盤には、70分間の冷却セッション後にハンドピースの取り外しが行われます。治療直後の皮下脂肪は、氷状の硬さになっており、触るとカキ氷のようなシャリシャリとした独特の感触が伴います。また、この時点で皮膚は赤くなっていることが一般的です。私の個人的な体験では、ハンドピースを取り外した直後から約5分間は、不快感が最も強く感じられました。この感覚は、長時間同じ姿勢で座った後の足のしびれに似た、強い不快感に似ています。この感覚は数分続き、私にとっては治療中に初めてあった不快な時間でした。しかし、幸いなことに、その不快感はやがて和らぎました。

脂肪冷却後の赤み

施術の流れ⑤:マッサージ

脂肪冷却治療の重要なフェーズの一つが、ハンドピースを取り外した後に行われるマッサージです。この時、看護師が氷のように固まった、シャリシャリとした感触のある治療部位の脂肪を丁寧にマッサージします。このマッサージは治療の効果を高めるために不可欠で、凍結した脂肪組織を柔らかくし、破壊された脂肪細胞の除去を促進します。この工程は、凍結によって結晶化した脂肪細胞を効率的に分解し、体外への排出をスムーズにすることに寄与します。

脂肪冷却後のマッサージ

施術の流れ⑥:脂肪冷却治療の完了

脂肪冷却治療の最終ステップは、マッサージの完了により迎えます。この時点で治療は正式に終了し、患者様はすぐに帰宅が可能です。重要なことは、治療直後には効果を感じることは難しいという点です。脂肪冷却によって破壊された脂肪細胞は、マクロファージによって徐々に吸収され、最終的には尿として体外に排出されます。この過程には時間がかかるため、クールテックの場合、治療後約1ヶ月後から効果が明確に感じられ始め、治療後3ヶ月までにはしっかりとした効果が実感できるとされています。これに対して、クールスカルプティングの効果が明らかになるまでには、通常3~6ヶ月がかかるとされています。クールテックでは、同一部位への2回目の治療は最初の治療から1ヶ月後に行うことができます。

脂肪冷却後の生活

脂肪冷却治療を受けた後の生活は、一般的には日常活動に大きな制限はありません。私の経験を例に挙げれば、治療の翌日にはすでにジムで運動していました。治療を受けた部位では、ハンドピースを設置した場所に沿ってわずかに皮膚が盛り上がり、赤みを帯びることがあります。私の場合、治療部位には痒みも発生したため、痒みを和らげるためのステロイド配合のクリームを使用しました。これらの痒みや赤みは、通常、2〜3日程度で自然に和らぎます。しかし、赤みや痒みの程度には個人差があり、私のように症状が比較的強く出ることもあります。それでも、これらの反応は治療の一般的な副作用であり、一時的なものです。施術後は特に積極的なケアや制限は必要ありませんが、水分補給を多めにしたほうが瘦身効果が早く現れるとも言われています。

脂肪冷却後の赤み

↑脂肪冷却後翌日の体の左側のお腹の赤み(筆者の自撮り)

脂肪冷却後の約1か月半後の変化:明確な効果の証明

私はクールテックによる脂肪冷却は1回しか受けず、治療前後の状態が明らかに分かるように左側のお腹のみを受けました。実際には2つのアプリケーターを利用して、左の下腹部の脂肪と左の腰からわき腹の脂肪をターゲットにして脂肪冷却を行いました。効果判定のため脂肪冷却の約1か月半後に脂肪を摘まみましたが、実際に脂肪を減ったことは明らかでした。また、写真でも左右を比較しましたが、明らかに減りました。

私が体験したクールテックによる脂肪冷却は、左側のお腹に限定して行われ、無治療の右側と効果の明確な比較が可能になるように計画しました。具体的には、2つのアプリケーターを使用して、左側の下腹部と腰からわき腹にかけての脂肪をターゲットにした治療を実施しました。治療の約1か月半後、左右の腰の脂肪を直接摘んでみると、脂肪冷却を行った左側のみの脂肪が減少したことが明らかに分かりました。さらに、腰部の写真を撮影し、左右の脂肪の付き具合を比較的できるように記録しました。この比較写真では、治療を受けた左側の脂肪が明らかに減っていることが分かります。

脂肪冷却後のビフォーアフター写真

↑クールテック後約1か月のアフター写真です。左側だけ受けています。

脂肪冷却のビフォーアフター写真

↑同じ写真ですが、左右の黄色線枠内の脂肪で左が明らかに少ないのがわかりますか?特に左の青線枠内は脂肪がなくなって、影ができています。線が入っていない写真に戻って、左右を比較していただけるとわかりやすいです。

脂肪冷却のビフォーアフター写真

↑左右の脂肪をつまんでみました。明らかに摘まめる脂肪の量が左は少ないです!

脂肪冷却治療後約1年の変化:CT検査による効果の確認

↑筆者のクールテック治療後1年腹部のCT検査画像

脂肪冷却治療を受けてから約1年後、治療の効果を確かめるために、私はCT検査を受けました。通常、クールテック治療は3回受けることが推奨されていますが、私自身は機器の評価の一環として、左側の腹部と腰部に対して1回だけの治療を行いました。時間が経過した後でも、左側の腰の脂肪を摘むと、右側に比べて明らかに少なかったため、CT画像を用いて両側の脂肪量を比較しました。その結果、左側の下腹部と腰部の脂肪量が右側に比べて顕著に少ないことが確認されました。具体的には、CT画像上の脂肪面積で、右側が70.51㎠に対して、左側は60.69㎠でした。これは、私が1回の脂肪冷却で約15%の脂肪量減少を達成したことを意味します。この1年後の結果は、クールテックによる脂肪冷却治療の長期的な効果を示す貴重な証拠です。脂肪冷却の効果には個人差があるため、一概には言えませんが、最近の研究論文では、複数回のクールテック治療で脂肪量が最大50%減少し、摘まめる脂肪の厚みが平均で70%も減少するという報告もありました。

脂肪冷却後の5年後の個人的な感想

日本でクールテックやクールスカルプティングが広く普及する前、私は自分のクリニックに脂肪冷却を導入するかどうかを判断するために、左側の下腹部と腰部にクールテックの治療を1回受けました。その治療から既に5年が経過しましたが、左右の腰の脂肪を摘まんで左側と右側を比較すると、左側の腰の脂肪量が明らかに少ない状態が続いています。脂肪冷却治療は、ダイエットが脂肪細胞を縮小させるのに対し、脂肪細胞をアポトーシス(細胞死)へ導いて細胞を破壊することを目的としています。その結果、治療部位の脂肪が除去され、脂肪吸引と同等の効果が得られています。この5年間の経過観察から、私は脂肪冷却を信頼できる、効果的な非侵襲的瘦身治療法として断言できます。この体験を通じて、脂肪冷却が持続的な効果をもたらすことが明らかになりました。

まとめ

このブログを通じて、私が体験したクールテックによる脂肪冷却治療の経過、感想、そして効果のビフォーアフターについてご紹介しました。私が使用したのは初期のクールテック機器でしたが、現在はさらに進化した後継機「クールテック・デファイン」が登場しています。この新型機器は、かつての2エリア同時治療から4エリアへと範囲を拡大し、ハンドピース内での360度全方向からの均一な脂肪冷却を実現しています。また、脂肪冷却の分野では、クールスカルプティングも広く知られていますが、クールスカルプティングと比較して最新のクールテック・デファインは、治療効果が大きく、さらに逆説性脂肪過形成(PAH)という深刻な副作用の発生確率が低いというデータもあります。このような理由から、脂肪冷却を検討されている方には、クールテック・デファインの利用を特にお勧めします。この記事が、非侵襲的な脂肪減少治療を求める皆さんの参考になれば幸いです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、、痩身治療を得意としている。日本美容外科学会ではウルセラの学会発表を行っている。痩身治療に関しては自らクールテックを受けてその効果をCT検査で証明した。また、実践した痩身治療を生かして、ベストボディ千葉大会ではグランプリを獲得している。

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2024/04/01

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クールテックはクールスカルプティングより良い?両機器を比較

クールテックによる脂肪冷却

非侵襲的な脂肪減少手法として注目される脂肪冷却機器であるクールテックとクールスカルプティング。長らく、これら二つの機器の効果に大きな差はないとされてきました。しかし、近年の研究により、クールテックには独自のメリットが存在することが明らかになっています。本記事では、最新技術を搭載したクールテックの進化版であるクールテック・ディファインを詳しく解説し、それがクールスカルプティング及びその新モデルであるクールスカルプティングエリートと比較して、どのように優れているのかを明らかにします。

脂肪冷却:非侵襲的痩身治療の原理と効果

脂肪冷却治療は、局所的な脂肪減少を目指す非侵襲的な技術です。この方法では、特別に設計された強力な冷却装置を用いて脂肪細胞を選択的に冷却し、アポトーシス(細胞死)を引き起こします。この方法は、脂肪細胞が周囲の皮膚などの他の細胞よりも低温に弱いという特性を利用しています。その結果、皮膚へのダメージを最小限に抑えながら、効果的に脂肪細胞を破壊することが可能です。脂肪細胞の除去は3~6ヵ月にわたって徐々に進行し、その間、体は損傷した脂肪細胞を自然に排除していきます。この革新的な技術は、安全性と効果性が認められ、近年その使用は大幅に増加しています。アメリカ皮膚外科学会によると、2019年に行われた約100万件の非侵襲的痩身治療のうち、およそ25%が脂肪冷却を用いたものでした。クールテックやその進化版であるクールテック・ディファイン、クールスカルプティング及びその新型版であるクールスカルプティングエリートは、世界中の多くのクリニックで採用されています。一般的な副作用には、治療部位の赤み、腫れ、痛みがありますが、これらは通常、数時間から数日で自然に解消されます。稀ですが、重篤な副作用として低温火傷や逆説性脂肪肥大(PAH)のリスクも存在します。

クールテック・ディファイン:進化した脂肪冷却治療

クールテック・ディファインは、Cooltech®ブランドから登場した第2世代の脂肪冷却治療装置です。この先進的なシステムは、特別に設計されたハンドピースを使用して脂肪組織に吸引をかけ、その後、-8℃に冷却します。約70分の冷却時間で、吸引された脂肪はハンドピース内部で360度の全方向から均一に冷却されます。クールテック・ディファインの最大の特徴は、その多様なハンドピースの存在です。これにより、身体の異なる部位に局所的に存在する脂肪に対して最適化された治療が可能になります。さらに、一度に4つのアプリケーター(冷却装置)を同時に使用することができるため、複数の部位を同時に効率的に治療することができ、患者の貴重な時間を大幅に節約することが可能です。最新の研究によれば、クールテック・ディファインは最大50%の局所脂肪減少を達成することが可能であり、治療の快適性と効果の点で非常に優れていることが実証されています。これらの点を踏まえると、クールテック・ディファインは革新的かつ効果的な脂肪冷却治療の選択肢と言えるでしょう。

クールテックディファインの機器

↑クールテック・ディファイン

最新研究のよるクールテック・ディファインの驚くべき効果

最新の研究によるクールテック・ディファインの効果は、その結果の驚異的な減少率において注目に値します。この研究は男女287人の患者を対象にしており、合計1118件の様々な身体部位への施術が実施されました。中でも脇腹への施術が全体の約33.19%を占め、腹部の施術が約26.49%を占めています。驚くべきことに、施術後約70日の時点での測定では、脂肪の厚さが平均で約70%も減少しました。具体的には、施術前の平均脂肪厚さ約35mmが、平均11mmまで減少したと報告されています。この顕著な脂肪減少は、クールテック・ディファインの高い効果を示しており、脂肪冷却の進歩を物語っています。

出典元:

Cryolipolysis for fat reduction using Cooltech® Define technology: A large-sample retrospective clinical study

当院でのクールテック症例写真

当院でのクールテック症例写真

クールテックの副作用の頻度

クールテックに関する最新研究では、副作用の発生率にも着目しています。この研究によれば、全1118件の施術のうち、1.7%にあたる19件の症例で治療中または治療後に痛みが報告されました。また、4.47%(50件)の症例では、治療に伴う不快感を和らげるために鎮痛剤の処方が必要とされました。これらの数字は、クールテック治療が比較的安全であることを示唆していますが、注意が必要なケースも存在します。特に注目すべきは、非常に稀ながらも逆説的脂肪過形成(PAH)が1件(0.09%)発生したことです。PAHは脂肪冷却治療における非常に稀な副作用であり、適切な対処が必要となる可能性があります。

逆説的脂肪過形成(PAH)とは

逆説的脂肪過形成(Paradoxical Adipose Hypertrophy;PAH)とは、脂肪冷却治療後に数ヶ月経って、治療部位の脂肪が増殖するという非常に稀な現象です。PAHは、治療された部位の脂肪組織が痛みを伴わずに硬くなり、目に見えて大きくなる特徴があります。PAHがなぜ発生するのか、その正確なメカニズムは今も不明ですが、以下の2つの仮説が考えられています。

冷却不足説: 脂肪細胞への冷却が不十分で、アポトーシスに至らない軽度の傷害が治療部位の脂肪組織の成長を促しているという仮説です。

虚血誘発説: アプリケーターの真空設定が施術部位の血流を制限し、低酸素による細胞傷害とそれに続く脂肪細胞の増殖が生じる可能性があるとされます。

また、PAHのリスクファクターとしては、代謝異常を有する人や、高カロリー食を継続している人、長時間座りっぱなしの生活習慣を持つ人が、この副作用の発症率が高くなる傾向にあると言われています。さらに、クールスカルプティングにおけるPAHの発生率は、0.021%から1.00%の間と報告されており、非常にまれな現象であることが示されています。

PAHの発生頻度の違い

最新の研究によると、クールテック・ディファインを使用した1118例の治療で逆説的脂肪過形成(PAH)の発生率は0.09%に留まり、クールスカルプティングの0.021%〜1.00%の範囲と比較して、この稀な副作用が極めて少ないことが示されています。この結果はクールテックがクールスカルプティングよりさまざまな点で優位性があるからだと言われています。

クールテックの優位性①:ハンドピースの多様性

クールテック・ディファインがクールスカルプティングに優れている点の一つは、ハンドピースの多様性にあります。治療の安全性を高めるためには、患者の体の解剖学的な特徴に合わせて最適なハンドピースを選択することが不可欠です。クールテック・ディファインのハンドピースの種類は、従来のクールスカルプティングの脂肪冷却装置に比べて幅広く、患者の体型や治療部位の特徴に応じて様々な形状から選択することが可能です。このハンドピースの多様性は、治療中の安全性を大幅に向上させる重要な要素となっています。特に逆説的脂肪過形成(PAH)のリスクを最小限に抑えるためには、体の各部位の形状に適切にフィットするハンドピースの選択が不可欠です。

当院での太もものクールテック症例写真

↑当院での太もものクールテック症例写真

クールテックの優位性②:ジェルパッドにおける進化

クールテックの優位性を示す一つの要素は、ジェルパッドの質の違いにあります。治療の安全性を高めるため、クールテックでは凍結保護膜としてクールジェルパッドを採用しています。このパッドに含まれるグリセロールが皮膚細胞の凍結保護剤として機能し、氷の結晶の形成を防ぐことで、皮膚への細胞損傷を最小限に抑える役割を果たします。これにより、脂肪冷却中の周辺組織の安全性が格段に向上します。一方で、クールスカルプティングにもジェルパッドが使用されていますが、これらは薄いパッドで構成されており、クールテックのものと比べると、保護性能に差があると考えられます。特に、逆説的脂肪過形成(PAH)や低温火傷(凍傷)などの稀な副作用の発生率に影響を与える可能性があります。

クールテックの優位性③:安全性を高める革新的な安全装置

クールテック・ディファインの最大の特徴の一つは、その先進的な安全装置にあります。この装置は、治療の安全性を高めるために、温度と吸引レベルを精密に制御するシステムを備えています。治療中、装置は70分間にわたって設定温度を一定に保ちます。この間、患者の皮膚に損傷の兆候が検出された場合、装置は自動的に治療を停止する機能を持っています。この真空制御システムは、皮膚の障害のリスクを最小限に抑えるために非常に重要です。温度と吸引の正確な管理により、患者にとって安全で快適な脂肪冷却を提供します。クールテック・ディファインに組み込まれたこれらの安全対策は、脂肪冷却治療の信頼性と効果を一層高めるものであり、治療を受ける患者の安心感を確保するために不可欠な要素です。これらの先進的な安全機能は、クールテックがクールスカルプティングと比較して優れている点の一つとして際立っています。

クールテックの優位性④:ハンドピースのデザイン

クールテック・ディファインの優れた特徴の一つとして、ハンドピースのデザインが挙げられます。治療の安全性と効果を最大限に高めるため、ハンドピースは人間工学に基づいて精巧に設計されています。このデザインは、吸引と冷却プレートが皮膚に最適に接触するように構成されており、これにより、脂肪細胞への均等な冷却と低い吸引圧での治療が可能となります。低い吸引圧の採用は、治療部位への機械的なストレスを減らし、血液循環を妨げることないので、PAHのリスクを軽減します。

クールテックの優位性⑤:4エリア同時に治療可能

クールテック・ディファインは、その先進的な設計により、同時に4つの異なるエリアを治療する能力を備えています。この装置には4つのアプリケーター(冷却装置)が搭載されており、一度の治療セッションで複数の部位に対応することが可能です。これに対し、従来のクールスカルプティングでは1エリアのみ、その新型モデルであるクールスカルプティングエリートでも最大2エリアの同時治療に限定されています。この4エリア同時治療の能力は、クールテック・ディファインがクールスカルプティングシリーズに対して持つ重要な優位性の一つです。患者が一度の治療で複数の部位を効率的に改善できることは、時間と労力の節約に大きく貢献します。

クールテックの優位性⑥:短期間での結果

クールテックのもう一つの顕著な優位性は、効果が発現するまでの期間の短さです。多くの研究によると、クールスカルプティングによる脂肪冷却後、目に見える効果が出るまで通常3~6ヶ月を要するとされています。これに対し、クールテックに関する研究では、効果が1~3ヶ月の間に現れることが示されています。この時間差は、冷却システムの違いによると考えられており、クールテックがより迅速に効果をもたらす可能性を示唆しています。この速やかな効果の発現は、クールテックがクールスカルプティングに対して持つ重要な利点です。患者は治療後比較的短い期間で結果を体感できるため、治療への満足度が高まり、より早く目標の体型に近づくことが可能になります。

お腹のクールテック症例写真

↑当院でのお腹のクールテック症例写真

まとめ

この記事では、非侵襲的な脂肪減少手法として人気の高いクールテックとクールスカルプティングの特徴を比較しました。クールテックの最大の特長は、逆説的脂肪過形成(PAH)といった重大な副作用の発生率がクールスカルプティングに比べて低い点です。この低い副作用発生率は、ハンドピースのデザインや安全装置など、クールテック独自の進化した技術に起因すると考えられます。加えて、クールテックでは一度の治療で複数の部位を同時に処理することが可能であり、治療効果の発現までの期間も短いという利点があります。これにより、効率的かつ迅速に理想のボディラインに近づける可能性が高まります。本記事が非侵襲的な脂肪減少手法である脂肪冷却に関心を持つ方々にとって、有用な情報源となることを願っています。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、、痩身治療を得意としている。日本美容外科学会ではウルセラの学会発表を行っている。痩身治療に関しては自らクールテックを受けてその効果をCT検査で証明した。また、実践した痩身治療を生かして、ベストボディ千葉大会ではグランプリを獲得している。

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2024/03/31

院長ブログトップ > 【脂肪冷却の効果】クールスカルプティング・クールテックの仕組み

【脂肪冷却の効果】クールスカルプティング・クールテックの仕組み

リンダ・エヴァンジェリスタのクールスカルプティング

美容医療の世界は日々進化を遂げており、患者様のニーズに応えるため、多様な痩身治療法が開発されています。その中でも、外科的な脂肪吸引を避け、安全かつ効果的に皮下脂肪を減少させるための方法として、クールテックやクールスカルプティングのような脂肪冷却療法が注目を集めています。このほかにも、ダイオードレーザー(エクセル)や高周波、HIFUといった非侵襲的な治療法が存在しますが、特に脂肪冷却療法は、「切らない脂肪吸引」としての人気を博しています。この記事では、クールテック、クールテック・ディファイン及びクールスカルプティング等の脂肪冷却による痩身治療機器について、その作用原理、副作用、そしてどのような効果が期待できるのかを、詳細にわたり解説していきます。

アイスキャンディーで判明した脂肪破壊の歴史

脂肪冷却の歴史は、驚くべきことに、20世紀初頭まで遡り、1900年代初頭の寒冷地において脂肪組織が損傷を受けるこという報告が起源です。1970年には「popsicle panniculitis(アイスキャンディー脂肪織炎)」という現象が研究報告されました。これは、アイスキャンディーをしゃぶる乳児の頬に見られる赤い硬結と脂肪破壊から名付けられました。この現象は、脂肪細胞が周囲の水分を多く含む組織よりも低温に対して脆弱であることを示しており、「寒冷脂肪織炎(または寒冷脂肪組織炎)」という病態であることが発見されました。寒冷脂肪織炎という現象を活用して、2007年に冷却痩身機器が開発されました。この機器は脂肪細胞と皮膚の物理的特性の違いを利用し、皮膚を傷つけることなく脂肪細胞を選択的に破壊します。以来、美容皮膚科や美容外科の分野において、クールテックやクールテック・ディファイン、クールスカルプティングなどの脂肪冷却痩身機器が開発されました。

出典元:

Cryolipolysis: a historical perspective and current clinical practice

脂肪冷却の仕組み

popsicleというアイスキャンディー

冷却による脂肪破壊という概念の基礎となる寒冷脂肪織炎(または寒冷脂肪組織炎)は、幼い少年がアイスキャンディー(popsicleというアイスキャンディー)をしゃぶった後に頬に硬結が生じた症例から発見されまsた。この現象を詳細に調査するため、研究者たちは少年の臀部と大腿部に氷を当て、生検を実施。その結果、真皮皮下と接合部に最も強く存在する強いマクロファージ反応と脂肪組織の局所的な破壊を確認しました。氷を除去した後48時間から72時間においてマクロファージ反応と脂肪破壊は増強し、その後2週間で完全に治まりました。この発見に基づき、脂肪が冷却に弱いという仕組みを利用して、冷却による脂肪溶解と局所脂肪減少の技術が開発されました。この治療法では、専用の装置を用いて皮膚とその下の脂肪組織の温度を一定時間、一定の冷却温度に保つことで、脂肪細胞のアポトーシス(細胞死)を誘発します。使用される装置は-3~6℃の温度範囲に設定され、表面の皮膚に不可逆的な損傷を与えることなく皮下の脂肪細胞のダメージを引き起こします。治療中、皮膚は体温から真皮層全体にわたって保護されますが、脂肪層では脂質の結晶化が誘発され、脂肪細胞の損傷が生じます。その結果、治療部位の脂肪細胞にアポトーシスが生じ、周囲の組織(皮膚、神経、血管、筋肉など)は温存されながら標的となる脂肪細胞だけが破壊されます。この工程は数ヵ月にわたり進行し、損傷した脂肪細胞はマクロファージによって除去されることで、最終的に治療部位の脂肪が減少していくのです。このような仕組みで脂肪冷却はで脂肪は減少し、その効果は永久的に持続します。

脂肪冷却の適応

脂肪冷却は、特定部位の局所的な脂肪を非侵襲的に減少させるための革新的な治療法です。脂肪冷却では顎下、上腕、脇下、脇腹、腹部、ふくらはぎ、大腿部、臀部下など、脂肪がつきやすい部位をターゲットとします。これらの部位に、脂肪冷却装置を直接取り付けることで脂肪細胞を効果的に溶解させ、徐々に脂肪層を減少させることが可能です。この脂肪冷却の機器には、複数の機器があり、クールテック、クールテック・ディファイン、クールスカルプティングなどが有名です。特に外科的な脂肪吸引に代わる手段を探している方や、長い回復期間を避けたいと考える方にとって、脂肪冷却は理想的な選択肢です。加えて、麻酔による副作用に懸念がある人にも適しています。なぜなら、脂肪冷却治療は麻酔なしで行われ、安全かつ効果的な瘦身治療として知られているからです。この治療法は、特に美容外科が初めての方や、手術に躊躇がある方、効果的で安全な痩身治療を探している方に最適です。脂肪冷却は、手術を伴わない、安心感のある痩身治療であり、望む体型へと導く助けになります。

脂肪冷却のクールテックを受ける筆者

脂肪冷却のクールテックを受ける筆者

脂肪冷却の一般的な副作用(軽微な副作用)

脂肪冷却治療は、その有効性に注目が集まる一方で、いくつかの軽微な副作用を伴うことがあります。これらの副作用は大半が一時的なもので、通常は自然に解消されます。最も一般的に見られる副作用は、治療部位の赤みや腫れ、そして若干の痒みです。これらは通常、治療後1週間程度で落ち着くことが多いです。また、あざ及び軽度の痛みや不快感も報告されていますが、これらも治療後しばらくすると自然に改善します。安全性の高い治療法であることは変わらず、これらの副作用は脂肪冷却治療を受ける際の一時的な反応として理解されるべきです。

脂肪冷却の稀な副作用(重篤な副作用)

脂肪冷却治療は一般的に安全で効果的な方法として認識されていますが、ごく稀に重篤な副作用が報告されることもあります。これらの副作用は、多くの症例においては見られませんが、認識し、適切な対処が可能であることが重要です。具体的には、治療に伴う低温火傷や逆説性脂肪肥大(PAH)という現象が挙げられます。

■低温火傷

ある論文報告では、2012年から2020年の期間に、腹部、四肢、頚部、脇腹、臀部といった多様な身体部位で低温火傷を経験した10人の症例が詳細に記されています。これらの症例では、表面的な部分熱傷から深刻な全層熱傷に至るまで、症状の程度はさまざまで、一部の患者には入院や皮膚移植が必要となりました。さらに、一部の症例では重度の凍傷が脂肪冷却の副作用として報告されており、全層凍傷を負った61歳の女性患者もいます。この患者は、治療後に激しい痛みを経験し、2日間の入院治療が必要となりました。安全性が高いとされる脂肪冷却治療でも、まれに起こり得る重大な副作用に留意し、信頼できる施設で治療を受けることが不可欠です。

■逆説性脂肪肥大(PAH)

脂肪冷却後のPAH

脂肪冷却治療において極めて稀ながら重要な副作用の一つが、逆説性脂肪過形成(Paradoxical Adipose Hyperplasia: PAH)です。PAHは治療された部位の脂肪組織が逆説的に増加する現象であり、通常は脂肪減少が期待されるところ、その逆が起こることを特徴としています。この状態は通常、冷却脂肪分解治療後の2〜5ヵ月に発現し、場合によっては外科的な手術が必要となります。ある研究では、冷却による脂肪溶解を受けた41歳の男性が治療後1〜2ヵ月で腹部に大きな腫瘤を発症した例が報告されています。この患者は、処置された部位の周辺で脂肪組織の異常な増加が見られ、病変は硬いが圧痛は伴わない状態でした。同様のケースとして、56歳の女性が脂肪冷却治療後に腹部に同様の症状を発症し、腹部形成術により腫瘤を外科的に除去した例もあります。病理検査では、脂肪細胞の増殖だけが確認されました。PAHの根底にあるメカニズムは未だ解明されていませんが、仮説として、脂肪細胞の肥大、幹細胞の動員、交感神経支配の変化、低酸素傷害などが考えられています。研究者たちはまた、PAHの発生傾向として男性での発生率の高さや、腹部治療の受けた患者、より大きなハンドピースを使用した症例が挙げられています。遺伝的要因の可能性も示唆されており、異なる施設で治療を受けた双子がともにPAHを発症した症例がその証左となっています。PAHの発生率は0.05~0.39%という報告がある一方、最新の報告では1%であるという報告もあります。このPAHについては有名モデルのリンダ・エヴァンジェリスタが「体を残酷なほど変えられた」として施術を行なったクールスカルプティングの製造元のゼルティック社(2017年にAllergan Aesthetics社により買収)を相手に5,000万ドルの損害賠償金を求めを提訴したことが話題となりました。PAHの発生頻度に関してはクールスカルプティングよりクールテック・ディファインのほうが低いという研究論文もあります。

出典元:

Linda Evangelista Shares First Photos of Her Body Since Fat-Freezing Nightmare: ‘I’m Done Hiding’

脂肪冷却の効果

脂肪冷却治療を受けた後、すぐには目に見える変化を感じないかもしれません。一部の患者は治療後わずか3週間で変化を感じ始めることがありますが、最も顕著な効果は通常、3~6ヵ月後に現れます。この緩やかな進行は、身体が自然に損傷した脂肪細胞を除去し、治療部位の形を整える過程に起因しています。患者によって結果は異なりますが、1回の治療で平均10%から25%の脂肪減少が期待できるというデータが存在します。初期の研究の1つでは、32人の被験者が脂肪冷却後の脇腹部の改善を経験しました。これらの被験者は治療後4ヵ月で超音波検査により平均22.4%の脂肪層の厚さ減少を示しました。最近の研究では、30人の女性が脂肪冷却の1回の治療後に脂肪層の厚さと腹囲を超音波で評価しました。6ヵ月後、腹部脂肪層の平均厚さは46.6%減少し、腹囲も肋骨下、臍上、臍、坐骨下領域でそれぞれ84.3、99.2、90.6、97.1cmから81.0、93.6、85.8、92.2cmに有意に減少しました。これらのデータは、脂肪冷却治療の長期的な効果とその有効性を示唆しています。

まとめ

本記事では、現在利用可能な脂肪冷却痩身治療機器に焦点を当て、その作用原理、一般的な副作用、そしてその効果について解説しました。脂肪冷却治療は、一般的に非常に安全で、副作用のリスクが低いと評価されています。しかし、国内のい美容外科や美容皮膚科の医療機関においてこれまであまり語られることのなかった、低温火傷や逆説性脂肪肥大(PAH)といった稀ながらも重篤な副作用の存在にも注意が必要です。この記事で、これらの副作用についての知識を深めることで、脂肪冷却治療を検討される方々が、より安全に、そして十分な情報を得て治療に臨めるよう願っています。脂肪冷却は多くの人にとって効果的な痩身選択肢ですが、正しい知識を持つことがその成功の鍵です。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、、痩身治療を得意としている。日本美容外科学会ではウルセラの学会発表を行っている。痩身治療に関しては自らクールテックを受けてその効果をCT検査で証明した。また、実践した痩身治療を生かして、ベストボディ千葉大会ではグランプリを獲得している。

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2024/03/30

院長ブログトップ > 鉄分不足と貧血と女性薄毛の関係【女性薄毛対策ブログ第20回】

鉄分不足と貧血と女性薄毛の関係【女性薄毛対策ブログ第20回】

貧血による薄毛が気になる女性

(第19回「「太っている人に薄毛が多い」は真実?適度な運動習慣を!」からの続き)

女性に多い健康の悩みのひとつに貧血があります。貧血は、医学的には血液中のヘモグロビン濃度、赤血球数などが減少していることを指します。まず、血液中の赤血球が減ると、酸素運搬機能が低下するため代謝効率が悪くなり、結果的に、細胞の成長が鈍化します。毛根では髪の成長が鈍化して、結果的に薄毛になる可能性があります。この記事では、この鉄分不足と貧血と女性の薄毛の関係について解説します。

そもそも女性が貧血になりやすい理由は?

■月経による血液の喪失

女性は月経によって定期的に血液を失います。これにより鉄分が失われ、鉄欠乏性貧血になりやすい傾向があります。

■食事からの鉄分摂取不足

日本人の食生活では鉄分や葉酸が不足しがちです。これにより、十分なヘモグロビンが合成されず、鉄欠乏性貧血を引き起こす可能性があります​。

■その他

ランニングや高負荷の筋トレのような激しい運動は、関節や胃の粘膜に小さな裂け目を作ることがあり、小さな裂け目から血液が少しずつ漏れだし、鉄分が失われ、貧血の原因になると言われています。

鉄分の重要性と貧血のメカニズム

鉄分とヘモグロビンと薄毛

女性は前述のとおり生理的特性により鉄欠乏の状態に陥りやすいとされています。この背景には、鉄がヘモグロビンの生成において重要な役割を果たしているという事実があります。ヘモグロビンは赤血球に存在し、全身の細胞へ酸素を運搬することで生命維持に不可欠です。鉄分が不足すると、ヘモグロビンの適切な合成が妨げられ、酸素の運搬能力が低下します。その結果、身体のさまざまな組織で酸素供給が不十分になり、鉄欠乏性貧血という状態が引き起こされます。

鉄分不足と女性薄毛の関係性について

多くの女性が経験する薄毛の問題は、鉄分不足という根本的な健康問題と密接に関連していることが指摘されています。鉄はヘモグロビンの生成に不可欠なミネラルで、ヘモグロビンは体内の細胞に酸素を供給し、細胞の成長や修復を促進する役割を担っています。これは髪の健康と成長にも直接影響を及ぼします。したがって、鉄分不足による貧血は、髪の毛の成長と質にも影響を与え、薄毛の原因となることがあります。実際、医療現場では鉄分不足の診断に際し、血清フェリチン値が重要な指標として使用されます。この値は体内の鉄貯蔵量を反映し、鉄欠乏の程度を正確に評価することが可能です。

血清フェリチンと鉄分不足の関係

血清フェリチンの測定が鉄不足の診断に使われる理由は、以下の点に基づいています。

■フェリチンとは

フェリチンは、体内の鉄を貯蔵するための主要なタンパク質です。血中のフェリチン濃度は体内の鉄貯蔵量を反映するため、鉄の状態を評価するのに適しています。

■体内の鉄貯蔵量の指標

フェリチンは体内の鉄貯蔵量の優れた指標です。体内の鉄が不足すると、まず鉄の貯蔵量が減少し、それに伴い血中のフェリチン濃度も低下します。

■早期の鉄不足の検出

鉄不足は初期段階では自覚症状が少ないことが多く、フェリチンの低下は鉄欠乏の早期段階で発生するため、早期の鉄不足を検出するために役立ちます。

■他の指標との比較

ヘモグロビンやヘマトクリットなど他の血液検査では鉄不足を示す変化が見られる前に、フェリチン濃度が低下することが多いです。そのため、フェリチンは鉄欠乏の診断において早期のかつ信頼性の高い指標とされています。

■鉄欠乏性貧血の診断

鉄欠乏性貧血の診断では、フェリチンの測定が重要です。フェリチン値が正常範囲よりも低い場合は、鉄欠乏性貧血である可能性が高まります。血清フェリチン12ng/ml未満の場合、鉄欠乏と診断されます。

鉄分不足を解消すると女性薄毛は治るか?

鉄不足が女性薄毛の原因になり得るのは明らかですが、では鉄不足を解消すれば、薄毛が治るのか、というのは難しい問題です。鉄分濃度が抜け毛に関係している可能性は確かにあります。ただ、多くの人が思っているほど頻繁に鉄分が関係しているわけではありません。何ヶ月もかけて、鉄分を改善しても髪の密度が改善しないこともあります。過去の研究で明らかになっているのは、血清フェリチンが低ければ低いほど、抜け毛に関係している可能性が高いということです。 血清フェリチン値が15を下回ると「抜け毛に関係している可能性が高い」、それ以上だと「抜け毛に関係ない」と言われています。血清フェリチン値が20-40は低い部類になりますが、この鉄レベルで薄毛の女性もいれば、全く薄毛ではない人もたくさんいます。

鉄分補給の効果と女性の薄毛改善の実態

 鉄不足が女性の薄毛に影響を及ぼす可能性は認められていますが、鉄分補給による薄毛の改善については、一概には言えない複雑な状況があります。確かに、鉄分の濃度が抜け毛の発生に関与することはありますが、この関連性は一部の人に限られる可能性が高いとされています。鉄分補給によって血中の鉄分濃度が改善されたとしても、必ずしも髪の密度や薄毛の状態が改善されるとは限りません。重要なのは血清フェリチン値です。この値が低いほど、抜け毛や薄毛の可能性が高まることが研究で示されています。特に、血清フェリチン値が15未満の場合は抜け毛に密接に関連しているとされていますが、20から40の範囲であっても薄毛に悩む女性がいる一方で、全く問題がない人も存在します。このように、鉄分不足と薄毛の関係は多面的であり、治療や対策を考える際には個々の状況を考慮する必要があります。

血清フェリチン値に基づく鉄分補給の判断基準

女性の薄毛治療において、鉄分補給の必要性を判断する上で重要な指標は、血清フェリチン値です。一般的なガイドラインとしては、血清フェリチン値が40未満の場合、鉄分補給を強く推奨するとされています。これは鉄不足に起因する薄毛のリスクを最小限に抑えるための指標です。しかし、実際の臨床現場では、血清フェリチン値が20代や30代であっても、鉄分を増やす試みが必ずしも有効であるとは限らない現実があります。これは、血清フェリチン値が薄毛の唯一の原因ではなく、他の要因も考慮する必要があることを示しています。

鉄分不足と女性薄毛に関する最新の研究

最近の研究では、びまん性脱毛症(TE)や女性男性型脱毛症(FAGA)を抱える女性80人(18歳から45歳)を対象に、脱毛症状のない同じ年齢相応の女性40人と比較して、鉄分不足と薄毛の関連性について詳細な調査が行われました。この研究において、特に注目すべきは、TE患者(14.7±22.1μg/l)とFAGA患者(23.9±38.5μg/l)の血清フェリチン値が対照群(43.5±20.4μg/l)に比べて著しく低いことが明らかにされた点です。興味深いことに、薄毛の重症度が増すにつれて、血清フェリチン値の低下が観察されました。これらの結果は、女性の薄毛と鉄分不足との間に深い関連があることを示唆しており、女性の薄毛治療において鉄分補給の重要性を再認識させるものです。

出典元:

Serum ferritin and vitamin d in female hair loss: do they play a role?

鉄分不足の克服:食事による効率的な鉄分摂取方法

赤身肉がよい女性薄毛

鉄分不足を解消するための最良の方法は、栄養バランスの取れた食事を通じて効果的に鉄分を補給することです。特に赤身の肉は、鉄分の豊富な源です。豆類や豆腐、ほうれん草、ブロッコリーなどの深緑色の野菜からも鉄分を摂取することが可能ですが、植物由来の鉄分は吸収率が低いと言われています。これは、鉄分には動物性食品に含まれるヘム鉄と植物性食品に含まれる非ヘム鉄があり、ヘム鉄の方が体内での吸収率が高いとされているからです。また、鉄分の吸収を高めるためには、ビタミンCが豊富な食品(柑橘類やトマトなど)の積極的な摂取が効果的です。ビタミンCは鉄分の胃での吸収を促進します。一方で、コーヒーや紅茶などは鉄分の吸収を阻害する可能性があるため、摂取のタイミングに注意が必要です。

まとめ

鉄分不足による貧血は女性薄毛の要因となることがあります。女性の薄毛問題における鉄分レベルの最適化は複雑ですが、特に抜け毛がある場合、血清フェリチン値を40以上に保持することが推奨されています。しかし、鉄分補給の効果には個々に差があり、すべての人に同様の結果が期待できるわけではありません。一方で、血清フェリチン値が15未満の場合、鉄分補給が毛髪の成長サイクルにプラスの影響を与える可能性が高まります。しかし、鉄分補給による薄毛の改善が確実ではない場合もあります。貧血の女性はしばしば栄養不足に陥りやすく、特にタンパク質やビタミンなどの不足が薄毛の一因となることも考えられます。したがって、鉄分だけでなく、バランスの取れた食事を心がけることが、女性の薄毛問題に対処する上で非常に重要です。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。これまで延べ5万以上の薄毛治療を行う。著書に「専門医が徹底解説!女性の薄毛解消読本」(元神賢太著 / 幻冬舎)。女性の薄毛治療のほか、エイジングケア治療、美肌治療を得意としている。

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2024/03/29

院長ブログトップ > 【蒼井そらさんの糸リフトは何?】効果やクリニックを徹底分析

【蒼井そらさんの糸リフトは何?】効果やクリニックを徹底分析

蒼井そらさんの糸リストの整形について

昔はセクシー女優として名を馳せ、今では中国でも高い人気を保持する蒼井そら(あおいそら)さんが、最近、フェイスリフトのための美容整形を施したことが大きな話題になっています。ヤフーニュースをはじめとする多くのメディアがこのニュースを取り上げ、ネット上ではその治療内容や効果について様々な憶測が飛び交っています。そんな中、このブログでは、20年以上にわたる美容外科の豊富な経験を持つ専門医が、蒼井そらさんが受けた糸リフト治療について詳しく解説します。また、彼女が治療を受けたクリニックに関する情報も提供し、読者の皆様がより深くこの話題を理解できるよう努めます。

蒼井そらさんのヤフーニュースの記事

「すげー!蒼井そら 糸リフトで小顔にゲキ変!「直後からこの引き上がり」術前と術後で効果てきめん!」と題された鮮烈な見出しで、2024年3月28日にヤフーニュース及びデイリースポーツは蒼井そらさんの糸リフトによる美容整形のニュースを掲載しました。この記事では、術前後の顕著な変化を示すビフォーアフターの写真も公開されており、多くの注目を集めています。以下に、ヤフーニュースからの記事を転載いたします。

■ヤフー記事全容(転載)

女優の蒼井そらが28日までに、糸リフトの美容整形手術を受けたことを告白した。インスタグラムのストーリーズで顔のアップ写真とともに「糸リフト術後はちょっと腫れたけど1週間で良い感じ 嬉しい」とPRした。 

施術した小山美穂医師のインスタでは術前と術後1カ月を比較した写真を公開した。「直後からこの引き上がり」「リフトアップで皮膚を持ち上げるだけで、ここまでの変化を出すことができます」というコメントの通り、あごのラインがシャープになり、顔のパーツにメリハリがついた印象。見事に小顔になっていた。

出典元:

ヤフーニュース、 デイリーニュース

蒼井そらのビフォーアフター

↑クリニックのインスタで公開されている蒼井そらさんの糸リフトのビフォー(左)とアフター(右)

掲載されていたビフォーアフター写真を分析

ヤフーニュースやクリニックの公式サイトに掲載された蒼井そらさんのビフォーアフター写真は、彼女の変化を示すための貴重な資料です。写真は一組だけですが、この写真を詳細に分析すると、特にフェイスラインに変化が見られます。初見では変化が微妙に思えるかもしれませんが、よく見ると術後の写真でフェイスラインがよりシャープになっており、全体的に引き締まった印象を受けます。ここで疑問が湧くのは、これらの変化がクリニックで施された糸リフト治療の結果なのか、という点です。この記事では、その答えを探るため、蒼井さんの写真をさらに細かく検証し、その変化がどの程度治療によるものかを分析します。

術前の写真を徹底分析:隠された表情の意味

まず蒼井そらさんの糸リフト治療前の写真に注目しましょう。この写真を詳細に観察すると、エラ部分の筋肉が目立って張っていることが分かります。さらに、唇の端が上向きになり、口角が挙がっている様子が見て取れます。これは、写真を撮影する際に、意識的に歯を強く噛み締めていたことに起因する特徴的な表情です。実際に、私自身が歯を強く噛み締める実験を行ったところ、エラの部分が張り出し、口角が上向くことを確認しました。そして、歯の噛み締めをやめると、エラの張りが減少し、顎の位置が低くなり、結果的にフェイスラインがよりシャープに見えることになるのです。このように顔の筋肉の一時的な収縮と弛緩は、顔の輪郭が違うように見える要因となります。このブログの読者も是非鏡の前で歯を強く嚙み締めた状態と直後に緩めた状態の顔の輪郭の違いを確認してみてください。

嚙み締めた時と緩めた時

↑嚙み締めた時(左)と緩めた時(右)の違い

蒼井そらさんの術後の写真の徹底分析

蒼井そらさんの術後の写真を詳細に検討すると、驚くべき変化が見て取れます。この写真では、私が実験で確認した「歯を噛み締めていない状態」の特徴と酷似しており、顎の位置が下がり、顔が垂直方向に伸びている様子が明らかです。これは、術前の写真が強く歯を噛み締めた状態で撮影され、一方で術後の写真はリラックスした表情で撮影された結果、顔の輪郭に顕著な変化が生じたことを示唆しています。施術を行った医師はインスタグラムで「直後からこの引き上がり。リフトアップで皮膚を持ち上げるだけで、ここまでの変化を出すことができます」と述べ、この変化が糸リフト手術の結果であることを強調しています。

不誠実な治療前後の写真の問題点

蒼井そらさんの糸リフト治療に関するビフォーアフター写真の誠実さについて疑問を提起します。具体的には、術前の写真が歯を強く噛み締めた表情で撮影されているのに対し、術後の写真はリラックスした表情で撮影されています。このように、撮影条件が異なる治療前後の写真を用いて、術後の変化を手術の効果として強調することは、閲覧者を騙す恐れがあります。事実、記事の編集者は「あごのラインがシャープになり、顔のパーツにメリハリがついた印象。見事に小顔になっていた。」と記述しており、読者が術後の写真の変化を手術の成果と誤解する可能性が高いことを示しています。医療の世界では誠実性が重要ですが、こうした不適切な写真の使用は、消費者に誤解を与え、医師やクリニックの信頼性に疑念を投げかける行為です。

蒼井そらさんが治療を受けたクリニックとは

ヤフーニュースで公開された医師の名前を手がかりに、蒼井そらさんが施術を受けたクリニックをデイズビューティークリニックと特定しました。私はデイズビューティークリニックの公式ホームページにアクセスし、院長および蒼井さんの担当医師の経歴を徹底的に調査しました。調査の結果、担当医師の経歴には、その学歴や職歴の詳細な年度が記載されていませんでした。一般的に、医師の経歴において経験年数が明確でない場合、実際の経験が短い可能性が高いと考えられます。この担当医師のケースでは、初期研修を終えた後、皮膚科医として保険診療に携わった期間が短いこと、そしてその後すぐに美容外科に転じたことが推測されます。また、デイズビューティークリニックの院長についても、その経歴には全ての年度が記載されておらず、大手美容外科での勤務経験はあるものの、それらの医療機関はどれも評判が芳しくない美容外科です。

蒼井そらの担当医師の経歴

↑蒼井そらの担当医師の経歴(勤務のクリニックより転載)

顧問医は立派なドクター

デイズビューティークリニックには、院長と蒼井そらさんの担当医師の経歴が明確に示されていない一方で、顧問医として掲載されている飯田医師については、美容外科業界でそれなりに有名な医師です。飯田医師の経歴には、詳細な年度とその業績がきちんと記載されており、他の2名の医師との経歴の差が際立っています。飯田医師の豊富な経歴の詳細な掲載は、デイズビューティークリニック側が他の医師の経験の不足を補うための意図があると考えられます。しかし、飯田医師自身が湘南美容外科を退職後、多数の美容外科クリニックで顧問として活動していることを考慮すると、これが単に収入源としての顧問契約である可能性も否定できません。この状況は、単に顧問医としての名声に依存するのではなく、その実際の専門性やクリニックでの役割に関しても、消費者は慎重に評価する必要があることを示唆しています。飯田医師の名声に惑わされず、その実際の業務内容や寄与度を考慮に入れた総合的な判断が求められます。

飯田医師の経歴

↑飯田医師の経歴(勤務のクリニックより転載)

デイズビューティークリニックの料金体系の複雑さとその潜在的問題

デイズビューティークリニックの料金表についてさらに詳しく検討したところ、特に二重まぶた治療に関連する料金設定に注目が集まります。デイズビューティークリニックでは、様々な種類の二重埋没法に対する料金が掲載されており、その複雑さが消費者に混乱をもたらす可能性があります。料金設定のこのような複雑性は、消費者が適切な情報をもとに判断することを難しくさせる要因となり得ます。過去のブログでも指摘したように、料金表が複雑でわかりにくいクリニックは、潜在的にアコギなことを行っている美容外科の疑いが高いと考えられます。この点に関しては、消費者が治療を選択する際に注意深く評価する必要があり、透明でシンプルな料金体系が望まれます。

デイズビューティークリニックの料金表

↑デイズビューティークリニックの二重の料金表(勤務のクリニックより転載)

担当医師のコメントについて分析

担当医師は「直後からこの引き上がり」と「リフトアップで皮膚を持ち上げるだけで、ここまでの変化を出すことができます」とコメントしています。これらの発言は、美容外科の専門家の観点から見ると、いくつかの疑問を感じずにはいられません。一般的に、蒼井そらさんが受けた吸収性の糸リフトの効果は、直後に最も顕著であり、時間が経つにつれて徐々に減少します。しかし、医師のコメントはこの点についての理解を欠いているように思われます。また、治療前後の写真には、歯を噛み締めることによるわずかな変化しか見受けられないにもかかわらず、医師は皮膚をリフトアップするだけで大きな変化を生み出すことができると主張しています。このような発言は、消費者に誤解を与える意図があるのではないかという疑念を生じさせます。

蒼井そらの担当医師のインスタ

↑担当医師のインスタに掲載されている蒼井そらさんの写真横の担当医師によるコメント

吸収性糸リフトの限界と他の選択肢の提案

今回の蒼井そらさんのインスタグラム投稿は、クリニックの宣伝目的のPRであった可能性が高いと考えられます。彼女をはじめ、多数のインフルエンサーが吸収性の糸リフトをPR案件で推奨していますが、私はこの手法を推薦しません。主な理由は、吸収性糸リフトの効果が一般的に1〜2ヶ月程度で消失することにあります。長期的な持続性を求める場合、ウルセラのような照射によるリフトアップ治療が1年以上の効果を持続するため、より適切な選択です。また、もっと確実なフェイスリフト効果を求める場合には、外科手術に匹敵する非吸収性の糸リフトであるスプリングスレッド治療を検討するのが良いでしょう。吸収性糸リフトに関する情報は慎重に扱う必要があり、より長期的な効果や目立つ変化を求める場合には他の治療法を検討すべきです。

まとめ

この記事を通じて、蒼井そらさん(あおいそら)が美容整形で受けた糸リフトによるフェイスリフト治療に関して詳細な解説を行いました。治療前後の写真、担当医師のコメント、そして選ばれたクリニックの詳細な分析を行った結果、美容外科の治療においては、華々しく宣伝しているクリニックから選ぶのではなく、治療法の適切さやクリニックの信頼性に注意を払う必要があることが明らかになりました。特に、広告やPR活動に惑わされず、慎重に情報を精査することの重要性も浮き彫りになりました。医師の経歴の透明性、治療法の持続性、料金体系の明確さなど、多角的な視点からクリニックを選択することが、期待される美容効果を得るための鍵です。最終的には、患者自身が情報に基づき、総合的に判断することが重要であるというメッセージを、読者の皆さまにお伝えしたいと思います。この分析が、美容外科治療を検討している方々の参考になれば幸いです。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがあり、アンチエイジング治療、リフトアップ治療を得意としている。ウルセラは日本国内に導入直後から取り入れており、日本美容外科学会でもウルセラの学会発表を行っている。

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失敗しない美容外科医の選び方

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2024/03/28

院長ブログトップ > 【ガミースマイルの原因と治し方】ボトックスのメリットについて

【ガミースマイルの原因と治し方】ボトックスのメリットについて

ガミースマイルの原因と治療方法

スマイル(笑顔)は、私たちの感情や個性を表現するために重要ですが、ガミースマイルが気になる方々は、自分の笑顔に対して抵抗感を抱くことがあります。このブログでは、笑った時に歯茎がむき出しになる、あるいは歯茎が長いと感じるガミースマイルの原因と、それに対する有効な治療法を解説します。また、特にボトックスを用いた治療の利点について詳細に掘り下げていきます。

ガミースマイルの自己診断方法

ガミースマイルを自己診断するためには、まず、笑った時の歯茎のむき出し具合に注目しましょう。普通の笑顔では、歯茎が1~2mm程度露出することが一般的です。しかし、ガミースマイルの場合、これが3~4mm以上となり、より多くの歯茎が見えるむき出し状態となります。

ガミースマイルの定義とは

ガミースマイル(gummy smile)は、笑った際に歯肉が顕著にむき出しになる状態を指します。gumは英語では歯茎を意味し、gummy smileを直訳すると「歯茎が強調された笑顔」となり、医学的には歯肉の過剰露出と定義されています。ガミースマイルに関して一般的な基準は、通常の笑顔で歯茎が1~2mm程度露出するのに対し、3~4mm以上歯茎がむき出しになるとガミースマイルとされています。重要なのは、ガミースマイルが多くの場合、医学的な問題ではなく美容上の懸念であることです。ガミースマイルは審美歯科や美容外科の分野における見た目の問題であり、個人が自分の笑顔に満足していれば、医学的に治療を受ける必要はありません。

参照元:

Perceptions of dental professionals and laypersons to altered dental esthetics: Asymmetric and symmetric situations.

新垣結衣のガミースマイル

ガミースマイルの発生頻度

ガミースマイルの発生率は、20〜30歳の年齢層で10〜15%程度とされています。加齢とともに上唇の筋肉組織がたるみ、上顎の歯の一部とともに歯肉組織で覆われるため、年齢が上がるとガミースマイルの発生率は低下します。また、性別による違いも確認されており、ある研究によると、笑顔時に露出する歯肉の量は女性の方が男性よりも1.5〜2mm多く、その割合は男性では7%、女性では14%という結果が出ています。このように女性にガミースマイルが多い理由は、医学的な確固たる根拠はまだありませんが、一つの考え方として、男性は一般的にひげの影響で皮膚が厚くて硬いのに対し、女性は口周りの皮膚が柔らかい傾向にあるため、笑った際に上唇が過度に上がりやすく、それがガミースマイルの発生に繋がる可能性があるとされています。

参照元:

Surgical Procedures Reducing Excessive Gingival Display in Gummy Smile Patients With Various Etiologic Backgrounds

ガミースマイルの原因

ガミースマイルの原因は多岐にわたり、それぞれ個人差があります。生まれながらの歯並びの問題や歯肉の過成長によって露出が目立つケース、小児期の歯の生え方の異常(萌出)など、様々な理由が挙げられます。これらの要因によって、笑顔の際に歯茎が通常よりも目立つガミースマイルが形成されるのです。ガミースマイルの一般的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

■歯の生え方

ガミースマイルの原因の一つに、「歯の生え方」があります。これは歯の大きさや形状、またそれらがどのように生えてくるかによって異なります。具体的には、以下の二つの要因が考えられます。

受動萌出の変化:これは、歯が成長する際に、歯肉によって歯が過剰に覆われてしまう状態です。

上顎垂直過長症:上顎の骨が通常よりも長く成長し、それによって歯肉の露出が増える場合があります。

■歯肉と上唇の遺伝的な構造

ガミースマイルを引き起こす要因として、遺伝的な歯茎や口唇の異常があります。その中でも、特に重要なのが次の二つです。

歯肉肥大:これは歯茎が通常よりも厚くなったり、長すぎる状態を指します。このような状態の歯茎は、笑った時により目立つことがあります。

上唇過活動:休息時は正常に見える上唇が、笑うときに過剰に上がることで、歯茎がむき出しになることがあります。

■薬の影響

ガミースマイルに影響を与える可能性がある薬剤があります。これらの薬剤は、薬剤性歯肉過剰増殖症(DIGO)として知られる状態を引き起こすことがあり、これは歯肉組織が過剰に増殖するものです。DIGOが放置されると歯周病のリスクが高まるため、この状態になった場合は歯科医師との相談が重要です。以下の薬です。

抗てんかん薬:てんかん発作を治療するために使用されることがあります。

免疫抑制剤:臓器移植後などに処方されるものです。

カルシウム拮抗薬:高血圧治療に用いられます。

ガミースマイルの治し方

ガミースマイルの修正は、原因やその重症度に基づいて様々な治療方法があります。どんな年齢の方でも、ガミースマイルの改善のための治療を受けることが可能です。治療方法は個々の患者の希望やガミースマイルの原因によって異なります。

■歯列矯正治療

歯列矯正治療は、顎や歯の配置に関連するガミースマイルの軽度なケースに適した治療法です。これには歯列矯正やクリアアライナーなどの矯正装置が用いられます。この治療は、歯を正しい位置へと移動させることで、歯並びと噛み合わせの改善を目指します。正確な位置への歯の調整によって、笑顔時の歯茎の露出を減少させる効果が期待できます。

■ボトックス注射

ガミースマイル治療前後

ボトックス(ボツリヌス毒素)注射は、しわや小じわの改善に広く用いられる美容治療ですが、ガミースマイルの改善にも有効です。この治療法は、上唇の筋肉の過剰な活動を抑制することで、笑顔時に上唇が過度に上がるのを防ぎ、歯肉の露出を減らします。ボトックスは笑顔時だけでなく、通常時の歯肉の見た目にも影響を与えます。この治療は一時的な効果であり、持続するためには6ヶ月ごとの継続的な治療が必要となります。

■ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注射は、ガミースマイルの治療において比較的新しい方法です。ヒアルロン酸は唇に注入するのではなく、ほうれい腺の上部に注入することで、ボトックスと同様に唇の過可動を抑えることができます。持続期間は6ヶ月から1年間です。

■手術

ガミースマイルの治療には、いくつかの手術方法があります。手術方法には、歯冠長延長術(不十分に萌出した歯の露出を増やす)、歯肉切除術(過剰な歯肉組織の除去)、顎の手術(重度のケースでの上顎の位置調整)、上唇の手術(上唇の過活動に対処するための手術)などがあります。これらの方法はそれぞれ異なる原因によって対応しており、患者の希望に応じて選択されます。

ボトックスによるガミースマイル治療の効果

ボトックスは、ガミースマイルの治療に効果的です。鼻と上唇の間の特定の筋肉(上唇挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋、口輪筋)に注射することで、笑った時の上唇の上昇を抑制し、歯茎がむき出しになることを抑えます。この非侵襲的な治療は、短時間で行え、自然な形で笑顔を改善させます。効果は3~6ヶ月続き、定期的な治療で効果の持続期間が長くなることが知られています。治療後はすぐに日常生活に戻ることができ、2週間後には完全な効果が現れます。

ガミースマイルのボトックス治療前後

出典元:

OnabotulinumtoxinA for the Treatment of a “Gummy Smile

ガミースマイルをボトックスで治療のメリット

ボトックスによるガミースマイル治療には多くのメリットがあります。まず、非常に手軽に受けられることが最大に利点です。施術後の回復は迅速であり、施術自体も短時間で完了します。コストパフォーマンスに優れ、外科手術など他の治療方法と比較して経済的です。結果は自然で迅速に現れ、個々のニーズに合わせた調整が可能です。特に、ボトックスは全体的な顔の外観を大きく変えることなく、歯肉の露出を自然に効果的に減らすことができます。これらのメリットから、ボトックスは低侵襲的で便利な治療法として多くの人に選ばれています。

ガミースマイルのよくあるご質問

Q:ガミースマイルのボトック治療スの料金はいくらですか?

A:ガミースマイルのボトックス治療に関する料金は、患者ごとの症状の重さや必要とされるボトックスの量によって異なります。ボトックス治療は外科手術などの他の方法に比べてコストパフォーマンスが高いとされていますが、継続的な効果を保つためには、4~6ヶ月ごとの治療が推奨されます。費用については、ご自身の症状に応じて、治療を提供する医療機関に具体的な見積もりを確認することが重要です。私のクリニックでは1か月間のアフターケア付きで55,000円(税込)です。

Q:ガミースマイルには何単位のボトックスが必要ですか?

A:ガミースマイルのボトックス治療に必要な単位数は、一般的には4〜8単位程度とされています。治療では、ボトックスを上唇と鼻の間の領域に注入し、笑ったときに筋肉が収縮して歯茎が露出するのを抑制します。この量は、個々の症状や筋肉の反応に応じて調整されます。

Q:ガミースマイルはなぜダメなのでしょうか?

A:ガミースマイルが「ダメ」というわけではありません。それは完全に個人の美的感覚や好みの問題です。ガミースマイルによる具体的な健康上のデメリットはないため、見た目に不快感を覚えない限り治療の必要はありません。しかし、見た目が気になる場合、ボトックス治療は簡単かつ効果的な解決策となり得ます。

Q:ガミースマイルの芸能人は?

A:戸田恵梨香さん、新垣結衣さん、石原さとみさんはガミースマイルです。多くの著名な女優がガミースマイルの特徴を持っていることが知られています。ガミースマイルは個人の魅力の一部であり、多くの有名人がこの特徴を持っています。

Q:ガミースマイルの人は上唇が薄いですか?

A:上唇の薄さはガミースマイルに影響を与える要因の一つとされています。上唇の皮膚が薄い場合、笑顔時に歯茎がより露出しやすくなると考えられます。ただし、ガミースマイルの発生は多様な要因によるものであり、上唇の厚さや形状だけが直接的な原因とは限りません。

Q:ガミースマイルは自然に治りますか?

A:ガミースマイルが自然に治ることはありません。インターネット上で販売されているセルフケア製品も、医学的根拠に基づいていない場合が多く、これらを使ってもガミースマイルが改善されることは期待できません。効果的な治療法を求める場合は、専門の医療機関への相談が必要です。

Q:ガミースマイルはいつ治りますか?

A:ガミースマイルは自然に治ることは期待できません。改善を希望する場合、ガミースマイルの治療に精通した歯科医や美容外科専門医への相談が適切です。

Qガミースマイルの原因は出っ歯ですか?

A:ガミースマイルの原因として、出っ歯(上顎前突)が一因となることがあります。上顎の骨が縦に長い、あるいは前に出ている場合、歯茎のアーチ部分が相対的に長くなり、唇に対して歯茎が収まらず露出しやすくなります。これにより、上唇が押し上げられ、歯茎の露出が目立つようになるのです。

石原さとみのpガミースマイル

まとめ

このブログでは、ガミースマイルの原因と効果的な治療法について詳しく解説しました。特にボトックス治療は、手術に比べて手軽に受けられる方法であり、デメリットや副作用が少ないという大きなメリットがあります。ガミースマイルがもたらす心理的な影響に悩む方々にとって、ボトックスは低リスクで効果的な選択肢となるでしょう。

筆者:元神 賢太
船橋中央クリニック院長/青山セレスクリニック理事長。1999年慶応義塾大学医学部卒。外科専門医(日本外科学会認定)。美容外科専門医(日本美容外科学会認定)。美容外科医師会理事。美容外科医として20年以上のキャリアがある。ガミースマイルのボトックス治療は日本国内でもいち早く治療を開始し、多くのガミースマイルの患者を行ってきた。

【関連項目】

ガミースマイルのボトックス治療の相談はこちらから

ガミースマイルの当院の治療経過と写真

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